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待望の24-120mmがZマウントに登場!超広角ズームレンズ「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」と「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」を携えて春を探しに出かけてみた

2022.04.01

■連載/ゴン川野の阿佐ヶ谷レンズ研究所

広角から望遠までF4通しでカバーする

レンズ交換不要で焦点距離を無段階に変更できるのがズームレンズのメリット。それを考えるとズーム比は大きく、開放絞り値は明るくて一定の方が使いやすい。しかし、希望通りにするとレンズは大きくて重くなってしまう。もちろん高額にもなり、三重苦である。理想と現実をどうバランスさせるかがメーカーの腕の見せ所だ。

NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」は広角24mmから望遠120mmまでの5倍ズームでありながら、開放絞り値をF4に抑えて、重量約630gを実現した使いやすい標準ズームである。高画質な「S-Line」シリーズということで注目度も高まる。これに超広角ズームの「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」を加えた。世界最短、最軽量を誇る14mmから超広角が使え、重量は約650gしかない。単焦点でも超広角は20mmまでしかないため、Zマウントで明るい超広角が欲しい人は14-24mmの一択になる。カメラボディはNikon「Z7 II」を使用した。作例撮影は写真家、小平尚典氏と共におこなっている。

全長118mm、フィルター径77mmと大きめなレンズだが持ってみると意外に軽く感じられた

望遠端の120mmにするとレンズ先端がかなり伸びるがバランスは良好だった

独立したコントロールリングとフォーカスリング、L-Fnボタンを装備している

満開になったソメイヨシノを見つけた、24mmで枝ぶり全体を収めた
Nikon Z7 II NIKKOR Z 24-120mm f/4 S 1/125sec、F7.1、ISO64

120mmで寄ると満開の花びらの様子が見えてきた
Nikon Z7 II NIKKOR Z 24-120mm f/4 S 1/400sec、F4、ISO64

絞り開放で120mmまでズーミングすると背景はしっかりボケてくれる
Nikon Z7 II NIKKOR Z 24-120mm f/4 S 1/500sec、F4+0.67、ISO64

120mmでの近接撮影、最短撮影距離は35cmで撮影倍率は0.39倍と使いやすい
Nikon Z7 II NIKKOR Z 24-120mm f/4 S 1/125sec、F4、ISO100

最強の超広角「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」

14mmから24mmの2倍ズームで開放絞り値F2.8の通しという高級ズームレンズのため価格も約30万円。14-30mmがあるのにあえて製品化されただけあり、超広角側での四隅の解像度の高さや、逆光耐性の強さが光るレンズ。作りも非常にしっかりしており金属感満載、ズームリングの抵抗感もいい。フィルターを使うために2種類のフードが付属する。

堂々とした超広角ズーム、重量約650gでバランス的にはフロントヘビーに感じられた

付属のバヨネットフード HB-97を装着すると112mmのフィルターが使える

HB-97にはフィルター用のネジが切られている。このフードによりレンズはかなり巨大化する

絞り値、撮影距離、被写界深度が見られる情報パネル。ここにコストを掛ける必要があるのだろうか

広角端14mmで撮影。広々とした空が公園の広さを強調してくれた
Nikon Z7 II NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S 1/400sec、F5.6、ISO64

望遠端24mmが標準レンズに思える程、14mmは広い範囲を写してくれる
Nikon Z7 II NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S 1/320sec、F5.6、ISO64

空に向かってさまざまな木々が伸びている。超広角ならではの構図だ
Nikon Z7 II NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S 1/1000sec、F5、ISO64

太陽が直接写り込む逆光でもフレアはほとんど出ない、光芒の形も美しい
Nikon Z7 II NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S 1/800sec、F20、ISO1000

最短撮影距離は28cmで被写体に接近すれば背景はボケてくれる
Nikon Z7 II NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S 1/60sec、F5.6、ISO64

KANIのCPLとSoft GND 0.9 100×150mmを使う

「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」のフィルター径は77mmなので、ステップアップリングを使ってKANI「Premium CPL HT100-82」という円偏光フィルターを装着した。フィルター径は82mm、このサイズを使う事で同社の100mmフィルターフォルダーが使用可能になる。フィルターフォルダーには100×150mmの角型フィルターが差し込め、多彩なフィルターテクニックが駆使できるようになるのだ。

今回、使用したのは「Premium Soft GND 0.9 100×150mm」である。ソフトグラデーションのNDフィルターで夕焼けや朝焼けなどで太陽光が強すぎる場合に画面の半分だけを減光できる。雲をクッキリ見せたい時にも有効である。さらにKANIには「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」に95mmのフィルターを直接取り付けられる「95mm Extension ring」がありハイコスパでフィルターを活用できる。

77mmを82mmに変換するステップアップリングで「Premium CPL HT100-82」を装着

さらに角型フィルターを使うためのフィルターフォルダーを重ねて装着

フォルダーにはCPLフィルターを回転させるダイヤルがあり、操作性が格段に向上する

フォルダーに差し込むのは「Premium Soft GND 0.9 100×150mm」である

このようにセンターから端に向けて段階的にNDがかかっていく

フィルターなしで空を入れて20mmで撮影、空気が澄んで雲もクッキリ見える
Nikon Z7 II NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S 1/800sec、F5、ISO64

CPLフィルターを使うと空の色が一段と深くなり雲に立体感が出て、木々の枝の色が濃くなった
Nikon Z7 II NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S 1/640sec、F5、ISO64

CPLを使ってビルに写る雲の反射を取り除いた。ガラス越しにビル内部照明が見える
Nikon Z7 II NIKKOR Z 24-120mm f/4 S 1/400sec、F6.3、ISO200

CPLを回転させ偏光の効きを弱めると雲の反射が見えてきた、こちらの方が良さそうだ
Nikon Z7 II NIKKOR Z 24-120mm f/4 S 1/1250sec、F6.3、ISO200

さらに角型のGNDを入れて右半分の雲を濃くすると不安な感じが強調された
Nikon Z7 II NIKKOR Z 24-120mm f/4 S 1/800sec、F6.3、ISO200

写真・文/ゴン川野

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