いわし雲や太陽表面と同じ!? 味噌汁の “モヤモヤ” の正体を探ってみた
突然ですが、皆さんお味噌汁は好きですか?筆者は大好きです。
今回はお味噌汁をよく飲む人なら一度は思ったことあるかもしれない、ある不思議現象について深堀りしてみました。
—子どもの頃、不思議だったこと。
イラスト:ポランカさん(@porankaran)
SNSを中心に活躍中の絵師・ポランカさんは、幼少期にお味噌汁を飲むときにずっと気になっていたことがあります。それは…
お味噌汁の中で動いている “モヤモヤ” !
温かいお味噌汁が食卓に出てきたときに、まるで雲や煙のようにモヤモヤ~っと動いているのを見たことがありませんか?
丼でいただけるほどお味噌汁好きな筆者も、当たり前すぎて「そういうもの」だと思っていましたが…
言われてみれば確かにあの “モヤモヤ” って、何なのでしょう?!
お味噌汁の “モヤモヤ” の正体は、【ベナール対流】
実は、温かいお味噌汁の中で動く “モヤモヤ” の正体は【ベナール対流】と呼ばれる現象です。
【ベナール対流】とは?
水平な液体の下面を加熱、または上面を冷却することで温度勾配が作られたときに、規則的なパターンで生じる対流。 |
お味噌汁の場合、お椀の底に近い部分はまだ熱い(軽い)ので上に移動し、空気に触れて冷めはじめた表面の部分は冷たい(重い)ので下に移動しようとします。この対流現象がお椀の中のあちこちで起きているため、モヤモヤとした渦が目に見えるのだそう。
天気が崩れる予兆として有名ないわし雲(巻積雲)やひつじ雲(高積雲)はこのベナール対流が原因で発生します。さらに、太陽表面に見られる粒状斑と呼ばれる独特の模様もベナール対流によるものなのだとか。
小さなお椀の中で見られるお味噌汁の “モヤモヤ” の正体が、実は雲や太陽と同じ現象だなんて…なんだかロマンのある話ですね。
■イラスト提供/ポランカさん(@porankaran)
4年ほど前からイラストやエッセイ漫画を描きはじめる。多摩川を歩くこと、野鳥の観察、ベースを弾くことが趣味。
文/黒岩ヨシコ
編集/inox.