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メタバースと宇宙ビジネスが融合したらどんなビジネスが生まれるのか?

2022.04.13

最近、メタバースのニュースをよく目にするようになった。

例えば、Facebookが2021年10月にMetaへと社名を変更したことはあまりにも有名だが、他にもマイクロソフトがTeamsをメタバース仕様にし3Dアバターを取り入れる計画を発表したり、日本では、KDDIや東急は都市連動型メタバース「バーチャルシティコンソーシアム」を発足させ「バーチャルシティ」を展開したり、また「Metaverse Japan」という組織体が業界、企業の垣根を越えたメタバースの世界観を共通化、拡大化する目的で設立されたり、SBIも「日本デジタル空間経済連盟」という社団法人を設立するなど、メタバース系の団体が乱立し、非常に動きが活発だ。

では、一方で、宇宙ビジネスのフィールドではどうだろうか。あまり話題を耳にすることはないが、宇宙ビジネスとメタバースが融合することでどのようなことが起こり、未来はどのようになるのか、そんなことを想像したり、予想したり、検討したりすることは重要だろう。今回は、そのような話題について触れたいと思う。

衛星画像などのテクノロジーで地球上のメタバースはよりリアルに

最初にメタバースについておさらいしておきたい。メタバースとは、英語の「超meta」と「宇宙universe」を組み合わせた造語。現実世界とは異なる3次元の仮想空間(バーチャル空間)やそのサービスのことを指す。基本的に仮想空間の一種で、企業や人々が集まっている商業な空間が主にそう呼ばれる。将来的に利用者は仮想空間に世界中から自分の分身(アバター)で参加してお互いにコミュニケーションしながら買い物をしたり、商品の製造、販売などをしたりもう一つの「現実」として新たな経済活動、日常生活を送れたりすることが想定されている。

衛星画像とメタバースと聞いて、頭にすぐ浮かぶのは、Spacedataだろう。SpacedataのCEOは佐藤 航陽氏。彼は20代のときに、ビッグデータ解析やオンライン決済の事業で早稲田大学在学中に立ち上げたIT企業を東証マザーズに上場させ、年商200億円以上の企業に成長させた才能溢れる人物。Spacedataは、衛星画像と3DCG(3次元コンピュータグラフィック)技術でもう1つの世界、仮想空間を自動生成するAIを開発している。この仮想空間は、リアルな現実世界とそっくりであるため「デジタルツイン」なども呼ばれる。このSpacedataが作り上げる仮想空間に様々なテクノロジーやデータをアドオンすることでさらに別の仮想空間を創り、利用するのだ。

では、このような仮想空間(デジタルツイン)において、どのようなことが行われるだろうか。例えば、企業が検討、計画している新規事業などのシミュレーションに利用する仮想空間、若者、友人同士などグループで利用する仮想空間、SNS用の仮想空間、対戦用ゲーム用の仮想空間、グルメ情報用の仮想空間、避難・防災訓練用の仮想空間、経済実証用の仮想空間など考えれば考えるほど、仮想空間の活用方法は挙げられるだろう。

地球上で想定される宇宙ビジネスとメタバースのイメージ(筆者作成)

仮想宇宙旅行ビジネス

Blue OriginやVirgin Galacticは、サブオービタル旅行という高度100km程度の宇宙と定義されている領域で、一般人を乗せた宇宙ビジネスに成功し、着々とビジネス化に向けて進んでいる。他にも国際宇宙ステーションへ数多くの有人飛行実績のあるSpace Xは紹介するまでもないかもしれないが、宇宙船Crew Dragonに一般人を乗せ、地球低軌道を数日間周回するという旅行にも成功している。他にも国際宇宙ステーションISSも然りだ。

しかし、まだ高額な価格帯であるため、富裕層向けのビジネスであることは否定できず、一般人に普及する価格帯までと下がるにはまだ時間はかかるだろう。他にも、宇宙に行きたくても、身体的、心理的障壁など様々な理由でいくことができない人も多くいることだろう。このようなニーズに応えるべく、仮想宇宙旅行というのもメタバースではありうるのではないか。

Space VRは、小型衛星を打ち上げ宇宙空間を360°撮影。その撮影した宇宙空間を映像からVR空間を作り、ビジネスを展開している。他にも、日本の国立天文台は、4次元宇宙デジタルプロジェクトが進行していて「Mitaka」という宇宙の仮想空間を整備。あたかも惑星の近くでさまざまな角度から観測することが可能となっている。つまり、仮想空間がリアルな宇宙を再現しているのだ。このリアルな宇宙仮想空間に加えて、例えばだが、擬似的にも宇宙服を着て、ロケットの振動や音響などが体感できる臨場感が出せる装置も開発すれば、付加価値がつき、より一層リアルなエンターテインメント感が出せるのではないだろうか。他にも月や火星の土地に降り立つような仮想宇宙旅行ができれば、とても興味深い。

もちろん、仮想的な宇宙旅行ビジネスだけではない。心疾患の患者向けの治療にこの仮想宇宙空間を提供してり、リラックス、ヒーリングなどストレス解消、心身のリラックスのビジネスも考えられるだろう。

独自に創造された宇宙仮想空間で行われる経済活動

既に仮想空間上で土地の売買が行われていることはご存知だろうか。2022年3月16日、世界最大級のメガバンク、HSBCとブロックチェーン・NFTを活用したプラットフォームの提供などを行うAnimoca Brandsの子会社、The Sandboxが連携。その目的は、HSBCがThe Sandbox上の仮想土地区画を取得するためだという。他にもPwC香港が、The Sandbox上の仮想土地区画を取得したというのだ。

宇宙ビジネスのフィールドでも同様なことが起きるだろう。The Sandboxのような宇宙版プラットフォームを作り、そこで経済活動を行うビジネスが創出されることが予想できる。そうなると、宇宙版の仮想空間がたくさん登場する。企業などは、仮想的な惑星であったり、仮想的なスペースコロニーであったり、その宇宙の仮想空間の中に都市や街を創造する。そこに「人が集まる魅力」があれば、価値が出る。その仮想空間の土地区画、スペースコロニーの部屋などの売買や賃貸なんていう不動産取引だって考えられる。Earth viewやDeep Space Viewなどによって価格帯も変わるかも知れない。他にも広告事業、イベント事業、そこでしか購入できないまた体験できないビジネス、など宇宙という魅力と神秘をうまく活用した宇宙仮想空間で経済活動が行われることだろう。

おそらく、このような宇宙版の仮想空間は、ビジネスの最初のフェーズでは、数多く出現することだろう。しかし、「付加価値のないもの」、「人が集まる魅力がないもの」は淘汰され、もしくは吸収合併され、最終的に生き残ることができる仮想空間は、数個程度に落ち着くのではないだろうか。

独自創造された宇宙仮想空間が集約されるイメージ

いかがだっただろうか。宇宙という空間はそもそもが魅力的。そのため、メタバースと組みわせることにとても親和性があると感じる。世界では優秀な頭脳を持った人物が魅力的な様々なアイデアを創出し、従来にはない斬新で有用な宇宙×メタバースを創造していくのだろう。非常に楽しみだ。

文/齊田興哉
2004年東北大学大学院工学研究科を修了(工学博士)。同年、宇宙航空研究開発機構JAXAに入社し、人工衛星の2機の開発プロジェクトに従事。2012年日本総合研究所に入社。官公庁、企業向けの宇宙ビジネスのコンサルティングに従事。新刊「ビジネスモデルの未来予報図51」を出版。各メディアの情報発信に力を入れている。

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