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粒感しっかり、噛むともちっとおいしい!三菱電機が炊飯器の高火力にこだわり続ける理由

2022.04.27

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

ごはん食の醍醐味は「粒感」

三菱電機は1972年に「ふた役さん」という業界で初となる、ごはんを炊いて保温するジャー炊飯器を発売した。2005年には現在の業界ではスタンダードになっている圧力釜、2009年の蒸気を出さない「蒸気レス」炊飯器も発売。2006年の「本炭釜」で、業界で初めて10万円を超える炊飯器が登場、今では各メーカーが力を入れている高級炊飯器の先駆けとなった。

ジャー炊飯器発売から50年を迎えて発売されたのが、50周年フラッグシップモデル「本炭釜 紬 (NJ-BWD10)」(以下「紬」)。現在多くのメーカーでは圧力を使うのが主流になっているが、三菱電機は圧力ではない方法で高火力にこだわって商品を開発している。粒感があってしっかりとしているが、噛むともちっとした食感と甘味を感じるごはんが本来のおいしさであると定義し、圧力釜と対極にある炊飯器として提案している。

日本全国に特徴を持った銘柄米があり、各メーカーもおいしいごはんを追求した最上位モデルのジャー炊飯器を発売しているが、「おいしいごはん」と言っても個人によって好みは異なる。お米それぞれにおいしさがあり、「おいしいごはん」はひとつではない。

「おいしいごはん」とは何か、米どころ宮城県で唯一の五つ星お米マイスターである、タカショク代表で高機能玄米協会理事の佐藤貴之さんは、「おいしいごはん」についてこう話す。

「おいしいごはんは定義されているわけでなく、お米の持ち味が最大限に発揮されたものがおいしいごはんと言えます。お米の味は栽培で作り出すことができますが、ごはんのおいしさは家庭の炊飯でしか実現できない。産地でお米にこだわっても良い炊飯ができないとお米の持ち味が出せません。

お米の持ち味が際立つ要素は5つ。外観はツヤ、粒立ちにより食欲をそそります。香りは食べる前に感じる香りと、口の中に入れたときに鼻から抜ける2つの香りがあります。ごはんの味は一般的には甘味しか感じませんが、苦味も感じる方もいて、薄味ではありますが複雑な味が含まれています。

粘りは正常な炊飯を経て糊化したごはんから生まれるもの。硬さと粘りは相反しますが、ごはんにおいてはとても重要な要素で、硬いだけでなく弾力があるのがおいしいごはんです。5つのバランスを最大限に引き出せる炊飯が重要と言えるのです。

ごはんの醍醐味は粒感。外見の粒立ちの良さはもちろん、ごはんは粒食なので、粒感を楽しみ、口に入れたときに硬い粒、やわらかい粒と、いろいろな粒が入り、噛んで広がる甘味や旨みを楽しむものなのです。

炊飯はお米と水と火だけの、ごまかしがきかない繊細な調理です。私は家でもかまどで炊いていますが、圧力を掛けないところに魅力を感じています。炊飯はお米が水に沈んだ状態でスタートし、水が減って米が膨らんでくると米が水面より上に浮いてきます。最後まで水に浸っている一番下の層は粒感が違ってくるのです。こうした自然のグラデーションによって粒感や味に違いが出ることがおいしいごはんと言えます。ごはんの個性を発揮する力は圧力をかけずに高火力で炊くことなのです。

一汁三菜と言われるように、ごはんと主菜、副菜などを交互に食べる『口中調味』(=三角食べ)は、日本人特有の食べ方。口中調味の観点から、強い味のおかずを中和しながらも、おかずに負けることなくバランス良くおかずの味と調和する、粒のしっかりしたごはんが望ましいと言えます」(佐藤さん)

1気圧、本炭釜による連続沸騰、新・エア断熱5層で「粒立つもちあまごはん」を実現

三菱電機がこだわるのが、圧力をかけずに高火力で炊く方法。多くのメーカーが採用している圧力式は沸騰が始まったときに、1.2気圧ほどの圧力をかけるが、そのことで沸点が105℃になり、出来上がるごはんは柔らかく粘りがあるものになる。

