入浴剤代わりに日本酒やワインを使うと、高い美容効果が生まれるのはよく知られていることだ。いわゆる「酒風呂」である。もちろん、日本酒やワイン以外の酒を使ってもいい。どうやら、アルコール類は全般使えるようなのだ。
ならば、「焼酎」はどうだろうか。安価で手に入りやすい焼酎ならば、かなり手軽な入浴剤代わりになってくれるだろう。だが、果たして焼酎は肌にいいのか? 美容に効果的なのか? 今回は「焼酎風呂」の効能についてじっくりと探ってみたいと思う。
■焼酎風呂を楽しむ方法
焼酎風呂を楽しむ方法はいたって簡単。コップ1〜2杯分の焼酎を風呂に入れれば準備はOK。あとはゆっくり浸かって体を温めれば良い。
その主な効能として、代表的なのは美肌。焼酎が作られる際にできる醪(もろみ)は、肌を整える効果があると言われている。メラニンの生産を抑制する作用、肌の角質細胞を覆う膜を形成する作用、メラニンによる色素沈着を抑制する作用など、アンチエイジング対策にも対応している。
さらに、アルコール成分には冷え症対策効果がバッチリ。酒に含まれるアルコールが血管を拡張して、血流がよくなることで温まり、冷えを予防してくれるのだ。
ただ、ここでふと気になったことがある。それは、焼酎は原料が無数にあるということ。もしや、それによって効能が違うこともあるのでは?
それに明らかに日本酒やワインよりもクセの強い匂いについても気になるところ……。せっかくなので自宅に眠っていた4種類の焼酎を使って、その入り心地を体感してみたいと思う。
■実践! 焼酎風呂
まずは、もっともクセがないと言われる麦焼酎を試してみた。匂いがきつくないため、風呂に入れても特に違和感はなく、入浴剤として使いやすそうだ。
さらに麦焼酎には、体内の血栓を溶かして動脈硬化を防ぐウロキナーゼがたっぷり含まれているという。血液サラサラ効果が高いため、美容もさることながら健康にもかなり良さそうだ。
芋焼酎には、アントシアニンという抗酸化作用や美白効果で知られるポリフェノールの一種が含まれている。常用すれば絶大なアンチエイジング効果が生まれるのではなかろうか。
しかし、実際に入ってみると匂いがどうしても難点に。濃厚な芋臭は、芋焼酎が苦手であれば間違いなくNGだろう。大の芋焼酎好きにしか勧めづらい。
泡盛の材料である黒麹には、カフェー酸というポリフェノールの一種が含まれている。強いリラックス効果を生む成分なので、精神的に疲れている時にぴったりではなかろうか。匂いも想像していたよりあまりキツくなく、ゆっくりと湯に浸かるには最適。
ちなみにアルコール度数が高いため、他の焼酎よりも殺菌浄化作用が強いらしい。ニキビ肌に悩む人にもぜひオススメしたい。
そば焼酎は、風呂に入れるとほのかに漂うそばの香りが新鮮。もしかしたら今回試した中では一番親しみやすい匂いかもしれない。
そば焼酎は、原料のそばに生活習慣病を予防するルチンという成分が含まれているため、糖尿病や肝疾患の予防にも成り得るらしい。ただ、そばはアレルゲンでもあるため、そばアレルギーの人が使う風呂に入れるのは避けた方がいいだろう。
焼酎風呂には、美肌効果やリラックス効果だけでなく、アンチエイジングや殺菌作用など、入浴剤を凌駕するほどの嬉しい効果がたくさん。今回紹介した4種類以外の焼酎でも、それぞれ特有の効能が期待できるという。ぜひさまざまな焼酎風呂を楽しんでいただきたい。
(※文中の効果・効能は個人の感想です)
文:東てるお