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本当にお買い得?M1チップ搭載で性能が大幅にアップした「iPad Air」の完成度

2022.04.03

■連載/石野純也のガチレビュー

 iPad Proのような全面にディスプレイが広がるデザインに刷新され、2020年10月に発売されたiPad Airだが、その後継機が早くも登場した。第5世代のiPad Airがそれだ。同時に発売を迎えたiPhone SEと同様、第5世代のiPad Airもそのコンセプトや外観をキープしつつ、中身を大きく進化させているのが特徴だ。

 ProではないiPadとしては、初めてMacと同じ「M1チップ」を採用。5Gに対応したのも通常ラインのiPadとしては初めてで、処理能力とともに通信性能を大きく向上させた。FaceTimeや各種ビデオ会議アプリで自動的に被写体を拡大し、中央に配置する「センターステージ」に対応しているのも特徴。この機能も、iPad Proから採用が始まり、iPad Airへ搭載されるに至った。

 iPad、iPad mini、iPad Airの一般向けモデル3機種ではもっとも機能が高く、どちらかというと性能はPro寄りなiPad Airだが、その位置づけから価格は抑えめ。ストレージ容量がもっとも少ない64GB版は、Wi-Fiモデルが7万4800円だ。このように聞くとiPad Airがお買い得に思えてくるが、実際の使い勝手はどこまでiPad Proに迫れているのか。その実力を、実機でチェックしていきたい。

第5世代のiPad Airを、実機でレビューしていく

デザインは第4世代を踏襲、Touch IDも健在

 デザインは、フルモデルチェンジを果たした第4世代のiPad Airを踏襲している。ホームボタンを廃して本体全面をディスプレイにしたのは、このモデルから。第5世代のiPad Airも、ディスプレイサイズやボディのサイズは基本的に同じだ。ベースは11インチのiPad Proに近いが、ベゼル(額縁)はやや太く、ディスプレイのサイズも10.9インチになる。

ディスプレイは10.9インチで、iPad Proより0.1インチ小さいぶん、ややベゼルが太い

 iPad Proとの違いは、カラーリングにもある。Proと銘打ち、プロユースを意識したiPad Proは、どちらかというと派手さを抑えた質実剛健なカラーリングで、選択肢もシルバーとスペースグレーの2色のみ。どちらもベーシックな色合いで、幅広いユーザーが受け入れやすい一方で、遊び心は少ない。これに対し、iPad Airは第5世代も5色展開。試用したブルーは鮮やかな発色で、使っていてテンションが上がる。

試用したのはブルー。鮮やかな色味で、光に当たると金属特有のザラっとした質感が強調される

 本体上部(横にした時には左側面)には、トップボタンが搭載されるが、このボタンはTouch ID(指紋認証)を兼ねている。ボタンをタッチするだけでロックが解除されるため、マスク着用時でもスムーズに操作を始められる。少々余談にはなるが、iPhoneはiOS 15.4でマスク着用時Face IDが導入されたのに対し、iPadOSには同機能が採用されていない。この点はiPad Proユーザーとして非常に残念だが、Touch IDの優位性が残ったという意味で、iPad Airの存在意義が増した印象だ。

トップボタンにはTouch IDが統合されている。この点は、第4世代のiPad Airと同じだ

 一方で、キーボードやタッチパッドでiPad Airを操作していると、いったんそこから指を離してTouch IDに触れるというアクションが必要になる。Face IDの場合は、キーボードを叩くだけで自動的に認証が始まり、そのままロックが外れるため、どちらかと言えばこちらの方がユーザー体験として自然だ。コロナ禍でマスクを着用しながら使うぶんにはiPad Airの方がいいが、そうでないシーンではFace IDを採用したiPad Proに軍配が上がり、使い勝手は一長一短と言える。

キーボード利用時に、いったん指を離さなければならならず、ロック解除にひと手間かかる

 例えば、家など、マスクを着ける必要がない場所なら、iPad Proの方が楽だが、出先のカフェなどでキーボードを使う時はマスクがあるため、Touch IDを採用したiPad Airの方がスムーズにロックを解除できる。コロナ禍でのマスク着用がいつまで続くかが不透明なため、あくまで「現時点では」というただし書きがつくが、出先で使うことが多い人にはTouch IDを搭載したiPad Airの方が、使い勝手がいいと感じるだろう。

タブレットとは思えないほど高い処理能力、5G対応も評価

 次に見ていきたいのが、M1の処理能力。MacBook AirやMacBook Pro、iPad Proなどに採用されているチップと同じで、写真や動画の編集をスピーディにかつ、低消費電力で行える性能の高さがM1の売りだ。M1を搭載したiPad Airにも、その特徴が受け継がれている。まずはベンチマークから。以下はどちらも「Geekbench 5」で取ったものだが、CPUのシングルコア、マルチコアはもちろん、GPUも非常に高い数値をたたき出した。

Geekbench 5で計測したベンチ—マークスコア。CPU、GPUともに最高レベルの数値だ

 実利用でも、処理能力の高さは健在だ。例えば、大量の写真を一括で編集するような時に、そのスペックの高さを生かすことが可能だ。ここでは、iPad用のLightroomを使って100枚の写真にまとめて同じ編集をかけてみたが、処理はあっという間に終わった。時間にすれば、数十秒といったところ。書き出しも速く、モバイル用のタブレットとは思えないほどのスムーズさだ。

