筆者のとある同業者は、記事の執筆中にはPCもスマホも触らないという。
なぜかと言えば、オンライン接続のできるデバイスを使うと「寄り道」してしまうからだ。
故にその人は、スマホやタブレットのメモアプリなどは一切使わない。
が、「メモをデジタル化するガジェットは欲しい」らしい。なるほど、そのような需要もあるのか。
ならば、『Hannsnote』を導入してみるというのはどうだろうか? これはタブレット……というよりも、メモ機能に特化した電子ノートである。
「手書き派」のための電子ノート
スマホやタブレットが世界の隅々まで普及した今でも、「手書き派」と呼ばれる人は存在する。
キーボード配列の文字群をタップするよりもペンを手に取って書いたほうが早く、また「自由度」も高いから……ということを聞いたことがある。
メモのついでにちょっとしたイラストを描き込むことも、文字の上に斜線や丸を記入することも自由自在、という意味だ。
では、『Hannsnote』はそのあたりの「自由度」があるだろうか?
まるで日記帳のような見た目のケースに収められた『Hannsnote』。
開けてみると、そこにあるのは8インチディスプレイのタブレット。ところがこれは、指で触っても反応しない。
あれ、おかしいぞ? 電源はつくのだが、「→へスライドしアンロック」の部分を何度なぞってもウンともスンとも言わない。
が、心配は無用。これは決して故障ではない。
『Hannsnote』は専用のタッチペンがないと操作できない仕組みなのだ。
手が触れることによる誤作動(タブレットのメモアプリではありがちなトラブル)を防止する設計である。
「メモを取る」ことの楽しさ
実際に使ってみよう。
まずは罫線のないまったくの白紙のページを立ち上げ、「@DIME」と書いてみる。
その下には筆者の名前「澤田真一」。そもそも筆者は字が下手で、かなり見苦しい画面になってしまっていることはご容赦いただきたい。
が、そんな筆者の文体をかなり正確に認識しているという点はすごい!
また、通常のタブレットで利用する手書きメモアプリにありがちな遅延(ペンを滑らせてから文字が表示されるまでのタイムラグ)も殆ど感じられない。
このあたりは使用中のストレスにも直結することで、メモとして使う以上は書いた文字が即座に反映されていなければならない。
そのあたりで『Hannsnote』に懸念を抱く必要はないだろう。
さらに『Hannsnote』は、カラー表示を前提にした製品である。
その時々に応じて様々な色のペンを利用できる。それにしても、発色がかなり綺麗だな……と筆者は察したが、それもそのはず。
『Hannsnote』の画面は1,677万色カラー IPS ディスプレイで、繊細な発色表現を得意としている。
「私はカラーペンを使って色分けするから、白黒の電子ノートじゃ絶対ダメ!」という人もいる。
『Hannsnote』はまさにその需要を具現化した製品だ。てか、「メモを取る」という行為がこんなに楽しいものだったとは!
筆者は『Hannsnote』を試用しているうちに、いつの間にかその使い勝手の虜になってしまったようだ。
今この記事を書いている間も、『Hannsnote』にいろいろな落書きをしている。
「ひとりの時間」に寄り添うガジェット
『Hannsnote』は専用アプリを用意している。Bluetoothでスマホと接続し、書いたメモをアプリへ転送するという使い方も可能だ。
ただし、『Hannsnote』自体にオンライン接続機能はない。やはりこれは「タブレット」ではなく、あくまでも「電子ノート」なのだ。
冒頭に書いた通り、仕事中はオンライン接続できる機器を手放してしまう人もいる。故に「ネットとつなげることはできない」というのは欠点ではない。
また、ライターなら誰しもこのような時間を持っていると思う。
「ひとりでひたすら考える時間」だ。特に仕事をするというわけでもなく、ただただ沈黙して何かを思案する。
周囲の人から見れば「あいつはただボーッとしている」という状態である。
しかし我々は、次の仕事につなげるための思案を繰り広げているのだ。
どのような角度で切り込めば、より面白い記事が書けるのか。
そもそも、この時期にどのような記事を書けば読者から良い反応を得られるのか。そうしたことをひたすら考える。
その最中に『Hannsnote』があれば、思い浮かんだアイディアや考察を即座に書き留めることができる。
そこにオンライン接続機能は必要ない。今は自分ひとりで考える時間なのに、なぜTwitterやYouTubeに意識を向けなければならないのだろうか?
たったひとりで考察する空間に寄り添ってくれるガジェット。それが『Hannsnote』ではないだろうか。
「人生の成功」につながるアイディアを
『Hannsnote』はクラウドファンディングMakuakeで出資を募っている。2022年4月7日時点で、3万3,980円の出資枠(製品1台提供)が残っているようだ。
この『Hannsnote』だけを持ってカフェへ行き、何かいいアイディアが思い浮かぶまでひたすら考える。脳内の電球が点灯したら、即座にアイディアを『Hannsnote』に記入する。この行為が、人生の成功につながることもあるはずだ。
※クラウドファンディングには立案会社の問題でプロジェクトが頓挫する可能性や支援金が戻らなくなるリスクも稀にあります。出資に当たっては、読者様ご自身でご判断いただきますようお願い致します。(編集部)
【参考】
アイデア創出、思考の整理に特化 [カラー表示デジタルノートHannsnote]-Makuake
取材・文/澤田真一