こう蒸し暑いとジトっとした汗をかきがちだが、実は汗をかくことでかかる病気があることをご存知だろうか?
その名も『癜風(でんぷう)』。
聞き覚えのない人がほとんどだろう。
しかし、誰しも一度は見たことがあると言っても過言ではない。
銭湯などで、体に白、または茶色いシミのような斑点ができている人は見たことはないだろうか?
実はあれはシミでも、先天性のものでもなく、病気!
若年層もかかりやすいという『癜風』の実態を、ノアージュの特別顧問・今泉明子先生に聞いてきた。
代謝の良い若い人ほどかかりやすい癜風
今泉「上の写真を見てもらうと分かる通り、なんだか大きなシミや色素沈着のようになるのが、癜風の特徴です。
この原因は、水虫と同じカビ。
マラセチア・フルフルという真菌が引き起こしています。
フルフルを英語で書くとFURFURなので、皮膚科医の間では、「ファーファ」なんて呼んでいますが、可愛い名前に反して結構面倒な病気です。」
なぜなら、人にうつるから!
今泉「癜風は、痛くもかゆくもないので、背中にできるとほとんど気づかない。
もし癜風にかかっている彼氏のTシャツを彼女が着たら……。
ね、厄介でしょう。
原因としては、汗をかく夏の時期に同じTシャツやパジャマを着たまま寝ていたりするとかかりやすいです。
あと、学生に多いのは、剣道着や柔道着、ユニフォームなど、頻繁に洗えず着まわしているものを着用しているとかかりやすいですね。
汗をかいて蒸れたところから自然発生する病気なので、清潔にすることぐらいしか防ぐ手段がありません。
そもそもマラセチアフルフルは、人類の皮膚に常に存在している常在菌の一種です。
汗や皮脂が大好きで、脂っぽいところに多く存在します。
頭に存在すれば、フケの原因のひとつとも言われていますね。
基本的には弱い真菌なのですが、一度、癜風にかかってしまうと、治すのには一苦労です。」
一筋縄ではいかない癜風の治療
今泉「基本的には飲み薬じゃなく、塗り薬が処方されます。
でも、早く直したい人は、抗真菌剤という飲みぐすりもありますね。
ただし、肝臓に負担がかかるので、処方には血液検査が必要です。
塗り薬は血液検査は必要ないので、その分手軽かもしれないですね。
ただし、最低でも半年は塗り続けないと完治しません。
これも水虫と一緒ですね。「もしかしたら癜風かも?」と思ったら、彼女に移す前に!
すぐ皮膚科医に相談するようにしてくださいね。」
今泉スキンクリニック院長
今泉明子 先生
医学博士・皮膚科専門医。シワの注入治療の認定指導医を務めるなど、肌のスペシャリストとして活躍、患者の40%が男性という美肌男子の駆け込みドクター。https://imaizumisc.or.jp