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「重傷」と「重体」何がどう違う?

2024.02.08

交通事故を伝えるニュースでよく聞く『重傷』や『重体』という言葉には、どのような意味があるのでしょうか?『重傷』と『重体』の違いやケガの状態、『意識不明の重体』が表す意味など、ケガの程度を表す言葉について解説します。

重傷と重体の違いは「命に関わるか」

『重傷』と『重体』の大きな違いは、『命に関わるかどうか』です。まずは、『重傷』と『重体』の意味と状態を、それぞれ確認しましょう。

重傷は全治30日以上の重いケガ

『重傷』は、生命に別状はないけれど、治療に30日(1カ月)以上の時間が必要な重いケガをしたときに使われます。

『警視庁』によって定められた言葉で、交通事故などで使われるのを耳にしたことがある人は多いでしょう。

同じ読み方をする言葉に『重症』があります。消防庁が定める『重症度分類』によると、重篤に次ぐ重い状態で、生命に危険が迫っている状態を指した言葉です。

参考:救急医療提供体制の見直し|厚生労働省
参考:用語の解説|警察庁Webサイト

重体は生死に関わる状態

『重体』は、事故と病気の両方で『生死に関わる危険な状態』を表すときに使われる言葉です。事故の場合は、脳や内臓などを損傷し、生死をさまよっている状態を指します。

また、病気で『重体』といわれるときには、病の症状が重く、生命に関わるほど危険な状態になっていると考えられます。

なお、病気が原因で命に危険が迫っているときには『重篤』という言葉が使われることもあるでしょう。病が原因で生命の危機に瀕しており、なおかつ心臓や呼吸が停止または停止する恐れがあることや、心肺蘇生が行われたことを示しています。

「意識不明の重体」とはどんな状態?

(出典) photo-ac.com

事故を伝えるニュースで『意識不明の重体』という言葉を耳にして、状態が分からなくて戸惑った経験がある人もいるのではないでしょうか?

次は、『意識不明の重体』という言葉が、どのような状態を指しているのかを解説します。

呼びかけに反応がなく、目も開かない

事故などの現場にかけつけた救急隊員や周囲の人たちが、何度呼びかけても反応がなく、目も開かない状態のとき、『意識不明の重体』だと判断されます。

事故などで頭を強く打ち、脳を損傷すると、意識不明の重体に陥る危険性が高いでしょう。主に、ニュースなどで使われることの多い言葉といえます。

重い後遺症が残る可能性がある

『意識不明の重体』から意識を取り戻したら安心というわけではありません。脳損傷があり意識不明の状態が6時間以上続くと、たとえ意識が回復したとしても障害が残る可能性が高いといわれています。

代表的な後遺症として、『高次脳機能障害』が挙げられます。高次脳機能障害は、ケガや病気により脳に損傷を負うことで発症すると考えられています。

どこに物を置いたのかを忘れたり、同じことを何度も質問したりする『記憶障害』や、別人のように自己中心的になったり、大声を出したりする『社会的行動障害』などは、高次脳機能障害の症状です。

これらの症状が日常生活や社会生活に支障をきたす状態のことを、高次脳機能障害と呼んでいます。

参考:高次脳機能障害を理解する | 国立障害者リハビリテーションセンター
参考:意識障害について | 頭部外傷の諸問題 | 高次脳機能障害は弁護士に相談|弁護士法人たくみ法律事務所

応急処置を行うと生存率が上がる可能性も

命の危険に瀕している『意識不明の重体』であっても、現場に居合わせた人たちが応急処置を行うことにより、生存率が上がる可能性があります。

東京消防庁が発表した2019年のデータによると、救急車が出発してから現場に到着するまでの時間は、平均で6分35秒です。

何もしないで救急車が到着するのを待っていると、時間の経過とともに傷病者の命が助かる可能性は下がっていくでしょう。

救急車が到着するまでに、応急処置があった場合となかった場合を比べると、応急処置があった方が心拍の再開率は約2倍高く、1カ月の生存率は約3倍違うという結果も報告されています。

参考:東京消防庁<安全・安心情報><救急アドバイス><応急手当の重要性>

そのほかのケガの程度を表す言葉

(出典) photo-ac.com

言葉を聞いて大体の重症度を判別できるように、ケガの程度を表す言葉は細かく分類されています。

ニュースや新聞などの情報をより正確に理解するために、そのほかのケガにまつわる言葉もチェックしておきましょう。

2つのケガの状態と意味

軽傷

『軽傷』は、事故で負傷して30日(1カ月)を超えない期間で治療が必要な状態を指す言葉です。入院の必要もないため、ケガの程度としては最も低い状態です。

後ろの車から追突されたことによる30日未満の打撲やむちうちなどは、『軽傷を負った』と表現されます。

事故と病気の両方で使われる『軽症』も入院が必要ではない症状で、重症度は低いと判断できるでしょう。

参考:消防庁からの情報提供|総務省消防庁
参考:用語の解説|警察庁Webサイト

中等傷

事故に遭い入院が必要だけれど、30日(1カ月)より短い期間で治療が終わる場合には、『中等傷』という言葉が使われます。

同じ読み方をする『中等症』は、命に危険はないものの、入院が必要な状態を表す言葉で、病気とケガの両方に用いられます。

なお、『中等症』では、入院の期間や完治するまでに必要な期間などは定められていません。ケガの度合いとしては、『軽症』よりも症状が一つ進んだ状態を表すといえるでしょう。

参考:救急搬送における重症度・緊急度判断基準作成委員会 報 告 書|厚生労働省

構成/編集部

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