バードコールづくりと五感で楽しむ春の一日
暖かい日が増えて、こたつの仕舞い時に悩むこの頃。
桜はもう散ってしまったけれど、「次は私」とばかりに多くの木々が芽をつけ花を咲かせ、やっと春が来たことを実感できています。
近所を散歩中に見つけた満開のモッコウバラ。
我が家の庭にはツツジやアジサイなどの低木から、山桃、メタセコイア、ナンキンハゼといった中高木まで、たくさん木が植わっているので、春の朝はメジロやエナガ、ホトトギスが遊びにやってきて、鳥の囀りに耳を澄ませながら庭を眺める時間が増えるのもこの時期です。
メタセコイアは近所で一番背の高い大樹に。
バードコールがあれば、庭の小鳥とお話できるかな、などと考えながらツツジの蕾が膨らんでいるのを眺めていたのですが、小学館出版の「DIME」6月号(1,200円)の付録がUSBマルチルーターだったので、これを使えばバードコールが自作できるのではないかと思い立ち……。
雨上がりの雑木林で
その日は家の裏の雑木林を散策することにして、10分ほどの散歩の最中に枝払いされた木の中から程よい太さ、硬さのものを選んで拾ってきました。
前日は一日中春雨が降っていたので、地面はクッションのように柔らかくなっています。
落ち葉の上にはカタツムリが。
実は木材以外にも、ある探し物が。
ゆっくり歩いてしっかり見て回ると、ありました。
雑木林に顔を出した筍
この季節一番の楽しみであるタケノコです。
雨の後は特に、昨日はなかった三角頭が魔法のように地面から頭を出しているのを山ほど収穫することができます。
顔を緩ませながら、その足でホームセンターへと出かけ、丸カンねじを物色し、白いロープも買い求めました。
このロープ、メートル55円で販売されていたのですが、ほんの50センチほど欲しかっただけだったので、忙しそうにしている店員さんを呼び出すのが心苦しかったのですが、勇気を出してお願いしたところ、とても快く応じてくださいました。
1センチ単位で販売されているそう。手芸屋さんより丈夫なものが手に入ります。
ホームセンターが大好きで、何時間でもいられる私ですが、今日はこれだけ買ったら後は…見ない!
丸カンねじ2本とロープ50センチを買って、しめて150円。
バードコールづくり
帰宅して、いよいよバードコールづくりです。
まずは長さ2メートルほどの材木から5センチほどバードコールの本体を切り出します。
糸鋸は最近ではホームセンター以外に100円ショップなどでも売られていますね。
本格的なDIYは滅多にやらないので、我が家には作業台もなく、工具も揃ってはいませんが、木を切るだけなら問題ありません。
焦らず力を入れず、木を回転させながら歯を真っ直ぐ立てることを意識して、ゆっくりゆっくり。
手のひらにおさまるサイズのバードコール本体が切り出せました。
木のバリやささくれを取って、角や表面もなめらかにしたいので、USBマルチルーターを登場させます。
「DIME」6月号付録USBマルチルーター。先端のアタッチメントが6種類と、そのうちの1種にはめて使うことができる3種類がそれぞれ2個ずつ合計6個のやすりが付属しています。
USB給電式の本体はラップトップ付近やUSBコンセント付近ならどこでも作業可能。
今日は木屑がたくさん出そうなので、延長コードを使って縁側に敷いたレジャーシートの上で作業することに。
作業に使ったもの
糸鋸の使い方が下手なせいで、ガタガタになってしまった切断面を綺麗に整えていきます。
目の粗いやすりを使って、大まかに段差を均してから、続いて面取り。
これには円錐型の先端パーツを使いました。
毎分1万5000回転という馬力は木工初心者の私には充分すぎるくらいパワフル!
軽く当てていくだけで柔らかな手応えとともに細かな木の粉が舞って、手触り良く角が取れていきます。
癖になりそうな心地良さ。
表面のバリを丁寧に削って、樹皮もしっかり剥がしつつ、木目を残したかったので夢中になって削りすぎないように気をつけました。
角が取れたことで木の温もりが増しました。
ここからが肝心の丸カンねじを差し込むための穴あけ作業。
錐状のアタッチメントに付け替えて中心部に穴を開けていくのですが、この作業には思ったより苦戦!
