「豚みたい」は揶揄ではなく、むしろ褒め言葉だった?
いきなり他人から「あなたのカラダは豚みたい」と言われたら、大概の人は不快感を露わにするか、怒り出すかのどちらかではないだろうか。
それだけ豚には〝太っている〟マイナスイメージがあるが、実は野生の豚の体脂肪率は13%前後。食用に太らせた豚でも14~18%といわれており、女性は20~29%、男性は10~19%という人編の体脂肪率標準値と比較しても、豚のほうがずっと低い。
つまり、「豚みたい」は揶揄ではなく、むしろ褒め言葉と考えるべきなのかもしれない。
では他の動物はどうなのか。ダイエットや美容のニュースサイト、microdiet.netに関連リポートが掲載されているので概要を紹介したい。
チーター 体脂肪率4~5%。
動物界トップクラスの体脂肪率の低さ。最高時速110kmで走ることができるチーターは、脂肪が少なく筋肉が多い動物で、そして筋肉の中でも特に短距離に使われる「速筋」が筋肉の70%を占めている。
馬(競走馬) 体脂肪率5~8%
トレーニングを積んだ見るからに筋肉質な競走馬の体脂肪率は、約5~8%だと言われている。トレーニング開始前でも15%前後ゆえ、元来人間よりも体脂肪率の低い動物だと言えそうだ。
鳥 体脂肪率5%
鳥類の体脂肪率は5%前後と、哺乳類に比べかなり脂肪が少ない。食用の鶏の場合もほぼ同じだが、もちろん部位によって脂肪のパーセンテージは大きく異なり、もも肉・皮つき13%、皮なし3.9%。ダイエットの定番である胸肉は、皮つき5.9%、皮なし1.9%。ささみに至ってはなんと0.8%という驚異の低さ。ダイエット中に鶏肉を食べる際は、脂肪の多い皮を取り除くのが基本。
犬・猫 体脂肪率15~24%前後
犬・猫の理想的な体脂肪率は15~24%。肋骨はわずかな脂肪に覆われて、触れることができる程度が適正。どちらも25~34%が肥満予備軍、35%以上が肥満とされている。
飼い犬や飼い猫が可愛くて、ねだられるとついおやつや人間の食べ物を与えてしまうことがあるが、肥満の原因になってしまうので気をつけたい。
牛 体脂肪率 30%
黒毛和牛は約30%前後と言われており、人間に比べてやや高め。黒毛和牛の部位別では、バラ50%、サーロイン41.8%、ヒレ16.7%、もも7.9%、肩ロース31.7%。黒毛和牛と比較すると、アメリカ産やオーストラリア産のほうが全般的に低脂肪といわれている。
アザラシ 体脂肪率50%
多くの生き物の中でも非常に体脂肪率が高いのがアザラシ。寒さから身を守るために脂肪がたっぷりと蓄えられているのだ。極寒の北極に暮らすホッキョクグマも体脂肪率35~50%と、体を寒さから守るために分厚い脂肪に覆われている。
ちなみに体脂肪というのは「白色脂肪細胞」のことを指し、全身に存在している。特に多いのが下腹部、お尻、太もも、背 中、腕の上部、内臓の回りなど。
動物は住む環境やライフスタイルによって、体脂肪率の適正値がそれぞれ異なっている。人間の場合、一般的に食べるものを確保できないというリスクがないので、アザラシのように大量に脂肪を溜め込む必要はない。それよりも体脂肪率が適正範囲に収まるように、食事量や運動量を調整する必要がある。
食事の内容・量を適正にすることと並行し、有酸素運動を行うことで体脂肪を燃焼させたい。