完成度の高まりを受け、市場が急拡大している折りたたみスマホ。折りたたむ方向でスタイルは〝縦折り〟と〝横折り〟に分かれており、単に方向が違うだけでなく、どう折りたたむかでサイズ感や使い勝手も大きく異なってくる。ここでは、両者の代表である『Galaxy』の最新2機種を例に、それぞれの使い勝手や用途を解説しよう。
ケータイジャーナリスト 石野純也さん
ケータイ時代から業界の動向や最新技術を追い、様々な媒体で原稿を執筆する。折りたたみスマホも自ら購入し、メイン端末として『Galaxy Z Fold 5G』を日々愛用している。
小型PC感覚で使いたいならワイド画面の〝横折り〟
Galaxy『Galaxy Z Fold3 5G』
9万5040円(NTTドコモで 「いつでもカエドキプログラム」に加入する場合の支払い総額)
15万8125円 (au「スマホトクするプログラム」適用時の実質負担額)
折りたたみの機構にばかり注目してしまいがちだが、性能面でもほかのハイエンドスマホと比べても遜色はない。重いアプリもスムーズに動くうえに、最大120Hz駆動のディスプレイで表示もなめらかだ。閉じると横幅が67.1mmになり、意外なことに片手で持った操作も非常にしやすい。
半開きのままテーブルや机などに置くことができる。そのままの状態で、手ブレが一切ない写真を撮影可能。
【スマホやPCと2台持ちするとココが便利!】手書きのメモを取れて電子書籍も閲覧しやすい!
ディスプレイが7.6インチにまで拡大し、使い勝手は小型のタブレットに近づく。同社製の『S Pen』を使った手書きは、あたかもノートにメモを取っているかのような感覚。画面の比率が22.5対18で正方形よりやや縦長のため、電子書籍の見開き表示もしやすい。コミックなら、そのまま見開きでセリフまで読める。PCサイトの閲覧、手書き、電子書籍など、スマホでは使いづらかったサービスを多用したい人に向く端末なのだ。
7.6インチと大きいだけでなく、正方形に近い比率のため、紙の書籍を電子化したコンテンツが見やすい。コミックを見開き表示した場合、拡大しなくても細かなセリフまで読める。
ペン先が細く、筆圧検知が可能で筆記時の遅延も少ない『S Pen』に、同社製の折りたたみスマホとして初めて対応。従来の書き味はそのままに、大画面を広々と使える書きやすさが秀逸だ。
〈Other Choice〉開いた際の左右の幅が広い横折りの新型
OPPO『Find N』価格未定
OPPOが満を持して送り出す初の折りたたみスマホ。閉じた時の画面比率が16対9で、一般的なスマホに近い。開くと横長のランドスケープモードになるのが『Galaxy Z Fold3 5G』との違い。折り曲げた時に隙間がない仕上げも◎。国内の一部店舗などで取り扱われており、日本での正式展開は未定。
考え抜かれたユーザーインターフェイスが特徴。2本指で画面をスパッと切るようにするだけでアプリが分割され、マルチウインドウになる。ドラッグ&ドロップよる直感的な操作も使いやすい。