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社内会議の場や取引先の人から、「オフレコでお願いします!」と言われ、意味が分からなくて困ったことがある人はいませんか?ビジネスで『オフレコ』を使うシーンはどんなときか、また言い換え表現なども、例文を使って詳しく解説します。
「オフレコ」ってどんな意味?
『オフレコ』という言葉には、どのような意味があるのでしょうか?『オフレコ』の意味と正式な呼び方を確認しておきましょう。
記録・公表しないこと
『オフレコ』は、「記録や公表をしない」という意味をもつ言葉です。もともとは新聞・テレビなどのメディアや、政治で行われる記者会見やインタビューの際に使われていました。
『オフレコ』という言葉は、さらに『完オフ』と『匿名報道』の2種類に分けられます。
『完オフ』は「名前も内容も全て公表しない」という意味があります。一方『匿名報道』は、アンケートや口コミなどでの『匿名希望』からも分かるように、「情報提供者の名前は出さず、内容のみを公表する」ものです。
オフ・ザ・レコードの略
『オフレコ』という言葉の語源は、英語『off the recond(オフ・ザ・レコード)』です。『レコード』『レコーディング』という言葉から、音声に関わる『アテレコ』と類語のように感じるかもしれません。
しかし、『アテレコ』とは、せりふや声を「割り当てる」ことを意味します。主には、海外映画の吹き替え作業を指すため、『オフレコ』とは似て非なる言葉です。
ビジネスで「オフレコ」を使うシーン
『オフレコ』と聞くと、どこか古臭い『死語』のようなイメージを抱く人もいるのではないでしょうか?しかし、ビジネスのシーンでは今もなお『オフレコ』という言葉は比較的よく使われています。
次は、ビジネスシーンにおける『オフレコ』の使われ方について見ていきましょう。
情報を漏らさないように注意する
重要な打ち合わせの前に「情報を漏らさないように」注意するシーンで、『オフレコ』という言葉がよく使われます。
【例文】
- この打ち合わせの内容はオフレコでお願いします。
- 取引の件は、オフレコで頼みます。
『オフレコ』の後には、『お願いします』『頼みます』などの依頼を表す言葉が続くケースがほとんどです。ほぼ間違いなく「情報を漏らさないでください」という注意喚起と考えてよいでしょう。
「社外秘」を表す場合も
なかには、「この書類はオフレコね」というように、内部で『オフレコ』を使うケースもあります。
このような場合の『オフレコ』は『社外秘』を指すケースが多くなります。『社外秘』とは、社外に持ち出してはならない会社の秘密情報のことです。
【例文】
- 今日の議事録には、当社のオフレコ事項が含まれています。
- この情報は全てオフレコで、コピーも厳禁です。
例文からも分かるように、社内で『オフレコ』が使われる際は、「情報を漏らさないように」という注意喚起に加えて、その書類や情報などを自宅をはじめとする社外に持ち出してはならないという意味が含まれています。
「オフレコ」と似た意味の言葉三つ
『オフレコ』と似た意味がある言葉を知っておくと、相手の立場や状況に合わせて使い分けることができるでしょう。最後に、『オフレコ』と似た意味をもつ言葉を三つ紹介します。
ここだけの話
友人や同僚から、「ここだけの話なのだけれど」と秘密を打ち明けられた経験がある人は多いのではないでしょうか?
『ここだけの話』は、ごく親しい関係性の間で重要な話をする際に、「秘密にしてね」という意味を込めて使われる言葉です。
【例文】
- 今から話す内容は、ここだけの話にしておいてね。
- ここだけの話、私は彼に好意をもっている。
『ここだけの話』は、目上の人や上司、取引先の人に対して使うと、「慣れ慣れしい」と思われ兼ねないので、よほど親しい間柄でなければ避けた方が無難かもしれません。
仲がいい部下や後輩など、『オフレコ』という言葉になじみがなさそうな相手に対して使うとよいでしょう。
例えば、会議が終わったタイミングで「さっき部長が言っていたことは、ここだけの話ね」と言い換えて話すと『秘密にしてほしい』という意図が伝わりやすいはずです。
非公開
『非公開』はメディアでよく使われる言葉で、「一般の人には公開しないこと」を意味しています。
【例文】
- 上司が特別に、非公開の情報を教えてくれた。
- このミーティングは、全て非公開です。
ビジネスのシーンでは、情報とセットで使われるケースが多い傾向にあります。『非公開情報』は、「記録はしているが、関係者以外には公開しない情報」のことです。
ご内聞
目上の人や取引先の人など、立場が上にある相手には、『オフレコ』ではなく『ご内聞』という丁寧な言葉を使う方法もあります。
『ご内聞(ごないぶん)』は、「表沙汰にしないこと」を意味する言葉です。
【例文】
- 先ほどのお話は、どうぞご内聞に。
- くれぐれも、ご内聞に願います。
ビジネスシーンで、話した内容を口外しないでほしいときに使われます。『どうぞ』『くれぐれも』など、相手の方にお願いをする際に添える言葉と一緒に使うことで、より丁寧な印象になるでしょう。
構成/編集部