自宅でどれくらいの人が植物を育てているのか?、育てている植物は? そんな、自宅での植物育成についてのあれこれがわかる「園芸・花や緑のある生活に関する意識調査」が発表された。
この調査は、プラネットによる調査企画をもとに、ネオマーケティングが実施したもので、調査期間は2022年2月14日~17日で、調査方法はインターネット、調査回答者数は4,000人となる。
男女ともに年齢が上がるほど「好き」の割合が高い傾向
まず、「あなたは花や緑が好きですか」という質問に対して、「好き」と回答した人は37.2%、「やや好き」は24.1%、「ふつう」は31.3%、「あまり好きではない」は4.0%、「好きではない」は3.5%。男女ともに年齢が上がるほど「好き」という人の割合が高い傾向にあり、「男性・70代以上」「女性・60代」「女性・70代以上」は「好き」の割合が50%を超えている。
また、自宅に庭、ベランダ・バルコニーがあるかどうかを聞き、自宅にある設備と花や緑が好きかどうかの相関を調べてみたところ、「庭がある」人と「ベランダ・バルコニーがある」人との間にはほとんど差がないことがわかった。一方、「庭・ベランダ・バルコニーはない」という人は、全体の割合と比べて、「好き」と回答した人は約20ポイント低く、「好きではない」と回答した人は7ポイント以上高くなっている。
じつは植物を育てているのは男性のほうが多い
「あなたは自宅で植物を育てていますか。育てている場合、その種類を教えてください」という質問では、育てているもののトップ3は「花」(30.3%)、「観葉植物(屋内)」(27.6%)、「樹木」(26.6%)という結果に。
「育てたことがない」という人は26.6%、「育てていたがやめた」人が15.4%で、残りの約58%の人たちは、現在、なんらかの植物を育てているということになるが、興味深いのは多くの項目で女性より男性の割合が高くなっていること。
トップ3のなかでは、「花」は男性が4.0ポイント、「樹木」は8.1ポイント高くなっていて、4位の「家庭菜園(庭)」も男性が6.6ポイント高い。一方、「観葉植物(屋内)」については女性のほうが4.2ポイント高くなっており、特に「女性・70代以上」については51.3%と、ほかの世代と比べて10ポイント以上の差があった。
コロナ禍以降に「初めて育てた」「再開した」が2割
自宅での生活に花や緑をとり入れた時期については、最も割合が高かったのは「コロナ禍以前(2020年2月以前)から続けている」(51.4%)。また、「コロナ禍(2020年3月)以降に初めて育てた」という人が9.7%、「中断していたが、コロナ禍(2020年3月)以降に再開した」という人が12.3%。
この2年で「初めて育てた」「再開した」人を合計すると2割を超えている。
自宅にある設備を合わせて見ると、「庭・ベランダ・バルコニーはない」人は、「育て始めるつもりはない」と回答した割合が49.8%(全体:23.4%)と非常に高く、「コロナ禍以前(2020年2月以前)から続けている」人の割合は15.8%(全体:51.4%)とかなり低い。その裏返しか、「コロナ禍(2020年3月)以降に初めて育てた」「中断していたが、コロナ禍(2020年3月)以降に再開した」という割合は全体と比べて、多少高くなっている。
花や緑をとり入れるかは本人の好みで決まる
自宅での生活に花や緑をとり入れた理由は(図表7)、「花や緑が好きだから」(37.6%)、「花や緑が美しいから」(37.1%)、「リラックスしたい、癒されたいから」(31.5%)、「季節の変化を感じたいから」(26.7%)、「心豊かな暮らしをしたいから」(23.7%)、「植物を育てるのが好きだから」(22.1%)、「野菜や果物を自分で育てて食べたかったから」(21.6%)が上位にあがった。
それらと比べると、「以前から自宅に生えているから」(13.2%)、「親や家族がやっていたから」(12.4%)、「人からもらったから」(9.6%)というように、人や環境の影響でとり入れた人は低い割合になっている。生活に花や緑をとり入れるかどうかは、本人の嗜好や意向が何よりも強く、周りからの影響や、人に見せたいという気持ちがきっかけになることはあまりないようだ。
植物「向いてない」と感じるのは女性のほうが多い?
現在、花や緑を育てていない人に対して、育てていない理由、育てるのをやめた理由を聞いたところ、「庭がない/なくなったから」(14.0%)、「部屋に置くスペースがない/なくなかったから」(14.0%)と回答した人の割合は比較的低く、空間的な制約で育てるのを断念している人はあまり多くないことがわかった。
理由の1位は「世話が大変だから/大変だったから」(29.3%)、2位が「知識がない/なかったから」(29.2%)という結果に。男女を比較したとき、最もポイント差があったのは「虫が嫌いだから」(男性:13.2%、女性:26.1%)。そのほか、「土をさわるのが嫌だから」(男性:8.3%、女性:15.6%)、「自分に向いていないから」(男性:19.4%、女性:29.4%)、「枯らしてしまったから」(男性:14.1%、女性:21.3%)という項目でも女性が男性を上回っている。
花や緑を育てている人を見て、どう感じる?
「あなたが花や緑を購入した場所を教えてください」という質問では、圧倒的に多かったのが「ホームセンター」(69.6%)だった。「人からもらった」という人も20.6%いるが、「花や緑を採り入れた理由」(図表7)においては、「人からもらった」と回答していた人は9.6%と低い数値だった。
また、花や緑を育てている人に対してどのような印象を持つかを聞いたところ、1位が「いい趣味だと思う」(53.8%)、2位が「優しい人だと思う」(37.5%)だった。「几帳面だと思う」(18.2%)、「おしゃれだと思う」(14.2%)「真面目だと思う」(12.5%)と感じる人もそれなりにいるため、花や緑を育てることは相手にとってポジティブな印象を与える効果があると言える。
好きだからこそ、枯らしてしまうとショックが大きい
最後に、花や緑について思うこと、感じていること、栽培していて困ったことや悩んだことを自由回答で聞いたところ、「花が好き」「部屋に緑があると癒やされる」というポジティブな声が多く寄せられた。
ただ、花や緑が好きで、実際に育てている人から「水やりが難しい」「どうしても枯らしてしまう」という声も。インターネットで栽培方法など、植物に関する情報を手に入れやすくなったものの、環境の違いからか、うまくいかず悩んでいる人もいるようだ。
そのほか、外で栽培していて、落ち葉や虫など、近所に迷惑をかけないように気を遣っている人もいれば、逆に近所の人に迷惑をかけられたので、いい印象を持っていないという声もあがった。
関連情報
https://www.planet-van.co.jp/
構成/立原尚子