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極度の怖がりが「献血ルーム」を初体験…カフェ風の空間&優しいスタッフ、社会貢献もできて心が温かくなった

2022.04.27

若い世代の献血者数が減っている現状

突然だが、皆さんは献血をしたことがあるだろうか。筆者は注射や点滴など、針のあるものが子供の頃からかなり苦手で、献血も「貢献したい気持ちはあるけれど…怖そう」と、訪れる機会を逸していた。

東京都ではコロナ禍で外出する人が減ったことなどにより、都内で献血に訪れる人の数も減っている。現時点では安定した血液の在庫量を保有しているが、血液の有効期間は限られており、短いものでは4日間しかもたない。そのため日々の献血協力が不可欠となる。

日本赤十字社のホームページによると、東京で献血した人の年齢は40~59歳が過半数を越えており、20代は17%超、30代は19%と若い世代の献血者数が少ないのが現状だ。

そこで東京都赤十字血液センターでは、若い世代も「つい行きたくなる」ような献血ルームを目指して、さまざまな工夫を凝らしているという。今回筆者は、そんな献血ルームの取材で訪れたのだが、そのおしゃれすぎる空間にびっくりした!と同時に、せっかく訪れるならと怖がりな性格ながら献血もすることにしたので、その体験も合わせてぜひご紹介したい。

えっ!東京スカイツリーの下に、こんな素敵な空間が!?

4月のある平日の朝、東京スカイツリーのある押上駅へ。今回訪れたのは東京スカイツリータウン・ソラマチにある「献血ルームfeel」(住所:墨田区押上1-1-2東京スカイツリータウン・ソラマチ イーストヤード 10階)。ソラマチといえば、お土産を買ったり、水族館やプラネタリウムがあったりと人気の観光スポットのイメージだが、そこに献血ルームがあるとは知らなかった。

10階に上がると…なんだかおしゃれな空間が。まさかここが…献血ルーム!?

中に入ると…ひ、ひろーい!しかもキレイ!そして午前中一番乗りだったので空いていた。当日は東京都赤十字血液センター 事務部 総務課の有泉美穂さん、平柳美月さんが優しい笑顔で出迎えてくれた。なんと平柳さんは20代だが、すでに献血回数100回越えのベテランで、学生時代に友達と初献血をしてから献血を続け、もっと多くの人に献血を広めたいと、東京都赤十字血液センターに勤めているのだそう。

「献血ルームにはそれぞれコンセプトがあるのですが、こちらのfeelのコンセプトは‟ふれて、感じて、未来に届ける“です。空に浮かぶ雲のように真っ白な空間を特徴としたルームとなっています。スカイツリーも窓から見えますよ」(平柳さん)。

そして取材しながら早速、献血スタート!

到着後すぐに献血受付がスタートした。献血、当日ふらっと訪れてもOKだが、可能であれば事前予約をお願いしているそうだ。

荷物をロッカーに預けたら受付へ。まずは免許証などで本人確認の後、献血の一連の流れを丁寧に説明していただく。さらに希望する献血の種類を聞かれたが、当日は400mL全血献血(血液中のすべての成分を採血。10~15分程度で終了)が特に必要とのことで、そちらに決定。ちなみに男女とも体重が50kg以上ないと400mL献血はできないので注意。
その他、全血献血の200mL、成分献血(特定成分だけを採血し、赤血球は再び体内に戻す方法)などの献血種類がある。献血基準を満たした方には、400mL献血や成分献血のお願いをしているそうだ。

献血の種類の詳細はこちら(日本赤十字社東京都赤十字血液センター)

非常に丁寧かつ質問には何でも笑顔で答えてくれるスタッフに緊張が解けていく。

受付終了後、ロビーにあるドリンクを飲みながら待機。400mLの血液を採血するので、水分はたくさんとる必要があるのだ。

何種類もあるドリンクから好きに選んでOK。

その後、血圧を測定し、問診に回答。薬を飲んでいないか、3日以内に出血を伴う歯科治療を受けていないか、最近の海外渡航の有無などを聞かれる。答えよっては献血を受けられない場合もある。
詳細はこちら

