1000万円の貯金を達成したら、次のステップとしてどのような方法を考えますか?
貯金を成功させるためにしてきた、これまでの努力を無駄にはしたくはないですよね。
できるだけ減らさず、維持または増やすということを念頭に入れた時、どのような点に気をつけておくべきなのか、ポイントをまとめます。
1000万円貯まったら気をつけたいポイント
1000万円の貯金に成功した人に気をつけてもらいたいポイントは、以下の通りです。
ペイオフ制度
まず考慮したいのは、預金保険制度についてです。
ペイオフ制度といって、万が一金融機関が破綻した場合に、定期預金や利息のつく普通預金などは、預金者1人当たり1金融機関ごとに合算され、元本1000万円までと破綻日までの利息などが保護される制度があります。
つまり、1000万円の貯金までは保護されますが、それ以上は保護されない可能性があるということです。
貯金が1000万円を超えたら、金融機関を分けて貯蓄するなどの対策が必要になることを覚えておきましょう。
参考:金融庁ホームページ
低金利リスク
続いて、知っておきたいのが低金利についてです。
皆さんご存知の通り、今は超がつくほどの低金利時代ですから、そのまま銀行に預けていても、ほとんど増えることはありません。
銀行によっては、多少金利が高くなっているプランも用意されていますが、それでも昔のように「銀行に預けておけばお金が増える」と言えるような金利ではありません。
銀行口座を利用して運用したい人は、少しでも金利が高いプランを選んで預け替えるなどの工夫をするとよいでしょう。ただし、それでも以下に述べるインフレリスクを考えると、損をする可能性があることを考慮する必要があります。
インフレリスク
こちらも皆さんご存知の通り、最近では電気ガスといった光熱費やガソリン代など、様々なものが値上がりしています。
様々な価格が値上がっている割に、ここ最近、日本の賃金はほとんど上がっていません。
「銀行にお金を預けておけば、増えない代わりに、減りもしないから安心だ」と考える人がいますが、インフレで物価が上昇すれば、お金の価値は減少していくのです。
政府や中央銀行のインフレ目標を「インフレターゲット」といいますが、日本銀行は消費者物価の前年比上昇率2%を目標としています。
このまま物価が上昇していけば、銀行にただ預けておくだけではお金の価値はどんどん減っていきます。インフレによる資産価値の減少リスクも先に述べた低金利リスクと合わせて考慮しておきたいポイントです。
運用リスク
銀行に預けていても増えない、むしろインフレでお金の価値が下がると聞けば、投資などの運用を考える人も多いのではないでしょうか。
しかし、投資などの運用も必ずしも「増える」ものでなく、時として「減る」という変動リスクがあることを理解する必要があります。
仮に年2%物価が上昇すると考えると、投資のリターンも2%以上が欲しくなるものですが、リターンの目標をあげれば、その分「元本が減る可能性」も上昇してしまいます。
国債など比較的安全性の高い商品もありますが、安全性の高い商品だけではインフレによる物価の上昇に負けてしまう可能性もあり、慎重になりすぎても冒険しすぎても損をする可能性があります。
1000万円貯まったら次を考えよう
1000万円の貯金に成功したら、まず考えたいのは、安全に運用する資金と、冒険しながら運用する資金の配分を決めることです。
当面の生活を守るための生活防衛資金は必要ですから、家族構成などを念頭にいれながら、まずは安全に運用する生活防衛資金を確保。続いて、老後資金など当面使う予定がない資金は、減る可能性も考慮した上で、多少冒険しながら運用する資金として準備するといった具合に、具体的な配分を決めていきましょう。
安全に運用したい資金は銀行口座などを利用し、冒険しながら運用する資金は株などの投資を考えるなど、安全性の高い資金だけに偏りすぎず、冒険する資金だけにも偏りすぎないバランス感覚をもつよう心がけると、大儲けもありませんが、大損することも少なくなります。
筆者の個人的な経験論で言えば、1000万円の貯金に成功した人は、2000万円、3000万円の貯金に成功する確率もぐっと上がります。
まずは、今後の生活のために必要な貯蓄をしっかり見極めたうえで、次に単純に「貯める」だけでなく、「増やす」ことまで視野に入れられるようになると、さらに貯金が成功する確率を上昇させることが可能になります。
くれぐれも安全と冒険のバランスを考え、納得のいく運用方法を考えましょう。
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文/家計簿・家計管理アドバイザー あき
著書に「1日1行書くだけでお金が貯まる! 「ズボラ家計簿」練習帖(講談社の実用BOOK)」「スマホでできる あきの新ズボラ家計簿(秀和システム)」他