新型コロナと共存するアメリカの現状
アメリカのハワイ州で3月25日マスクの着用義務化が解除。
これにより、アメリカのすべての州でマスクの義務化がなくなった。しかし、オミクロン株のピークは過ぎたものの、毎日40,000人以上の陽性反応があるアメリカの現在の様子を現地ロサンゼルスよりレポートする。
ロサンゼルスのコロナ禍の現状は?
アメリカは州により法案が異なり、それぞれの州でマスク義務のルールは異なるが、筆者が住むロサンゼルスでは、3月4日より室内のマスク義務化を解除。これにより、レストラン、カフェ、バー、映画館、オフィス、イベントなど室内でのマスク着用の義務がなくなった。
ただし、バスや飛行機などの公共機関、ヘルスケア施設などではマスクの着用は必要。また、「義務化」はなくなるが、店やレストランそれぞれが、室内に入る際のマスクルールを定めている。
「コロナ禍が落ち着き始めた」ということでのマスク義務化の解除だったが、現在でもロサンゼルスだけで、1日800人以上感染、亡くなっている人もまだ20人以上いる。ただし、ワクチン接種が進み、1回以上のワクチン接種率が79%、フルワクチン接種率が71%。65歳以上のシニアのフルワクチン接種率は90%になっている。ただし、3回目の接種は36%となかなか進んでいないのが現状だ。(データ3月24日現在)
アメリカの新型コロナとの付き合い方は日本とは違う
日本と異なり、アメリカは個人主義のところがあり、「人に何か言われるので外出するのをやめよう」という感覚を持つ人は少ない。よって、マスク義務化の期間も、「とことん外出しない人」と「感染を気にせず日常生活を送る人」の2タイプに分かれており、「自分がどうしたいか?」を優先して行動。
私の知り合いにも2年間ほとんど外出していない人もいれば、旅行にもキャンプにもガンガン出かけている人もおり、コロナでもライフスタイルはそれぞれ。それに対してルールを守っていれば他人が何か言うわけでもなく、「Withコロナ」をそれぞれどう捉えるかの違いのように思える。
それはマスク義務化がなくなった現在でも同様で、「感染を防ぐためにマスクをする人」と「感染を気にしないからマスクをしない人」で分かれ、マスクは感染防御策として捉え、「感染をさせないためのマスク」という感覚を持っている人が少ないように思える。
マスク義務化が解除後の町の様子
マスク義務化解除後、次の日アメリカのメジャーなスーパーに行ったが、「Face Mask Required」のサインは無くなり、働いているスタッフもマスクをしていない人もいた。来客者も同様でマスクをしている人もいれば、していない人もおり、その割合は半々ほど。
ただし、日系のスーパーでは、ほとんどの人がまだマスクを着用していた。マスク文化が進む日本人にとって、マスク着用はさほど苦ではないのかもしれないが、やはりマスク着用に免疫がなかったアメリカ人にとってはやはり馴染みにくく、「着けなくてよいのなら、着けない」と思う人は多いようだ。
マスク義務化解除から3週間たった現在では、ほとんどのスーパーではマスクなしで入店可能。ただし、スーパー以外の場所は店によっては入口に「Face Mask Required」のサインを残しているところもあり、その場合はその店のルールに従わなければならない。
また、エリアによりマスクに対しての反応は異なり、ロサンゼルスより少し南のディズニーランドがあるオレンジカウンティでは、コロナピーク時もマスク着用に拒否反応を持つ人が多く、アメリカでもエリアにより自主的にマスクを着用している人の割合は異なる。
まだマスクを持ち歩く必要はあるが…
マスク義務化がなくなったといっても、マスク着用を求めている場所もあるため、まだマスクを手放すことはできないが、アメリカのニュースはコロナ関連の情報を流すことが少なくなっており、「新型コロナとの共存」に向けて進んでいる。
全米一渋滞する町として有名なロサンゼルスだが、コロナピーク時は渋滞がなくなり、車が少なくなったおかげで空気が澄んでいた。だが、今はコロナ前と同様のヘビートラフィックの街に戻った。
なかなか出かけられない期間が続いたせいか、私の周りでも旅行計画の話をしている人が多くなり、徐々にコロナ前の生活に戻りつつある。まだ、油断ができない状態なのはよくわかるが、陽気な土地柄のロサンゼルス。「新型コロナ」に対しての脅威が少なくなってきていることを日に日に感じる。
文/舟津カナ
編集/inox.