米はもともと100℃で炊くことを前提にして作られており、同社が目指したのは圧力をかけないかまど炊きだった。

開発に携わる研究員がかまどで炊いたごはんを徹底検証する中で分かったのは、かまど炊きは米に優しい1気圧で炊いているということ。さらに羽釜による連続沸騰でふきこぼれを抑え、かまどの断熱構造によって熱を逃がさずに米に与える。この3つがおいしくなる条件だった。

かまど炊きをジャー炊飯器に落とし込んだときにキーとなるのが内釜。同社では2006年から内釜に炭を使っており、約100日かけて手造りで内釜を作っている。内釜は底が山型になっていて、大きなエネルギーを持った泡を出し、米の中心部までしっかりと熱を伝えるのが特長だ。

金属は熱温度のむらが出やすいが本炭釜は均一に熱が伝わる。炭はIHととても相性が良く、磁力線の浸透深さはステンレスの約40倍、電気抵抗(抵抗が大きいと発熱しやすい)はステンレスの約16倍と、炭は高い熱伝導率を誇る。

同じサイズ、厚みのステンレスの金属板と鉄、炭の板で実験。家庭用IH クッキングヒーターで発熱を比較すると、ステンレスは30秒で25.6℃、ステンレスより熱の伝導率が優れている鉄は30秒で34℃、炭は30秒で100℃に達した。

五つ星お米マイスターの佐藤さんも指摘していたように、ごはんは米と水だけの非常にシンプルな調理法ゆえに、重要なのは水加減と火加減。おいしいごはんを炊くには、仕込みの段階で水を吸わせ、本炊きでは火力を上げて糊化させて米をごはんに変化させ、むらしでごはんを完成させる。紬が目指す、粒はしっかり、中はもっちりとしてほのかに甘さがあるごはんは3つの独自の火加減が重要になる。

仕込み段階の急速沸騰では、本炭釜の特性で、急速に温度が上がっても内側にある米に熱がしっかり伝わる。

本炊きでは沸騰が始まったらふきこぼれを抑える連続沸騰を行う。多くのジャー炊飯器はふきこぼれを防ぐために電気を入れたり、切ったりを繰り返す間欠加熱が主流だが、紬ではある一定の時間電気を切らない連続沸騰で米粒全体に熱が伝わる。連続沸騰を支えるのが内釜の羽釜。紬は従来品と異なる段付きの羽釜で、従来よりも泡を抑えることに成功、強い連続沸騰が可能になった。

むらし段階では、与えた熱を逃がさないための高火力を維持。「新・エア断熱5層」構造で、与えた熱を逃がさず粒感のあるごはんができる。

【AJの読み】主婦目線で徹底チェック!本気で欲しいと思ったジャー炊飯器

〇冷やごはんで味、食感チェック

最上位機種なら、おいしさが際立つ炊きたてがおいしいのは当たり前。冷めたごはんほど、粒感や甘さに違いが出る。紬(A)と他メーカー(C、D)の最上位機種を使って、炊いてから3時間以上たった冷やごはんを食べ比べてみた。

写真では見づらいかもしれないが、Aの紬は粒が立っているのが一目瞭然。他社のごはんは粒と粒がくっついてかたまりになっている。口に入れると粒感の違いがはっきりとわかった。圧力式のごはんはぺたっとした食感になっていたが、紬は粒感がしっかりしており、ごはんは冷めた状態だと甘味が増すので甘さもより強く感じた。

水をしっかり吸収させて高火力で一気に炊き上げることによって、糊化と呼ばれるでんぷんを糖に変える作用で、米粒全体に「おねば」がまとわりつき、おねばが後半のむらしのときになると米粒を膜のように覆う。この保水膜がしっかりあることで冷めてもみずみずしくて甘味がしっかりと出る。冷めてもこのおいしさと粒感ならおにぎりやお弁当にも最適。

〇炊きたてごはんで口中調味をチェック

次に、「ひとめぼれ」の炊きたてごはんと、料理研究家の小田真規子さん監修のおかずと組み合わせて「口中調味」をチェック。おかずは「塩鮭のごま油漬け」「根菜のハーブきんぴら」「ピリ辛肉じゃが」「鶏のオレンジ中濃ソース焼き」「和風キーマカレー」「彩り魚介の手まりずし」。