次に医師の問診を行い、過去の病気についてや出血を伴う傷などを負っていないか、健康に不安を抱えていないかなどを丁寧に聞いてくれた。

相談しやすい雰囲気の問診室。

最後に事前検査。ヘモグロビン濃度などの測定と、初めての献血の場合は血液型の事前判定が行われる。なんとここでは指から少量だけ採血して終了した。ホッ。2022年4月20日現在、都内でこの採血方式を開始しているのは「feel」と移動採血会場のみなのだそう。

ヘモグロビン濃度は400mL全血献血の場合、女性は12.5 g/dL以上ないと受けられないが、筆者は13.9g/dLでバッチリOK。男前の量らしく、息切れしにくかったりもするそうだ。看護師さんも朗らかに、速やかに採血してくれたので、全く怖さを感じなかった。

「ちょこーっとの血液で検査できますからねー」と手際よく終了。

これで準備はすべて完了。あとは本採血の順番を待つのみ。ブザーがなったら採血室へ向かう。数分待ったらすぐ呼ばれたので、2本目のドリンクを飲みつつ向かった。

献血キャラクター「けんけつちゃん」と待つ。このブザーで呼び出されたら、採血ルームへ。

採血室のベッドは、このような形状。ゆったりと足を伸ばして寝られる。

一人ずつ採血用のベッドに横たわる。とても温かい看護師さんが素晴らしい仕切りでどんどん進めていく。「針入れますよ、ちょっとチクッとします」と言われたが、痛みはほぼ感じなかった。その後「血液が吸われる感じがしますが、苦手だったら言ってくださいね」と。確かに今まで感じたことのない、ボボボーっと少し吸われるような感覚があったが、近くに看護師さんがいてくれる安心感で、恐怖感は一切なかった!

おっかなびっくり自分の血液バッグを見てみた。

5分ちょっとくらいだろうか。「はい終わりましたー」と声をかけてもらって「え、もう!?」と感じるくらい早かった。自分の血液バッグを見せてもらった…。400mLってこんな量なんだ。誰かの役に立つことができますように、と思うとなんだか心が温かくなった。

ドリンクは数種類から選べる。まるでカフェ!(注・このカフェラテは献血ルーム「feel」限定ドリンク)

終了後、ロビーに戻って体調不良が出ないかなど様子を見るために、休憩をとる必要がある。初体験だと30分程度は休憩が必要。その間、好きなドリンクを飲むことができるので、東京スカイツリーを見ながらゆったり休憩。お菓子も一緒にいただけるので、優雅な時間を過ごすことができた。

なんだかたくさん記念品をいただけた。

すべて終了後、献血カードと次回献血した際に記念品をいただけるカード、日赤作成の冊子のほか、献血予約キャンペーンの記念品で水筒までプレゼントいただいた!さらに…献血Web会員サービス「ラブラッド」に新規登録した記念品で…こんなキーホルダーも。(時期によってキャンペーン有無、内容変更などあり)

何と血液バッグ型キーホルダー(笑)!自分の血液型のを選べた。なかなかレア。

リピーターで支えられていることを実感

献血を終えて感じたのは「なぜもっと早く、献血に来なかったんだろう」だった。怖い、不安というイメージが漠然とあったのだが、実際に体験してみたらまったくと言っていいほど怖さもなく、むしろ安心感に包まれ、誰かの役に立てるかもしれないという気持ちが湧きあがった。いつか自分も誰かに助けてもらうかもしれない…また献血しに来ようと思った。

ちなみに献血された血液は輸血用血液製剤として、また血漿分画製剤というお薬となって、様々な患者さんの元に届けられる。全国から患者さんの感謝の声も届いており、日本赤十字社のHPで見ることができる。

ありがとうの声|日本赤十字社 東京都赤十字血液センター

献血を終えてロビーで休憩していたスーツ姿の男性に声をかけてみた。若々しいが御年62才。なんと20才の頃から献血を始めて今日で67回めの献血。今は70回達成を目指しているそうだ。

「献血をしたことのない人に理由を聞くと、針が怖いと聞くんですけど、いつ自分が使わせてもらうか、家族が使わせてもらうかわからないですからね。昔、母親が手術しなくてはならなかったとき、献血のありがたさが身に染みてわかりまして」と笑顔で話してくれた。この日ルームを訪れていた人は、全員がとても慣れていて、彼のように定期的に献血をしに来ている人ばかりのようだった。

後日、自分の血液の検査結果がweb上で見られる!