ねじ直径よりも小さめの穴を開けて、丸カンねじをさし込む
直径の大きい丸カンねじを用意してしまったために大きな穴を開けなければならず、掘って木屑を捨てるのを何度も何度も繰り返し、少しずつねじ穴を広げ、かつ深くしていきました。
途中でプラスドライバーを使ったり、太めのアタッチメントに付け替えたりしながら、ちょっとずつ穴が大きくなっていくのに達成感を覚えます。
ドリルがあれば一発のところなのですが、2、30分ほど一心不乱に穴あけ作業をして、頭を空っぽにすることができて、私にはなんだかんだいいストレス解消になりました。
音が鳴らない⁉︎
いざ丸カンねじを本体にさしこみます。
と、ここで作業開始以来初めて焦りを感じる私。
まったく音が鳴らない。
ねじはめでたくしっかり入っているし、手応えも十分なのですが、囀りどころかうんともすんとも音が鳴りません。
木の材質がよくなかったのかなぁ、などと考えつつ調べたところ、鳴りが悪い時にはチョークの粉や松脂を使うといいそう。
どちらも持ち合わせていなかったので、苦肉の策で台所から片栗粉を持ってきて、ねじ部分にまぶし、引き続き触ってみます。
すると突然、「キ、キ、キ」と音が出始め、
「キ、キ、キュイキュイキュイ」
鳴った! 鳴った鳴った!
鳥の鳴き声にそっくりな音色が鳴り始めました。
穴とねじが噛み合いすぎていたのが、抜き差しを試すうちにねじ穴が広がって余裕ができたのがよかったみたい。
片栗粉が効いたかどうかは不明ですが、無事小鳥の囀りのように美しい音色が出るようになりました。
最後にホームセンターで切ってもらってきた白い紐を取り付けて自作のバードコール完成!
ひたすら家の中で音を鳴らしてみます。
手と連動して発生する音色を楽しむだけで癒される。
空を見上げて初燕
バードコールは野鳥の繁殖期に無闇に使うと、鳥の生態系に影響を与える可能性があり、特に5月〜6月は使用を控えた方がよいのだとか。
私のバードコールも、鳥たちの邪魔をしないよう、念の為夕方の時刻に庭で短時間だけ試してみることにしました。
「キュイキュイ」
いつも鳥たちが集まるナンキンハゼの木に向かって小さめに音を鳴らしてみました。
すると、姿は見えないものの、まるで応答するように小さな囀りがいくつも聞こえてきます。
よく見るとメタセコイアに小さな小鳥の陰
鳥たちが会話する声は耳に優しいけれど、聞きなれない誰かさんの声に警戒しあっていたのかも。ごめんね。
電線に止まったシジュウカラの声はバードコールの音とそっくりで驚かされます。
私が庭にいた間、四方を向いてずーっと囀っていたシジュウカラ
空を見上げている間に、早くも渡りを済ませたツバメが数往復、視界を横切っていきました。
その日の夜は朝に採ってきたタケノコづくしの食卓。
出汁で炊いた筍ご飯
花粉症は辛いけれど、やっぱり春はいい。
筍とそら豆の鶏そぼろあんかけはオイスターソースで味付け。
五感を使って思いっきり春を満喫した1日になりました。
文/山根那津子
ジャーナリズム誌やカルチャー誌の編集をしていた何者でもないただのフェミニスト。自身のミソジニーに気がついて一時ベルリンに移住。書くこと、描くことが好き。
編集/inox.
関連情報/https://dime.jp/genre/1366581/
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といった作業が、だれでも簡単にできるようになります!
同梱されるパーツのいずれかを先端にセットして、USB電源につなげば準備完了。電源ダイヤルを回せば、先端が高速回転する仕組みとなっています。USB端子から電源を供給される電動工具です。
金属棒5種類とヤスリ(サンドペーパー)3種類、計8種類ある先端から使いたいものを選んで装着。ゲート跡をきれいに整えたり、押しピン跡をすっきり消したり、簡単にスジ彫りができたり、この「USBマルチルーター」を使えば、プラモデル製作の各種作業も断然はかどるはず。
先端は最大で毎分1万5000回転する本格的な仕様となっており、プラモデル製作はもちろん、ミニ四駆などのレーシングトイ、アクセサリー製作にも便利なアイテムなので、1つ持っておいても損はありません!
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