【達人のDIYスタイル】女優・とよた真帆さん「使わなくなった家具や余った端材もリメイクすれば、特別な存在に生まれ変わります」

2022.05.28

PROFILE
1989年、女優デビュー。アートへの造詣も深く、京友禅の絵師としてデザインを手がけるなど、その活動は多岐にわたる。

とよた真帆さん×〝MOTTAINAI〟DIY

ホームセンター「DCM」のアンバサダーに任命されるほど、DIYの造詣が深い女優・とよた真帆さん。彼女が得意とするのは、端材や不要となった家具を再利用するDIY。時代に即した彼女のこだわりとは？

「使わなくなった家具や余った端材もリメイクすれば〝特別な存在〟に生まれ変わります」

　幼い頃から、手芸、工作、絵画と、手を動かして何かをつくるのが好きだったんです。だから私にとっては、そのすべてがDIYというイメージ。何しろ、電動工具なんて持っていない10代の頃から、せっせと小さな椅子をつくったり、姉からおさがりで譲り受けた家具の色を塗り替えたりしていましたからね。

　今でも、その気質は変わっていなくて、「ここにちょっとしたテーブルが欲しいな」と思ったら、まずは家の中を見渡して、木の切れ端や使わなくなった家具を材料にできないか考えます。

　これは昭和5年生まれの母が、〝もったいない精神〟の塊のような人なので、そのDNAを継承しているかもしれないですね。使わなくなったらすぐに捨てたり、次々新しいものを買ったりせずに、「別の何かに応用できないか？」と違う使い道を考える。だから、私のDIY作品にはリメイクものが多いんですよ。

　リメイクする時のために、アンティークの桶や味のある天板、箪笥の扉など、ネットでDIYの素材になりそうなパーツを買ってストック。さらに余った端材も、極力捨てずに取っておく。そうして集めた物たちを見つめていると、自然と「これ、こんなふうに使えるな」といったイマジネーションが湧いてくるんです。

　でも、つくる工程が楽しいのか？　と聞かれると、実はそうでもないんです。せっかちなので、作業している間は早く出来あがってほしい気持ちと、納得いく出来になるかどうかの不安が半分半分。つくる過程はちょっとストレスなんです（笑）。苦しい中で、徐々に出来上がりが見えてきて『うん、OK！』と思えた時に、初めて楽しいと感じていますね。

　組み立てた家具にペイントしたり、絵を描いたりする作業も、特別な時間です。キャンバスに絵を描くのももちろん好きですが、自分でつくった家具に色を加えるのは、また違ったおもしろさがあるんです。思えば、幼い頃につくったものにも必ず絵を描いていましたね。

　キャンバスだけじゃない〝表現の場〟としてのDIYが、私の原点かもしれません。