100均雑貨がアンティーク風になる!エイジング塗装のやり方を解説
“エイジング塗装” という言葉を聞いたことはありますか?
DIYやインテリア好きの間で広まっている注目ワードで、アンティークやヴィンテージ “風” のオリジナルアイテムを作れると話題です。
というわけで今回は、流行りのエイジング塗装についてご紹介。100円ショップで販売されている塗料を使用したエイジング塗装のやり方やコツもまとめているのでチェックしてみてください。
エイジング塗装とは?実は歴史ある塗装技術!
「エイジング」は一般的に加齢や老齢化のこと。「エイジング塗装」とは、ペイントによって長い時が経過したように見せる技法のことです。
「エイジングペイント」や「アンティーク塗装」などと呼ばれることもあり、錆や剥がれ、汚れなどをわざとつけることで古びた雰囲気を演出します。
新しいインテリア用語のように思いますが、実はその歴史は古く、中世ヨーロッパの時代からあった技術といわれています。新しく建てられる建造物が歴史あるヨーロッパの街並みに馴染むよう、景観を損なわないための処置として、当時からエイジング塗装が用いられてきたのだとか。
日本ではあまり馴染みがありませんでしたが、DIYや男前インテリアがブームになった頃から徐々に注目されるようになりました。人気のインダストリアルインテリアやブルックリンスタイル、シャビーシックスタイルなどにもマッチするので、積極的に取り入れる人も増えています。
100均雑貨や大量生産商品でも一点物のアンティーク雑貨のように仕上げることができるので、コスパ良くおしゃれなインテリアコーディネートがしたい人にもおすすめできます。
もちろん雑貨以外にも、家具や壁、柵や什器など、加工できるものは様々。テーマパークや商業施設のインテリアに用いられることもあり、エイジング塗装を専門とする職人さんもいるなど、今注目度急上昇中の技法なんです。
ダイソーのペイントグッズはエイジング塗装にぴったり!
そんなエイジング塗装を自宅でやってみたい人におすすめなのが、大手100均・ダイソーで販売されている塗装用品です。
カラーバリエーション豊富で多用途に使える水性塗料・防カビ水性塗料のシリーズや、ミルクカゼイン配合で優しい自然の色合いになる「ナチュラルミルクペイント」シリーズなど、多数のシリーズを取り扱っています。なかでも人気なのがナチュラルミルクペイントのシリーズで、DIYの定番であるミルクペイントが100均で買えるとあって発売当初はSNSを賑わせていました。
他にも、塗ってふき取るだけでアンティーク調の風合いになる「アンティークメディウム」や、ベースとして塗るだけでヴィンテージのようなひび割れた表面に仕上がる「クラッキングメディウム」など、エイジング塗装専用といえるラインナップも多数あり。ニスやハケ、塗装用マスキングテープなどの関連商品も揃っているので、ペイント初心者にもおすすめです。
「でも専門の職人さんがいるくらいなら素人がやるのは難しいのでは…?」と思うかもしれませんが、近頃はSNSやネットでエイジング塗装のやり方がたくさん紹介されています。後ほど紹介する方法は特に丁寧に塗装する必要もないので、思いのほか簡単にできてしまいます。
塗料と併せてエイジング加工をするものを100均で調達すれば気軽に挑戦できるし、多少失敗しても「味」として格好がつくのもエイジング塗装の良いところでしょう!
エイジング塗装で100均のプラスチック製プランターをアンティーク風にしてみた
【材料】
- エイジング塗装したいもの(今回はプラスチック製の皿付きプランター)
- 水性塗料 アースホワイト
- 水性ニス ウォールナット
【道具】
- 紙やすり
- メラミンスポンジ
【あると便利な道具】(なくてもOK!)
