ホロライブゲーマーズとして活動する猫系VTuber、猫又おかゆさん。彼女がゲームにのめり込むようになったきっかけをはじめ、思い出に残っている配信やオススメの動画など、本誌では収まりきらなかった『猫又おかゆ』の魅力を、特別ロングバージョンで存分に語ってもらいました!
『スーパーマリオ』で知った、ゲームをやりこむ楽しさ
ホロライブが誇る人気VTuberの猫又おかゆさんは、2019年4月よりホロライブゲーマーズとして活動を開始。彼女の強みは“自然体”であることだと自身について語る。
「ホロライブには元気な子が多い中、僕はゆるい雰囲気で配信をしているので、気軽に見てもらえるのだと思っています。あとは……イタズラ好きかも(笑)。好きな女の子にちょっかいを出す小学生の男の子のような気持ちで、人をイジってしまいますね」
筋金入りのゲーマーである猫又さん。ゲーム好きの家族のもとで、幼少期からゲームに慣れ親しむ環境で育っていった。
「『もっとゲームが上手くなりたい!』って思うようになったきっかけは、高校猫のときに動画サイトで観た『スーパーマリオ64』のタイムアタック動画。世界にはこんな上手い人がいるんだと衝撃を受けました。自分はそれなりにゲームがうまい部類だと思っていたのですが、井の中の蛙だということを思い知らされました」
身の丈を知ることになった猫又さんだが、そこから彼女はなんとタイムアタックへの挑戦を自分でも始めたという。
「この人たちがやっているスーパープレイって、もしかして自分でもできるんじゃないかな? って思ったんですよね。“地元最強”がどれだけ世界に通用するのかを試したかった。結果は流石に敵うものではありませんでしたが、上達する楽しさを知りました」
現在では、配信活動の8割以上をゲーム実況に費やしている。猫又さんがこれまで行なってきたゲーム実況で一番思い出に残っているのは『スーパードンキーコング2』の実況配信だ。
「スーパーファミコンから3部作で出ているシリーズの2作目なのですが、やりごたえのある難易度やBGMなど、一番好きなタイトルです。隠し要素も含めてフルコンプリートを目指すのが好きで、隅々まで遊んで、このゲームのことを全て知っているという気分に浸りたい。それが思い出になるし、このゲーム好きだなって思えるきっかけになります」
猫又さんにとって、ゲーム実況の魅力はなんだろうか。
「視聴者と感情や思い出を共有できることです。ゲームって、そもそも一人で遊んで楽しいものですが、配信しながら遊ぶことで、ゲームのおもしろさや、プレイ中に偶然起こる奇跡のような瞬間をリアルタイムでみんなと分かち合うことができます。見ている人がプレイ済みであっても、配信者が初プレイであれば、間接的に初めて遊んだときの思い出を追体験できます。そんなふうに観てくれる人がいるからこそ、お互いに二重三重に面白さを感じられる。その感覚を何年経っても大事にしたいです」
今注目しているタイトルは『ライブ・ア・ライブ』だと語る。
「1994年にスーパーファミコンで発売されたタイトルで、僕もプレイ済みなのですが、実はまだ配信ではプレイできていません。リメイク版が7月に発売されるのでとても楽しみです!」
『【スーパードンキーコング2】無限ロストワールド編 開幕🍌【猫又おかゆ/ホロライブ】』より。全ての収集アイテムを回収し、裏面の最終ボスを撃破。クリア率102%で完全クリアを達成した。
ホロライブだからこそ、自分らしさを表現できる
ゲーム実況配信がほとんどの猫又さんだが、ゲーム実況以外でも思い出に残っている配信があるそうだ。
「2021年6月に配信した『おかゆの梅雨ライブ』という3Dの音楽ライブイベントです。普通は誕生日のような記念日に3Dライブを行なうことが多いのですが、自分の誕生日とは関係ない、6月の何気ない日に開催しました。雨が降っているステージで、僕が長靴を履いて、傘を差しながら歌うというライブでしたが、とても楽しかったです」
雨の中で歌うというコンセプトをはじめ、曲順や演出など全てを猫又さんがプロデュースしたそうだ。こうした企画はホロライブだからこそできたと彼女は語る。
「アイドル事務所なので、きらびやかで明るい歌が多いのですが、僕自身はダークな雰囲気のものやかっこいい歌が好きなんですよね。そういう楽曲をライブで歌うにはどうしたらいいかと考えたときに、雨が降っていて少し暗い雰囲気のステージならバッチリハマるんじゃないかと思ったのがきっかけです」
猫又さんが普段聴く音楽も、落ち着いた曲調のものが多い。
「チルアウト系やローファイ系をよく聴くのですが、一番聴くのはボーカロイドの歌ですね。好きなボカロPは、僕のオリジナル曲『もぐもぐYUMMY!』の楽曲を作ってくれたピノキオピーさん。最近だと『ノンブレス・オブリージュ』が好きですね。喉元まで出ているのに言葉にできない、そんな感情を上手く韻を踏みながら面白く言語化するのがすごく上手です。その上、メロディもとても美しい。大好きなボカロPです」
猫又さんの今の悩みは「言葉のプロレス」ができる人がいないことだという。
「イタズラ好きだと言いましたが、それに対してやり返してくる人がいないのが悩みです。リスナーやホロライブのメンバーとプロレスするような配信がしたいなあ。僕のことを“わからせてくれる”人、絶賛募集中です!」
猫又おかゆチョイス!最初に観るならこの動画!
【3DLIVE】🌧今宵はきっと雨が降る🌧【#おかゆの梅雨ライブ】
YOASOBIのコンポーザー・Ayaseさんが作詞作曲したボカロ曲『ラストリゾート』を含む全8曲を雨の中歌いきった。
【地獄】SMOKなりきり❤トーク ~俺があいつであいつが俺で~【 #SMOK /ホロライブ】
普段から仲がよく、頻繁にコラボ企画配信を行なっている『大空スバル』『大神ミオ』『猫又おかゆ』『戌神ころね』。4人の名前の頭文字をとって名付けられたユニット『SMOK』の企画配信。
「4人それぞれが別の人に乗り移るという設定で、その人になりきってトークや質問に答えていく企画です。僕の特技はホロライブメンバーの特徴を真似することなんですが、それがよく出ていて面白いと思います。そして僕が好きなホロライブを好きになってほしいので、各メンバーの特徴や魅力がよく出た配信を選びました!」
DIME最新号では、ほかのVTuberについても大特集!
Amazon、楽天ブックスは完売しました。お近くの書店、コンビニでお買い求め下さい。
取材・文/桑元康平(すいのこ)
1990年、鹿児島県生まれ。プロゲーマー。鹿児島大学大学院で焼酎製造学を専攻。卒業後、大手焼酎メーカー勤務を経て2019年5月より、eスポーツのイベント運営等を行うウェルプレイド(現ウェルプレイド・ライゼスト)のスポンサードを受け「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズのプロ選手として活動開始。代表作に『eスポーツ選手はなぜ勉強ができるのか』(小学館新書)。