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海外の蔵で作った日本酒「SAKE」が世界中で大ブームを巻き起こしている理由

2022.04.25

輸出総額が11年連続で過去最高を記録し、「SAKE」の名称で海外からも注目を集めている日本酒(清酒)。実は今、海外へ輸出するだけにとどまらず、現地で実際に製造している酒蔵が増加している。実際に海外で日本酒を製造する酒蔵はどのようなものなのか。

世界で広がる「SAKE」づくり

日本酒造組合中央会の発表によると、2021年度(1月~12月)の日本酒輸出総額は401億円(昨対比:166.4%)に達し、12年連続で前年度を上回り過去最高を記録したという。世界的に人気が高まりつつある「SAKE」こと日本酒だが、飲むだけでは飽き足らず、現地で実際にSAKEづくりを行なっている酒蔵があることをご存知だろうか。海外の清酒市場に詳しい、SAKEジャーナリストの木村咲貴さんによると、2022年現在では世界全体で60以上の酒蔵があるという。

「コロナ禍など様々な要因で増減を繰り返していますが、総合的には増えてきています。特に多いのがアメリカで、全体のおよそ半分を占めています。2015年ごろから小規模のマイクロブルワリーがブームになり、その流れでSAKEの製造も盛んになってきているのだと思います」

木村咲貴(きむら・さき)/SAKEジャーナリスト。早稲田大学文化構想学部卒業後、渡米。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)にてジャーナリズム・サーティフィケイト取得後、SAKEジャーナリストとして日本と海外を「情報」でつなぐ活動を始める。海外向け日本酒メディアのディレクターを務めるほか、アメリカ初の日本酒専門店「True Sake」スタッフとしての経歴も持つ。

アメリカ以外では、アジア諸国よりもヨーロッパなどのほうが日本酒醸造が盛んだという。

「アジアは日本に近く、輸入がしやすいのでわざわざ造る必要がないことが酒蔵が少ない理由としてあげられます。一方ヨーロッパは輸入に時間がかかるため、お酒の品質が劣化してしまうことがあります。日本の味を現地で飲みたい愛好家が自家醸造として始めたものが、本格的に事業化していったのでしょう」

海外でのSAKEづくりに対して、日本の酒蔵はどういった取り組みをしているのだろうか。

「海外の蔵元と業務提携する事例や、海外からの技術研修を受け入れるなど、海外の造り手に協力的な姿勢を見せています。また、北米酒造同業組合(SBANA)に日本の麹メーカー3社が登録し、海外の酒蔵との連携強化を図っています。日本酒の文化を伝えたいという思いはもちろん各社共通していると思いますが、日本国内の生産量が頭打ちである現状から、海外という新しい販路にビジネスチャンスを見出しているのかもしれません」

「アメリカの米」「フランスの水」で作られるSAKE…ニューヨークでは「Dassai Blue」も

①ニューヨーク・タイムズ紙にも取り上げられた「Brooklyn Kura」

アメリカのニューヨーク州で2018年に創業した「Brooklyn Kura」。立ち上げたのは、それまで酒造りとは無縁だった金融機関勤務のブライアン氏と科学者のブランドン氏。ともに日本の日本酒に魅せられて、日本中の酒蔵を巡り勉強した後、ブルックリンで酒造りを始めた。

原料にはカリフォルニアをはじめとしたアメリカ産の米を使用している他、仕込み水にはブルックリンの水を使っている。2021年12月には『八海山』で有名な新潟県の八海醸造と業務資本提携を締結。日本の職人を派遣し、酒造りのノウハウ共有などを通じて酒造りのレベルアップを狙う。

仕込み蔵はサニーサイドパークのウォーターフロントエリアにある工場跡地をリノベーションして作られた。

②東京とフランスで酒造りに挑戦する「WAKAZE」

2016年に創業した「WAKAZE」は、東京・三軒茶屋とフランス・パリに醸造所を持つユニークな酒蔵だ。2019年にオープンしたフランスの拠点では、機械設備は現地で特注。原材料は「南仏カマルグ地方の米」「フランス現地から採水した仕込み水」「現地のワイン製造に使われる酵母」「仕込蔵で作った麹」と全てフランス産を使用している。2020年10月にはフランスの清酒品評会「KURA MASTER」で海外醸造蔵で初となるプラチナ賞を受賞した。

ラベルデザインはロンドンのデザイン会社が手掛けた。一般的な日本酒のラベルデザインとは一線を画す、ポップなキャラクターと色合いのデザインが特徴。

③国内の吟醸酒ブーム火付け役が世界進出「旭酒造」

精米歩合50%以上の酒米を使用した純米大吟醸酒『獺祭』シリーズのみを販売し、昨今の高品質な吟醸酒ブームの火付け役となった旭酒造。次なる挑戦の地として選んだのは、アメリカ・ニューヨークだ。市街地から200kmほど離れたハイドパークに酒蔵を建設中で、2020年稼働予定だったが、コロナ禍で工期が遅れ2022年秋に完成予定となっている。ここで作られるお酒は『Dassai Blue』という新しいブランドとなる。

スーパーマーケットの跡地を利用して建造。アメリカ最大の料理大学であるCIA(Culinary Institute of America)大学と提携した他、2022年4月にはニューヨーク・ヤンキースとスポンサー契約を締結し、本拠地であるヤンキースタジアム内一部シートで『獺祭』が提供される予定だ。

「SAKE」がワールドスタンダードになるためには?

世界的に少しずつ広まっている日本のSAKEだが、ビールやワインなどのように世界的な地位を確立するためには、海外酒蔵が持つ強みを活かすことが重要だと語る。

「日本人が海外でお酒を売るには、現地の日本料理店や酒屋などから販路を築くしかありません。しかし、現地に住んでいる人であれば酒蔵をつくり、併設のタップルーム(工場内併設のバー)やレストランに来たお客さんへ造ったお酒を振る舞い、そして気に入ったら買ってもらうことができます。これにより、日本人がアプローチできなかった層にSAKEというものが知られていくようになります。そのためにも、日本と海外の双方が手を取り合うことが今後より重要になってくると考えています」

取材・文/桑元康平(すいのこ)
1990年、鹿児島県生まれ。プロゲーマー。鹿児島大学大学院で焼酎製造学を専攻。卒業後、大手焼酎メーカー勤務を経て2019年5月より、eスポーツのイベント運営等を行うウェルプレイド(現ウェルプレイド・ライゼスト)のスポンサードを受け「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズのプロ選手として活動開始。代表作に『eスポーツ選手はなぜ勉強ができるのか』(小学館新書)。

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