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月額1200円で40の施設を利用できる!サウナのサブスク「サウナタイムパス」が生まれた理由

2022.05.15

一般社団法人 日本サウナ・温冷浴総合研究所が2022年3月7日に発表した『日本のサウナ実態調査』によると、「サウナブーム」と報道されているのとは裏腹に、「サウナ愛好者人口1000万人減」とされています。筆者は個人的には大きく数字が減少している「1年に1回程度」「半年に1回程度」「2~3カ月に1回程度」サウナを利用する人を、「愛好家」の枠に入れてカウントするのはどういう意図があるのかなと思ったりもしているのですが、この数字はさまざまなメディアで取り上げられました。

一方で、新しいサウナ施設やサウナ関連サービス、グッズは今年も勢いよく次々と登場しています。中でも注目を集めているのが、今月リリース予定の「サウナタイムパス」。既存の「サウナ×サブスク」は、施設が単体で月額制を導入している場合が多いですが、「サウナタイムパス」は複数の施設にまたがって利用することができるもの。

月額1200円で、賛同施設ごとに定められた条件を達成すれば入館料無料で利用することが可能です。同一施設が利用できるのは月1回ですが、賛同施設は1か月の間にいくつも回ることができ、「サウナ北欧」や「オアシスサウナ アスティル」「新宿天然温泉テルマ―湯」「舞浜ユーラシア」など人気施設も名を連ねています。

なんだかお得そうな「サウナタイムパス」。どうしてこの取り組みを始めたのか?この月1200円という価格で大丈夫なのか?「施設ごとに定められた条件」とはどんなものがあるのか?など、気になることがありすぎるので、「サウナタイムパス」を開発するサウナのメディア「サウナタイム」の代表・瀬尾圭太さんにお話を伺いました。

サウナ愛好家とサウナ施設、双方の悩みを解決したい

「サウナタイム」の代表・瀬尾圭太さん

――サウナタイムパス開発の経緯を教えてください。

「サウナタイム」代表 瀬尾圭太さん(以下、敬称略): もともと「サウナタイム」というサウナのメディアサイトを立ち上げて4年ほど経ちます。さまざまなサウナ施設や、サウナ好きの方とお話をする機会がたくさんある中で見えてきたのが、双方抱えている悩みがあるということです。

サウナ好きの方は、本当はもっといろいろなサウナを開拓したり、サウナで食事をしたり、マッサージを受けたいと思っているとのことですが、入館料で2000円以上かかったりもするので、頻繁にサウナへ行くと、そこまで回すお金がないという悩みを抱えていると伺いました。

一方で、サウナ施設の方の悩みですが、サウナが流行って多くのお客さんが来てくれるのは大変ありがたいが、コロナ禍の影響などもあり、サウナだけ利用して帰っていかれる方が多いようです。サウナにも飲食やマッサージなどのサービスが充実しているところが多いのに、浴室だけに人が集中して混雑しているので、もっと館内利用をしてほしいという悩みを抱えていることがわかりました。

――サウナ施設的には、館内利用がないと経営的には厳しいんですよね。

瀬尾:そうなんです。例えば僕がサウナに入るとき、入館料2000円くらい払って、そのまま帰る場合はドリンクを1、2本飲んで帰りますけど、食事もするとなると、入浴代も混みで6~7000円支払うことが多いです。そうなると、やはり施設は入館料とは別に食事をしてほしいと考えるし、サウナー側は食事もしたいけど入館料が負担になっている。そこで行きついたのが、館内利用をすることを条件に入場料を無料にするという座組の橋渡しをすることで、両方の問題を解決するのではないかということで作ったのが「サウナタイムパス」です。

――課金方法を「サブスク」にした理由は?

瀬尾:サウナタイムがサイトを運営していく上で、大切にしている方針として「施設からお金を取らない」というのがあります。施設情報のサイトへの掲載料や、取材をしたり、イベントをお手伝いさせていただいた場合も、ほとんどいただきません。

自分もサウナ施設をプロデュースさせていただいたことがあるんですが、サウナ施設って本当に運営が大変なんですよね…。ボイラーとかチラーとかすぐ壊れるし、メンテナンスも本当に大変なんです。その状態で、毎回2000円とか1500円で入浴させてくれるっていうのが、結構奇跡のレベルなんです。それなのに広告料をもらうっていうのは、何の貢献にもならないので、特別なことがない限りは施設からは料金を取らないっていうのをひとつの方針にしていたんです。

それで、有料会員モデルにしようと考えた時、都度課金か、サブスクモデルかいろいろ悩んだんですね。サウナって、今はけっこう「趣味からカルチャーに」っていう感じで言われていますが、個人的には、サウナって日々のライフスタイルのことなのかなと思っていて。お風呂に入ったり、歯を磨いたりするのと同じぐらい、身近なものであってほしいなっていう気持ちがあるんですね。そう考えたときに、都度お金を払うよりも、一定量で使い放題というサブスクモデルのほうが、ライフスタイルに寄り添えるのかなと思ったんです。

――「サウナタイムパス」は月額1200円で、同じ施設に行けるのは1か月に1回。

瀬尾:そうです。1施設は月1回ですが、賛同施設をぐるぐる回っていただければ、1,200円で1か月の間に何回でも利用が可能です。

――安すぎるという声はありませんでしたか?

