アメリカの「吉野家」に新メニュー「うどん」が登場!斬新なトッピング方法はアメリカならでは
「うまい、やすい、はやい」の合言葉で知られる吉野家。
全国に1200店舗以上あり、知らない人はいないほど有名な牛丼チェーン店だが、日本だけでなく世界進出もしており、上海や台湾などアジア地域や、アメリカにも多くの店舗を有している。しかし、アメリカの「吉野家」は日本人が思う「吉野家」とはちょっと違う。
アメリカでの「吉野家」は?
アメリカの吉野家の店舗数は102店舗(2022年3月現在)。Yoshinoya USAの創立が1973年。そして、1975年デンバーで1店舗目がオープンし、2010年には100店舗目が誕生。アメリカでも40年以上の歴史を持ち、アメリカ人にも愛されているファーストフード店だ。
ただし、日本の吉野家と異なる点は多い。まず、大きな違いはメニューだ。日本では「吉野家=牛丼」になるが、アメリカでは牛丼よりも照り焼きチキン丼のほうが有名。アメリカでは「日本食=テリヤキテイスト」と思っている人も多く、「テリヤキ」の知名度は抜群。
照り焼きチキン以外にも、照り焼きサーモンもあり、「照り焼き」の濃いめの甘いタレはアメリカ人の味覚に合っているようだ。
また、現在、吉野家はロサンゼルス周辺に集中して店舗があり、そこは中南米からの移民が多いエリア。そのため、グリルティラピア(白身の魚)、スイートチリシュリンプ、ハバネロチキンなど日本にはないユニークなメニューが揃っている。
日本から海外へ進出しているが、日本で出しているテイストではなく、その現地の人に合わせてメニューを変えているのが「吉野家」の特徴のような気がする。
新メニューに「うどん」登場!しかし、その「うどん」の扱いは斬新
普段さほど「吉野家」を食べない筆者だが、新メニューに「Japanese UDON Noodles」が誕生したとのことで、気になり吉野家で購入してみることに!
店舗にも「NEW!Japanese UDON Noodles」と大きなポスターが張られており、写真を見る限り「焼きうどん」のように思えたが、現在一押しのよう。
オーダー方法は、まずレギュラーかラージかコンボかどのサイズにするか選び、その後、どの具材(牛、豚、スイートチリシュリンプなど)にするか選択。そして、具材を乗せるベース(米、玄米)を選ぶのだが、そのベースの中に「うどん」の選択肢がある。要するに、「焼きうどん」の上に牛丼の具材を乗せるカタチになる。
日本人にとって、「うどん」はそれ1つで十分なメニューになる。
「うどん」の上に牛丼の具材を乗せるという感覚は考えつかず、少しカルチャーショックを受けたが、試しに具材を「牛肉」、ベースを「玄米とうどんのハーフ&ハーフ」にした、名もなき丼をオーダーしてみた。(ベースをうどんにする場合は+$1になる)
「うどん」の味は・・・。
「焼うどん」の具材に牛肉が入ることはあるが、「どんぶり」の米の代わりに「うどん」を敷くトッピング方法は「アメリカ」を感じる。
新登場の「うどん」の味は、日本でいう「焼きうどん」。ちょっと麺が柔らかめだが、コレはコレであり。ただし、牛丼の具材はやはり米と一緒に食べてこそおいしい!と私は思う。
「うどん」はサイドメニューとして別にオーダーすることも可能。よって、「丼」には米。「焼きうどん」はサイドオーダーにするのがよいように思える。
値段は日本より高め!ただし量は多い
日本の吉野家の並盛レギュラー牛丼は388円。それに対して、アメリカのレギュラー牛丼は$7.59と日本に比べて高い。しかし、物価の上昇が著しいアメリカでは、ランチを$10以内で買える場所が少なくなってきており、$10以内で食べられるのは、アメリカでは手ごろの値段と言える。
ただし、日本のように「ねぎ」「たまご」「チーズ」などのトッピングや、みそ汁やビールなどのメニューはない。「イートイン」するよりも「持ち帰り」する人が多く、職場や家で食べられることが多い。
アメリカでもイメージカラーはオレンジで、ドライブしているとオレンジ色の吉野家の看板は目立つ。もし、アメリカで「吉野家」を見かけたら、日本の「吉野家」と思わず、「アメリカで食べる日本食ファーストフード店」と思って、日本にないちょっと変わったメニューを頼んでみると面白いだろう。
文/舟津カナ
編集/inox.