日本赤十字社は献血Web会員サービス「ラブラッド」を運営している。筆者も今回登録してみたのだが、献血後数日たって、自分の献血記録と血液検査データが確認できるようになった。血圧・脈拍、ALT・コレステロール・γ-GTPなどの生化学検査、赤血球数・ヘモグロビン濃度などの血球計数検査の結果が見られるので、健康チェックもできる。

また、次回いつから献血ができるようになるのか、なども確認できるうえ、献血やアンケートなどに協力するともらえる「献血ポイント」も確認できる。

(左)ラブラッドのトップページ。献血回数や次回の献血可能日がわかる。(中)自分の血液の検査結果が見られる。(右)どのようにポイントがたまるのかも一目瞭然。

東京都には「行ってみたく」なる献血ルームが他にも!

東京都内には、さまざまなコンセプトで楽しい空間を作り出している献血ルームがまだまだある。ここでは特に特徴的なルームをご紹介しよう。

アメリカンヒーロー/キャラクターのディスプレイがお出迎え!「akiba:F献血ルーム」

コンセプトは「人の命を未来へつなぐ」。3か月に1度程度、定期的にディスプレイを変更している。2022年7月中旬ごろまでは「アメリカンヒーロー/キャラクター」プレイベート・コレクションがお出迎えしてくれる。また、漫画も常時3000冊ほど置いている。住所:千代田区外神田1-16-9 朝風二号館ビル5階(JR秋葉原電気街口徒歩1分) 

アメリカンヒーロー/キャラクターのフィギュアを見ながら、近未来的な空間を堪能。

採血ルームに入っていく空間もまるで宇宙船の中にいるかの雰囲気。

気軽に入れるナチュラルテイストの空間を提供「献血ルーム池袋ぶらっと」

コンセプトは「エシカル」。ひとりひとりが社会とつながる新しい感覚の空間として提供。池袋の街並みを一望でき、解放感があるおしゃれなルーム。場所がら若い人も多いルームだそう。住所:豊島区東池袋1-12-8 フジキビル3階(JR池袋駅東口徒歩3分)

広々した空間でゆったりできる。買い物ついでに寄る人も多いそう。

池袋の街並みを一望できる広々窓が気持ちいい!

ホテルのラウンジのような空間で仕事帰りに寄る人も「有楽町献血ルーム」

コンセプトは「NEST~やさしくつつむ・未来をはぐくむ~」。場所がらビジネスパーソンが多く訪れる。ホテルのラウンジをイメージしていて、時折バイオリンやピアノの生演奏も行われる。新幹線ほか電車が走っている姿も楽しめる。住所:千代田区有楽町2-10-1東京交通会館6階(JR有楽町駅京橋口徒歩1分)

スーツ姿で訪れる人も多いそう。

窓からは有楽町駅が見渡せるので、電車好きにも堪らない!

日本最大級の大きさ!2021年にリニューアルしたばかり「新宿東口献血ルーム」

コンセプトは「憩いの献血ルーム」。都内でもっとも新しい献血ルーム。コロナ禍の際にオープンしたこともあり、対面にならないような工夫がされており、一人でも行きやすい空間となっている。住所:新宿区新九九3-17-5 T&T Ⅲ(サード)ビル5階(JR新宿東口徒歩3分)

パーソナルスペースを確保できるように工夫されている。日本最大級のルーム。

献血終了後、タロットカード占いやパーソナルカラー診断などをしてもらうことも(日によるので要確認)。

GW特に出かける予定もない…そんなときは、社会貢献にもつながる献血をしに、おしゃれな献血ルームへ家族や友人を誘って出かけてみてはいかがだろうか。

各ルームの詳細はこちらから

取材・文/町田玲子(編集部)

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