折りたたみスマホの市場に新顔の参入が続いている。グーグルが提供予定のOS「Android 12L」で大画面端末のユーザーインターフェイスを大きく改善する予定なのは、折りたたみスマホの普及を睨んでいるからだろう。年内には、そんなグーグルの折りたたみスマホとして噂される『Pixel Notepad』の登場もありそうだ。
現在、折りたたみスマホが最も盛り上がっているのは中国だ。低価格スマホが得意なシャオミの『Mi MIX Fold』は約18万円、OPPOの『Find N』は約14万円と、価格も下がってきた。7.1インチの後者は閉じると若干小型の5.49インチになり、片手でも持ちやすい。
また、ファーウェイ社から分離独立したオナーの『Magic V』は5000万画素トリプルカメラを搭載。7.9インチの画面を閉じると6.45インチになる大型モデルで、中国で最も人気の機種だ。
一方、コンパクトな大きさになる〝縦折り〟タイプも次々と登場。ファーウェイの『P50 Pocket』はオートクチュールデザイナーとコラボした美しいボディーが特徴だ。TCLの『Flex V』は7万円程度のお手頃価格で今年登場予定。モトローラの名機復刻モデル『razr』も3代目がそろそろ登場しそうだ。
なお、折りたたみのスマホシェア1位のサムスンは〝縦折り〟タイプの『Galaxy Z Flip3 5G』に、全49種類のカスタムパネルを用意した『Galaxy Z Flip3 Bespoke』を投入。〝横折り〟では今夏登場予定の『Galaxy Z Fold 4』に手書きペンを内蔵させる予定だ。〝Z型〟にたためる〝3つ折り〟の『Galaxy Z Flex S』の開発も進行している。2022年は折りたたみスマホが盛り上がる1年になりそうだ。
折り目を生かしたツートーンデザイン
HONOR(オナー)『Magic V』はトリプルカメラに加え、高級感ある背面デザインが特徴。ヘアライン加工を施すシルバーをはじめとする3種類をラインアップ。日本での展開は未定。
高級感ある加工がエレガント!
ファーウェイ『P50 Pocket』はシックなブラックとともに、背面加工が特徴的なホワイトとゴールドをラインアップ。特にゴールドのあしらいは高級感たっぷりだ。日本での展開は未定。
携帯電話研究家 山根康宏さん
1998年から香港在住。中国や海外の通信事情に精通し、年の約半分を海外取材に当てる。日本の主なIT系メディア、経済メディアに執筆多数。講演会や企業コンサルタントも行なっている。
取材・文/山根康宏
※各機種の価格や国内未展開機種の仕様などの情報は2022年2月末時点のもの。