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ビンテージカメラが蘇る!銀塩カメラがデジカメに変身するガジェット「DIGI SWAP」の遊び方

2022.04.10

■連載/ゴン川野の阿佐ヶ谷レンズ研究所

ビンテージカメラがiPhoneでよみがえる

私が最近、気になっている製品が「DIGI SWAP」である。35mmフィルムを使うカメラの裏ブタを外して装着するとiPhoneで撮影できるアダプターなのだ。一眼レフ限定ではなくM型のLEICAにも、固定用の三脚ネジ穴アダプターが別途必要だが対応する。対応できるカメラの範囲が広く、iPhoneもXから13Pro Maxまで使えるとなかなか懐が深い設計だ。

Webでは静止画だけでなく動画のサンプル画像も見られ、かなり美しい。実際のところどんな画像が撮れるのだろうか。中野のケンコー・トキナー本社ビルで4月8日から10日に開催された体験会にマイレンズ持参で参加、撮影してみた。

説明会では「DIGI SWAP」を製品化したファイヤーワークスCEOの小森義浩氏、自らが説明役を務めた

カメラのファインダーをのぞいてピントを合わせ、シャッターを切ると画像が現れる

仕組みはシンプルだが中身は複雑

「DIGI SWAP」の仕組みはどうなっているのか、生みの親であるファイヤーワークスCEOの小森義浩氏にお話しを聞いた。

「iPhoneをカメラのフィルムだと思って下さい。こちらで調整するのは感度だけです。絞りとシャッター速度とピントをカメラ側で調整してシャッターを押すと画像が撮れます。動画の場合はシャッター速度をB(バルブ)にするだけです」

小森さんによれば、スマートフォンという優秀なカメラ機能を持つデバイスがあったおかげで、比較的容易に銀塩カメラをデジタル化できたという。その原理は銀塩カメラのフィルム面に乳白色パネルを設置、周囲を遮光してパネルに写った画像をスマホのカメラ機能で接写している。そのためカメラのレンズから入った光の約30%をロスするためカメラの露出計は正確に働かない。また、スマホ側もパネルに対する適正露光を測定して、カメラのシャッターに合わせてスマホのカメラ機能のシャッターがシンクロしなければならない。

このため「DIGI SWAP」はスマホを制御するための別売の専用アプリとペアで使う。小森さんは、もともとD.P.E.の仕事をしていたのだが、IT関係の仕事を10年された経験もあり、そのスキルを活かして専用アプリを開発したという。このソフトとハードが合わさって「DIGI SWAP」が完成したのだ。

銀塩カメラのフィルム面に「DIGI SWAP」を固定、その背面にiPhoneを固定してカメラと同期させる

初期設定を終えたDIGI SWAPアプリの画面で、左の静止画か、右の動画かを選択する

撮影準備ができると右側に感度が表示される。撮影後の画像もこの画面から再生できる

各種設定画面、通常はデフォルトで問題ないが、非常に暗いなど特殊な条件下で調整する

「DIGI SWAP」の手前に見える乳白色パネルがフィルムの役割を果たしている

LEICAは三脚ネジ穴がカメラボディの端にあるため専用アダプターを使って「DIGI SWAP」を固定する

難しいから面白い

Nikon F2にセットアップされた「DIGI SWAP」を使って撮影を体験した。まずiPhone側の感度は屋内ではISO2000以上に設定しないと画像が暗くなる。アダプターとスマホの厚みがあるのでカメラのファインダーをのぞいてピントを合わせるのはなかなか難しい。別途、用意されていたCanon New-F1とウエストレベルファインダーのセットが合理的である。もちろんF2にもアングルファインダーは存在する。ハイアイポイントのスポーツファインダーもあるのだ。

ピントを合わせて、シャッターボタンを押すと、シャッターが切れない。巻き上げレバーの操作を忘れていたのだ。撮影した画像を再生するとドアンダーである。絞りを開放にするとピントが甘くなる。カメラの露出計が当てにならないので、露出は勘で決める。撮影してみると、銀塩カメラより難しい。もちろん、デジカメよりズーッと難しい。

撮影している感覚は銀塩カメラそのものだ。シャッターをチャージして、ファインダーをのぞいてピントを合わせて、シャッターボタンを押すとバシャと音がしてミラーが跳ね上がる。これだけでも楽しいのだが、「DIGI SWAP」を使えばデジタルデータをiPhoneに残せる。ビンテージカメラで空シャッターを切って遊んでいたのが、デジタルカメラとして楽しめる。撮影には独自のノウハウが必要で、新たの学ぶことも多い。新しい趣味としては面白い。

小森さんはもともとHASSELBLAD 500Cという中判フィルムを使う一眼レフカメラを復活させるために「DIGI SWAP」を開発したという。第一弾は汎用製の高い35mmフィルム仕様となったが、実はハッセルなどの中判フィルム専用アプリも完成しているんですよと見せてくれた。限定生産での製品化を考えているそうだ。まずは4月11日から開始されたKICKSTARTERでのローンチに注目したい。

小森さんが撮影した作例。アスペクト比は静止画も16:9になる。ピントもボケ味も素晴らしい

トキナーの魚眼ズーム「AT-X 107 DX Fisheye」を持参したがレンズ側に絞りがなかった!

明るい屋外なら撮れるかもということで絞りF22固定で撮影。APS-C用なので左上がケラレている

現行トキナーレンズで絞り環付きの100mmF2.8 MACROを借用。右は持参したNIKKOR 50mmF1.4

マクロレンズでおきて破りの絞り開放、ピントはなかなかシャープだが、理想は屋外で絞り込みたい

説明会で展示されたカメラを50mmで撮影。MacBook Airにピントを合わせて絞りは開放

写真・文/ゴン川野

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