- 紙コップや使い捨てパレットなど
- 使い捨てビニール手袋
- 水入り霧吹き
- 下に敷くゴミ袋
【作り方】
①プランターと皿の表面全体に紙やすりをかける
プラスチック製品やブリキ缶など表面がツルツルしているものに塗装をする場合、予めやすりをかけて表面に傷をつけておきます。
しっかり傷つけることで塗料の乗りが良くなるので、全体にムラなくやすりがけをしておきましょう。
②メラミンスポンジで白の水性塗料を塗る
メラミンスポンジに水性塗料をつけて全体に塗ります。
パレットなどがないときは、家に余っている紙コップに塗料を出すと後片付けが楽です。紙コップもないという人は、アルミホイルをトレイのような形に折って使うのもアリですよ。
メラミンスポンジは100均に売られているこちらを使用しました。もちろん筆やハケでも良いですし、メイク用のパフやキッチンスポンジでも塗ることができればOKです。
適当な感じに塗っても最終的にそれっぽくなるので(笑)、そこまで神経質にならなくても良いでしょう。プランターの内側は塗ってもいいですし、筆者のように面倒くさがりの人は見える部分だけ塗っても良しです。
③乾燥させる
一晩乾燥させたものがこちら。今回は白の水性塗料を二度塗りしています。
④メラミンスポンジで水性ニスを塗る
全体に水性ニスを塗っていきましょう。
まだ上から塗り重ねるので塗りムラは気にしないで大丈夫です!
⑤メラミンスポンジで白の水性塗料を塗り重ねる
ニスが乾かないうちに白の水性塗料を上から塗り重ねます。
べた塗りしたり、叩くように塗ったり、ぐるぐるとこするように塗ったり、ランダムに塗り重ねると徐々にアンティーク風になってきます。
コツは、きれいに均一に塗ろうとしないこと。濃いところや薄いところ、ムラや塗り残しがある方がそれっぽく見えます。
所々バランスを見ながら、こんな風に白の塗料をベタッと多めにつけたりするのも良いですよ。
⑥部分的に水入りの霧吹きを吹き掛ける(※この工程はなくてもOK)
さらにアンティーク感を強く出したい場合は、部分的に霧吹きで水を吹き掛けてみてください。
乾ききっていない塗料が垂れ、「野ざらしで放置しておいた」ような経年劣化を演出することができます。やりすぎるとのっぺりしてかっこよくなくなってしまうので、ほんの少し、部分的に垂らすのがコツです。
水を吹き掛けた後は水性塗料またはニスをつけたスポンジで馴染ませて、全体的に好みの見た目になるまで最終調整してくださいね。
⑦しっかり乾燥させたら、完成
100均プランターのエイジング塗装の完成です!
塗装前と比べると大分貫禄が出ましたね!
100均のプラスチックプランターが、男前インテリアにも合うおしゃれなプランターになりました。
遠目で見ると朽ち果てたブリキやコンクリートの植木鉢のよう。重量感があってなかなか良い雰囲気です。
ディスプレイとして使えるので、プランター以外の雑貨でも色々試してみたくなります。
一見凝ったDIYに見えるエイジング塗装ですが、安い材料で手軽にできるし、特に難しい工程もありません。
100均プランターは安くて良いけど、ツルツルした素材感がちょっとインテリアに合わない…なんてときには便利でしょう。自分好みにオリジナルのエイジング加工ができるというところも、DIY好きにはそそるポイントです。
以上、100均商品を使った簡単なエイジング塗装のやり方でした。
※参考にさせていただいたサイトはこちら
https://www.youtube.com/watch?v=LzJuO-CgaZ4
https://www.candytower.com/html/page18.html
100均グッズを活用してエイジング塗装を楽しもう
新品のアイテムや、身近な雑貨をアンティークスタイルに変えることができるエイジング塗装。
100均グッズなら失敗を恐れず気軽にはじめられるので、お家時間の新しい趣味として挑戦してみてはいかがでしょうか。
文/黒岩ヨシコ
編集/inox.