Lightroomでまとめて写真を処理する時に重宝する

 iPad版のPhotoshopも同様に、サクサクと動く。iPad用のため、デスクトップ版にある一部機能は利用できないが、ここまで滑らかだと、ワークフローに取り入れやすい。底面にはType-CのUSB端子を備えているため、写真の取り込みも簡単。Proとは銘打たれていないものの、Pro並みの作業ができるiPadだと評価できる。写真や動画の編集などをタブレットで行いたい人には、いい選択肢だ。

iPad版Photoshopも滑らかに動く

 こうした大容量のデータを扱う時には、やはり通信速度が速い方がいい。この点も、iPad Airには合格点を与えられる。高速通信規格の5Gに対応しているからだ。キャリアによっては5Gエリアは限定的ながら、4Gの時よりもデータのやり取りはスムーズになる。Wi-Fi版を選ぶのは、もったいないほど。その意味では、iPhone以上に5Gが重要な端末と言えるかもしれない。

5G対応で、データ通信が超高速。対応エリア内で利用することが多ければ、5Gモデルを購入した方がいいだろう

 5G接続時に、FaceTimeが高画質化する「FaceTime HD」を利用できるのも特徴だ。これは、iPhoneや5Gに対応したiPad Proと同様の機能で、動画アプリなどの一部対応アプリ側が通信方式に応じて画質を変更する。4Gから5Gに周波数を転用したエリアでは、超高速というほどの速度は出ないものの、モバイルネットワークでもコンテンツのクオリティが上がるのは5G対応のメリットだ。

FaceTimeや動画アプリを5G接続時に高画質化できる。画面の大きなiPad Airでこそ生きる機能だ

拡張性も高い一方で、iPad Proに比べるとコストダウンの跡も

「Magic Keyboard」や「Apple Pencil」に対応しており、拡張性が高いのもiPad Airを利用する利点だ。Apple Pencilは現行のiPad全機種が対応しているため、さほど特別感はないが、Magic Keyboardが利用できるのは全面がディスプレイになったiPad AirとiPad Proのみ。背面の端子で信号をやり取りするため、接続が簡単で薄い割に打ち心地がいい。

Magic Keyboardを接続できるiPadは、iPad Pro以外だとiPad Airだけ。接続が簡単で、薄型ながらキーが打ちやすい

USB Type-C端子を搭載しており、SDカードリーダーやデジカメ、マウスなど、さまざまな周辺機器を接続できる

 一方で、iPad Proと使い比べてみると、コストダウンの跡が見え隠れするのも事実だ。わかりやすいのはディスプレイ。iPad Airのディスプレイは10.9インチで、11インチのiPad Proより0.1インチ小さいが、この点はほぼ無視できるほどの差しかない。どちらかと言えば、60Hzと120Hzというリフレッシュレートの違いが、スクロール時の動作に開き生み出している印象だ。

 60HzのiPad Airは、やはり勢いよくスクロールさせると少しだけカクつくことがある。これで使用感にかなりの違いが出るのかと言えば、そうでもないが、iPhoneよりもディスプレイサイズが大きいだけに、気になる人は多いかもしれない。もっとも、これは120Hz駆動のiPad Proを使っていればの話。iPadやiPad miniなどの製品から乗り換える人にとっては、重要視するようなポイントではないかもしれない。

スクロール時の動作が速いと、差を感じやすかった

 気づきにくい点では、マイクやスピーカーにも差分があり、iPad Proの方が性能は上だ。ただし、これらはイヤホンマイクを使えば、解消できる話でもある。筆者のケースだと、iPad単体で音を再生したり、声を発したりすることは少ないため、スペック差はほぼ気にならなかった。

 こうした点より、ストレージ容量の方が実利用では違いがわかりやすい。最少容量の64GBは、動画や写真を保存していくとすぐにいっぱいになってしまうからだ。256GBの選択肢はあるが、こちらを選ぶとWi-Fiモデルで9万2800円と、価格が一気に上がり、iPad Proに対するiPad Airのコスト優位性が薄くなってきてしまう。64GBの次が256GBになるのも少々選びづらいため、128GB版も用意してほしかったのが本音だ。

スペックを生かすなら、256GBモデルを選んだ方がいい。ただし、価格はそのぶん上がってしまう

 ただ、これらのマイナス点を加味しても、完成度の高いタブレットであることに変わりはない。iPad Proはスペックが必要以上で高すぎる一方で、iPadだと物足りないというユーザーには、オススメできる1台だ。仕事にもプライベートにも思う存分使えるタブレットとして、高く評価したい。

【石野’s ジャッジメント】
質感        ★★★★★
持ちやすさ     ★★★★
ディスプレイ性能  ★★★★
UI         ★★★★
撮影性能      ★★★
音楽性能      ★★★★
連携&ネットワーク ★★★★★
生体認証      ★★★★
バッテリーもち   ★★★★
*採点は各項目5点満点で判定

取材・文/石野純也

慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

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