ごはんはやはり粒感が際立つ。舌の上を米粒が転がる感覚がある。粒感があると硬いのでは?という印象を持たれがちだが、米粒が水分をしっかりと吸っているので外はハリがあるが、噛むともっちりとした食感になる。

圧力式で炊くと甘味はあるがやわらかいため、あまり噛まずに飲み込んでしまことが多いが、かまど炊きは外側がハリがあるのでしっかりと咀嚼することが必要になり、噛むほどにごはんの甘味、旨味を感じる。ごはんがしっかりと主張していながら、油、塩味、辛味といったおかずの味とシンクロして、一緒に食べるとごはんがいつもよりおいしく感じる。

粒全体におかずがからむので、つゆだくの牛丼など汁がある丼物にもぴったり。酢飯にしても粒感があるのでお寿司にもぴったりで、酢や具材と合わせるときもつぶれることがないのでちらし寿司もおいしく作れそう。

粒がしっかりしているとごはん粒同士がくっつかないので、炊き上がりにしゃもじを入れるとすっと入って混ぜやすい。

〇多彩な炊飯モード

50銘柄の炊き分けができ、白米・無洗米の「炊分け名人」は15通り、少量炊きの「少量名人」は0.5合~ 2 合を設定することで、最適な火加減で炊き上げ、少量炊飯も甘さや粒感のあるごはんが炊ける。

注目したいのが玄米。筆者は健康上の理由で日々食べるごはんは玄米がメインだが、紬は玄米炊きもこだわり、4通りの炊き分けができる。玄米はパサついて握りにくく、おにぎりには適していないが、玄米のプロフェッショナルが集まる「高機能玄米協会」と共同で開発した「芳潤炊き」モードなら、おにぎりができるくらいしっとりと炊き上がる。

水分が多くなる炊込みごはんも「炊込み(白米/無洗米/発芽米/分づき米/玄米)」モードがあり、保水膜がしっかりと機能してべったりせずにおこわにように仕上がる。

急いで炊きたいときに早炊きは便利だが、味が落ちるのが難点。紬は早炊きモードが「お急ぎ」「うま早」の2つがある。早炊きに関しては、圧力式の炊飯器が得意とするモードだが、「うま早」はなるべく早く炊きたいがおいしさも欲しいという要望に応えた。「お急ぎ」は20分、「うま早」は30分を目安に炊き上がる。炊飯で30分程度は許容範囲。早く炊きながらおいしさも担保する「うま早」は使えそうだ。

「まとめ炊き(冷凍用)」は、冷凍して電子レンジで温め直すことを想定したモード。仕込みの部分でしっかりと水を吸収させて、むらしも時間をかけることで水分をぎゅっとごはんに閉じ込める。それにより再加熱の際も水分が逃げてパサパサ状態にはならず、レンジで温めると炊きたてのようなおいしさが味わえる。

〇お手入れ

毎回洗うのは内釜と内蓋だけ。内蓋はアルミでできた薄い1枚構造で約171gと軽量、圧力をかけないため突起がなく洗いやすい。本体もフラット化してさっと拭き取れる構造に。頻繁に使うふた開きボタンには、ジャー炊飯器業界初のSIAA 認定抗菌を施している。

内釜は結構重みがあるが、本炭釜は炭でできているので、金属釜に比べるとやわらかく、落とすと割れる可能性もあるとのことで、強度は土鍋程度だと思って扱うと良い。米は内釜で研いでもOK。試験では100万回研いでも剥がれなど問題はなかったが、内釜の内面コートは3年間の保証が付いている。

我が家は硬めのごはんが好みなので、規定量より水を減らして炊くことも多い。しかし、水量を減らすと水分が足らないパサついたごはんになってしまう。これが今までジレンマだったが、炊飯に必要な量の水を吸い取ったうえで炊けば、規定の水量でも粒感のあるしっかりとしたごはんになることが「紬」で実感できた。味、食感、機能を総合的に見ると、本気で購入したいと思わせるジャー炊飯器だった。

文/阿部純子

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