瀬尾:実際に始めてみてまた見直すこともあるかもしれませんが、まずは生活に溶け込めるような価格で始められたらと思っています。

――同一施設の利用回数を月1回に制限したのは、人気施設に人が集中しがちだからでしょうか。

瀬尾:そうですね。既存の人気施設だけに人が集中しても、問題解決にならないので、いろんな施設に足を運んでもらえるようにしたいと思っています。

気になる利用条件は…意外と達成しやすい!?

――施設ごとに一定条件を達成するのが入場料無料になる条件となっていますが、どんな施設でどんな条件があるのか、具体例を教えてもらえますか?

瀬尾:例えば都内の超人気施設、サウナ北欧だと「館内飲食1000円以上、もしくはボディケアの利用」が条件なんです。

――それは達成しやすい条件ですね。

瀬尾:はい。北欧カレーなど有名メニューもありますが、北欧カレーって、ポテトサラダやオロポ(オロナミンCをポカリスエットで割ったドリンク)がめっちゃ合うんですよ。カレーと一品サイドメニュー、これで1000円はすぐに超えると思うんですよね。気軽にパスを使いに行けるのではないかなと思います。

また、「今日はサウナでがっつり飲むぞ!」というときは、たとえば新宿のテルマー湯などがいいと思います。テルマー湯は「館内利用5000円以上」が条件ですが、歌舞伎町だと近隣の飲食店で5000円ってすぐ使っちゃうと思うんですね。

――確かに。安居酒屋に行かない限り、歌舞伎町で飲食したら5000円は軽くかかりますね。

瀬尾:ですよね。だったら、同じ5000円を使うのであれば、外で飲食するのではなく、テルマ―湯で無料でサウナやお風呂も楽しんだほうがいいと思うんです。

もともと歌舞伎町で飲食していた方にとっては、同じ金額でサウナも楽しめて、サウナの後のご飯は何割増しでおいしく感じていただけますし、テルマ―湯としても高単価のお客さんが呼べるんです。

最近テルマー湯は、屋上でフィットネスができるようになったので、運動、サウナ、そして飲食と、楽しみのバリエーションが非常に広がるのかなと思います。

――なるほど。サウナ―の方のお金を飲食に使ってもらうだけでなく、飲食店にお金を使っていた方をターゲットに、新規にサウナに来てもらうという狙いもあるわけですね。施設によっては、ボディケアが条件のところもありますよね。

瀬尾:そうですね。多くの温浴施設では、ボディケアって外注のところが多いんです。少し踏み込んだ話をすると、その外注先に対して1か月の最低保証額(支払う額)を決めていたりします。しかしコロナ禍で利用客が減り、売上が最低保証額に満たない施設もあり、セラピストを待機させている分を施設がかぶっているような状況もあったりするんですよね。

――入場料を無料にしてでも、セラピストの稼働を上げたいんですね。

瀬尾:そうです。あと逆に飲食やボディケアを持たない施設もありまして、そういう店舗だと、利用条件が「SNSでの拡散」だったりしますね。

――入場料無料にしてでも条件は「拡散」だけでいいんでしょうか。

瀬尾:いいお客さんにもっと広めてほしいっていう宣伝目的があるようですね。あとは、いくつかの施設を持つグループだと、グループ内で使えるチケットの購入が条件なんていう場合も。サウナに入って3000円とかのチケットを購入すると、それがたまるとホテルの宿泊やレストランで使えたりします。

チケット画面のサンプル画像

代表自身が1店舗ずつ開拓して賛同店舗を拡大中

――現在の賛同施設は何店舗ありますか?

瀬尾:現在は40店舗ほどです。

――今の賛同店舗は都内・首都圏のお店が多いですが、全国に広げていこうと考えていますか?

