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住民税の決定通知書はどんな時に必要になる?

2022.05.09

『住民税の決定通知書』は、どんなシーンで必要になるのでしょうか?住民税の決定通知書から分かることや、紛失した場合の対処法について紹介します。届かない場合に考えられる原因についても触れているので、参考にしてみてください。

住民税の決定通知書ってどんなもの?

「住民税の決定通知書は保管しておくべきなの?」と、疑問に感じている人は多いのではないでしょうか。まずは、住民税の決定通知書がどのような書類なのかについて解説します。

住民税の金額を知らせるもの

住民税には、企業が納める『法人住民税』と個人が支払う『個人住民税』の二つがあります。

住民税の決定通知書とは、個人住民税の金額を知らせる書類です。個人住民税は、『道府県民税(都民税)』と『市町村民税(特別区民税)』に分けられます。

例えば、東京都杉並区に住んでいる人だと、支払った住民税のうち『都民税』は、杉並区が東京都に納めているのです。

総務省によると、個人住民税は以下のような行政サービスの活動費にあてるために徴収するとされています。

・地域の公共施設
・上下水道
・ごみ処理
・学校教育

公共施設には、図書館や役所なども含まれます。上下水道やごみ処理は、生活にとって欠かせないものともいえるでしょう。行政サービスは住民が快適な生活を送るためのものなので、地域の住民が個人住民税として負担するというわけです。

参考:総務省|地方税制度|個人住民税
参考:特別区民税・都民税とは何ですか。 中央区ホームページ

5~6月頃に勤務先や自宅に届く

住民税の徴収は6月からスタートするため、5~6月頃に『住民税決定通知書』を通して住民税の金額が知らされます。

住民税の支払い方法には『普通徴収』と『特別徴収』の二つがあります。次は、普通徴収と特別徴収の特徴について確認していきましょう。

普通徴収は納付書を使って支払う

『普通徴収』とは、自宅に郵送されてくる住民税決定通知書の納付書を使って自分で住民税を納める方法です。対象になるのは、主に自営業者やフリーランスなど、企業に属していない人です。

納付の回数は年4回で、6・8・10月と、翌年1月に納付します。金融機関やコンビニ、役所などで現金で支払うのが基本ですが、市区町村によってはインターネットバンキングやATM、クレジットカードの支払いも可能です。

なお、1年分の住民税を第1期にまとめて支払うことにより住民税額が割引になる『前納報奨金制度』は、2022年現在、ほとんどの市区町村で廃止されています。

特別徴収だと給料から天引きされる

会社から毎月給与をもらっている人は、基本的に『特別徴収』で住民税を支払います。特別徴収とは、住民税額を12等分した金額を毎月の給与から天引きし、会社が代わりに納付する方法です。

普通徴収とは違い、6月から翌年5月までの年12回で会社が地方自治体に納付します。特別徴収は自分で払いに行く必要がないため、支払い忘れのリスクがないのが大きなメリットです。

参考:港区ホームページ/特別徴収・普通徴収とは何ですか。

再発行は不可能!紛失には注意

たとえ紛失した場合であっても、住民税の決定通知書の再発行はできないので要注意です。

しかし普通徴収の場合は特に、住民税の金額が分からないと支払いに困るものです。有料で発行してもらえる『所得課税証明書』などで、住民税額を確認できます。

なお、所得課税証明書は市区町村によって名称が違う場合もあるので、「住民税の決定通知書を紛失し、住民税額が知りたい」旨を伝えるとよいでしょう。

参考:多治見市/住民税決定通知書を再発行してほしいのですが。
参考:千葉市:よくあるご質問(FAQ):税金:納税通知書を紛失しました。再発行してほしいのですが。

住民税の決定通知書の使い方二つ

(出典) photo-ac.com

住民税の決定通知書は、住民税額を確認する以外にも大きく二つの使い方ができます。該当する人は、住民税の決定通知書を保管するようにしましょう。

ふるさと納税の控除額をチェック

『ふるさと納税』とは、地方自治体への寄付金のうち一定額から利用料の2000円を引いた金額が住民税や所得税から控除される制度です。

ふるさと納税の控除を受けるためには、『確定申告』をするか『ワンストップ特例制度』を利用して税務署に寄付金額を申告する必要があります。

ワンストップ特例制度を使うと、1年間に五つの自治体までは確定申告をしなくても控除を受けることが可能です。

確定申告をした場合は、確定申告書類と住民税の決定通知書を照らし合わせて控除の金額を確認しますが、ワンストップ特例制度の場合は、住民税の決定通知書だけで控除額を確認できます。

参考:総務省|ふるさと納税ポータルサイト|ふるさと納税のしくみ|ふるさと納税の概要

住宅ローンの審査書類

前年の所得をもとにして課される住民税額からは、大体の年収が分かります。そのため、住民税の決定通知書は、住宅ローンの審査の際に、収入や課税額を確認する書類として使われる場合もあります。

なお、住民税の決定通知書が手元にない場合は、『所得証明書』や『課税証明書』で収入や課税額を証明することも可能です。多くの場合で市区町村が発行しており、給与総額の記載があるものに限るなどの条件が設けられています。

住民税の決定通知書が届かない原因は?

(出典) photo-ac.com

住民税の支払いがスタートする6月に、住民税の決定通知書が届かないと心配になるでしょう。最後に、住民税の決定通知書が届かないときに考えられる原因を二つ紹介します。

転出入届の提出や収入の申告を忘れている

住民税を支払う市区町村は、その年の『1月1日』に住民票がある地域です。そのため、年内に引っ越しをしても、転出前の市区町村から住民税の決定通知書が届きますが、これは問題ありません。

ただし、転出入届を提出していないまま翌年を迎えると、転居前の住所に住民税の決定通知書が届くなどの問題が生じます。

また、住民税額は前年の収入額によって決定するため、確定申告をしていない人には当然ながら住民税の決定通知書は届きません。

参考:手順6 住民税に関する事項を記入する|国税庁
参考:市民税・県民税の申告について 横浜市

勤務先の手続きが遅れている

会社が特別徴収を行う場合、毎年1月31日までに従業員が1月1日時点で住んでいる市区町村に『給与支払報告書』を提出しなくてはなりません。給与支払報告書の『個人別明細書』には、前年に従業員に支払った給与総額などが記載されています。

会社から提出された給与支払報告書をもとに市区町村が住民税額を決定すると、毎年5月末日までに会社あてに『特別徴収税額決定通知書』が送られてくるのです。

そのため、住民税の決定通知書が届かないのには、手続きがされていないか、勤務先に届いているけれど渡し忘れているかの、二つのパターンが考えられます。

構成/編集部

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