瀬尾:もちろんです。全国津々浦々に広げていきたいです。

――スタッフの方が1店舗1店舗、商談して広げていっているんでしょうか。

瀬尾:これが、スタッフは僕しかいないんですよ。

――えっ。

瀬尾:全部自分が、1件1件電話したり、お伺いしたり、Zoomでお話したり…。毎日施設の方とお話しっぱなしです。

――だから声が枯れていらっしゃるんですね…。「サウナタイムパス」をこういう方に利用してほしい、というビジョンはありますか。

瀬尾:2軸ありまして、ひとつはサウナ施設に行っても、サウナ利用だけで終わってしまっている方。館内利用をしていなかった方ですね。サウナ施設の食事ってかなりおいしいところが多いですし、ボディケアに関しても、サウナの後に受けると通常より1.6倍効くという研究結果もあるんです。なので、サウナ、水風呂、外気浴からの館内利用が楽しいというのを、味わっていただきたいなと。

ふたつめは、サウナにあまり行ったことがなくて、外食をバンバンしている方ですね。その外食費をサウナ施設で落としていただいて、サウナの後に館内着でくつろぎながら食事をするのが、いかに楽しいかっていうのを、味わってみてほしいなと思っています。サウナ施設に来るきっかけになるといいなと。

登録者は目標数字を大幅に超える見込み。現在の課題は?

――現在、事前登録を受け付けていますが、実際に何名くらいの登録がありますか?

瀬尾:当初は600名程度の登録者を目標としていましたが、3月下旬の段階で1257名の事前登録があったので、目標を修正しないといけないと考えています。

――予定より多くの方が加入しそうですよね。

瀬尾:ありがたいです。これだけ期待をいただいているので、施設をもっと増やしたり、利用条件のバリエーションをもっと増やす必要があると思っています。

――現在の賛同施設は男性専用のサウナも多いので、女性が行かれるところが少ないように感じます。

瀬尾:そこももっと増やさないといけないですよね。がんばります!

あ、そういえば面白い施設の賛同も増えているんですよ。例えば個室サウナとか、一般客に公開していないホテルのサウナとか。宿泊しないと入れなかったサウナ施設などは、サウナ―の方に喜んでいただけると思います。

――今年の加入者数の目標数値を教えてください。

瀬尾:ユーザー数と施設数のバランスを取らないといけないので、どちらかだけが増えていってもいけないのですが、年内で1万人を目指せたらいいなと思っています。

――ローンチに向けて現在考えている課題はほかにありますか?

瀬尾:現在直面している課題は、例えば施設が全館自動精算機とか、退館するときにバーコード精算を導入しているとか、お支払いが完全無人だったりすると、サウナ施設のインフラと「サウナタイムパス」のインフラが合わない可能性があるんですよね。

――条件を達成しているかの確認や、入場料無料にするのが難しそうですね。

瀬尾:そうなんです。ですが、そのようなインフラのアンマッチを、いま掲載施設の方達がアイデアで解決してくれようとしているんです。例えば利用条件をボディケアにして、入館時にボディケアの予約時間を確定し料金をそこでロッカーにつける、そうすると、条件達成の確認が退館時に不要になるんですね。掲載施設の方がたくさんの利用条件のアイデアを出して下って。本当にサウナタイムは施設とユーザーに支えられています…。

そのような厚意に甘えず、きちんと「サウナタイムパス」が施設ごとのインフラに合わせて、適用できるような座組を作っていく必要があると感じています。

――賛同施設からも大きく期待を寄せられているように感じますが、運営の収支はいかがでしょうか。

瀬尾:がんばっています!僕は開発ができないので、開発パートナーに委託をしています。ひたすら開発費とサーバー代、カスタマー代などをずっとねん出していかなくてはならないんですよね。

――むしろ、サービスが続けていかれるのか心配にもなりますが…。

瀬尾:「サウナタイム」も「サウナタイムパス」も大塚製薬のイオンウォーターがサポートしてくださっているというのが、すごくありがたくて。

昔、サウナの後に何を飲むのがベストか、ありとあらゆるドリンクを試したんですよ。糖質とか、塩化ナトリウムの含有量など、全部調べて。その結果「サウナの後にはイオンウォーターがベスト」というのを自分の中で勝手に結論を出していて、そういうことをいろいろお話していたときに、バックサポートしていただけるという話になりました。

自分たちとしても、サウナに入った人が脱水症状で倒れたなんていうことがあったらダメージを受けるので、メディアとしてサウナの後には適したものを飲もう、という発信を続けていきます。

――間もなくのリリースに向けて大忙しですね。

瀬尾:今日もこれから横浜の施設にお話に伺って、サウナに入ってから帰る予定です(笑)

サウナ施設と利用者、双方の課題解決を目指して期待高まる新サブスクサービス「サウナタイムパス」はまもなく解禁を迎えます。事前登録=課金ではないので、気になる方は事前登録してみては? 筆者は最初のプレスリリースが届いた時点で、すぐに登録しました!

・サウナタイムパス
https://saunatimepass.jp/

取材・文/安念美和子(nenko)

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