100均プラバンの意外な活用法?インテリアにもなる “昆虫標本” の作り方
子供の室内遊びとして根強い人気のプラバンですが、近頃は大人のDIYやクラフトアイテムとして注目を集めています。
そこで今回は、SNSで話題のプラバンDIYをご紹介。100均で手に入る印刷用(インクジェット用)プラバンを使ったおしゃれなインテリア昆虫標本の作り方をまとめました。
100均で手に入る印刷用(インクジェット用)プラバンとは?
プラバンは「薄く伸ばしたプラスチックの板」のこと。トースターなどで加熱することで加工して、簡単にオリジナル作品を作ることができるアイテムです。
子供の遊び以外にもDIYやプラモデル作り、アクセサリー作りなどに活用できるため、実は大人になってからハマる人も多いんです。近頃はダイソーやセリア、キャンドゥなどの大手100均でも販売されていて、その手軽さからSNSを中心にじわじわブームになりつつあります。
【100均で買えるプラバンの主な種類】
- A4サイズ(白・透明・半透明)
- B5サイズ(白・透明・半透明)
- フロストタイプ(色鉛筆着色可)
- 蓄光タイプ
- 印刷用(インクジェット用)
- 初心者用工作キット など
最近のプラバンは大きさ・色・種類のラインナップが豊富なので、用途に合わせて選ぶことができて楽しいです。
(筆者が子供の頃は、蓄光や印刷用プラバンなんてありませんでしたし!)
今回紹介するのは印刷用(インクジェット用)プラバンといって、家庭用のインクジェットプリンターに対応しているプラバンのことです。
パソコンからイラストや写真をプリントアウトして使えるので、絵を描いたりデザインをする手間がありません。
100均の印刷用プラバンを使ってインテリア昆虫標本を作ってみた
100均で手に入る印刷用プラバンとコレクションケースなどを使って、インテリア昆虫標本を作っていきます。
【材料】
印刷用(インクジェット用)プラバン インテリアコレクションケース キズ防止フェルトクッション 釘 |
使用した印刷用プラバンは、ダイソーとセリアのもの。筆者が行った店舗では、印刷用プラバンだとダイソーが白、セリアが半透明(フロスト)のものしか売っていませんでした。
(手書き用であれば透明や他の色も販売されていました。)
今回は仕上がりの違いが分かるように、両方を使って作ってみています。
【使用する道具】
アルミホイル クッキングシート 木板やハードカバーの本など固くて平らなもの ハサミ 瞬間接着剤(セロテープでも可) 塗装する場合はペンキや絵の具 |
まっすぐきれいなプラバンを作るために、アルミホイルとクッキングシートは必須です!木板やハードカバーの本が手元にない時はまな板など固くて平らなものであれば代用可能ですよ。
【作り方】
①印刷用プラバンのザラザラした面に昆虫の画像をプリントアウトする
<きれいに作るコツ>
- プラバンの表裏とプリンターの印刷面を間違えない
- プラバンの裏面を確認し、記載されている印刷用紙設定に合わせる
- 印刷直後はインクが乾いていないため、印刷面に触らない
- 必ず1枚ずつ印刷する
今回使用したプラバンの場合、「高速・はやい」や「標準」モード推奨で、「写真用紙」や「高品質」などの設定は非推奨になっていました。特に記載のない場合にも、できるだけ薄めに印刷される設定の方が仕上がりがきれいになるようです。
また、筆者のようにめんどくさがってまとめて印刷しようとてしまうと、排紙トレーで重なり合ってこのような大惨事になるので注意してくださいね…
②印刷面が乾くまで放置する
③完全に乾いたら印刷した画像の形にハサミでカットする
できるだけ画像のキワキワを切っていく方が、完成したときに本物らしくなります。
カットするとこんな感じに。この状態のままでもオブジェのようできれいですね。
プラバンが裂けてしまうので細かい部分は意外と切りにくいのですが、一方方向からだけでなくプラバンを回したり裏表逆にしてちまちま切っていくのがコツです。触覚周りなどは、折れないように少し太めに残してあげてください。
④オーブントースターでプラバンを焼く
いよいよプラバンを焼く作業です!
カットしたプラバンをオーブントースターに入れる前に、予めテーブルのような安定した場所にクッキングシートとプラバンを伸ばす用の木板を用意しておいてください。
くしゃくしゃにしたアルミホイルを平らにならし、その上にプラバンを乗せ、200~210℃程度のトースターに入れます。
温度や加熱時間は使用するプラバンのパッケージに記載があるので、そちらを参考にしてください。
<きれいに作るコツ>
- 必ず1枚ずつ焼く
- トースターは先に温めておく
- 焼いている間は目を離さない
- プラバンがグニャグニャになりはじめてから落ち着くまで取り出さない
我が家のトースターの場合、大体40秒程度焼くとプラバンが縮んでグニャグニャと変形しはじめます。ここで、焦って取り出すと失敗するので絶対にしないでください!
プラバンが縮みはじめてから大体20秒程度はグニャグニャと変形するので、動かなくなるまでそっと見守り、落ち着いたなと思ったら取り出すようにしましょう。
ちなみに、何枚か連続して焼く場合はすでにトースターが温まっているので目安時間よりも早めに縮みはじめます。
※焼き時間や温度はお使いのトースターやプラバンによって違います
⑤縮みきったらプラバンをトースターから取り出し、クッキングシートに挟んだ上から木板などを乗せて手で押し付ける
ここが、仕上がりを左右する重要な工程です!
焼いて縮んだプラバンはトースターから出した瞬間から固まりはじめてしまうので、これをしないとまっすぐ平らなプラバンになりません。できるだけ素早く取り出し、挟み、思いっきり圧迫して伸ばしましょう。
<きれいに作るコツ>
- とにかくスピーディに!プラバンが温かいうちに素早く取り出して伸ばす
- 押し花のように重しを乗せておくのではなく、固くて平らなもの同士で挟んだ状態で力(または体重)を加えて伸ばす
完成したプラバンはこの通り。約1/5程度のサイズに縮みました(縮小率は商品によって違います)。
同じ要領で残りの2枚も焼きましょう。
※トースターから取り出す際はやけどに注意してください
⑥プラバンの裏に瞬間接着剤で釘をつける
瞬間接着剤がなければ裏からセロハンテープで付けても大丈夫です。
⑦インテリアコレクションケースのサイズに合わせてキズ防止フェルトクッションをカットして、底に敷き詰める
瞬間接着剤の乾燥を待っている間、コレクションケースの方を準備します。
クッションは見栄えが良いものならなんでも良いですが、後で釘を刺すため、薄い場合は重ねましょう。
今回はフェルトクッションを2重に重ねて貼っています。
⑧プラバン昆虫の接着剤が乾いたらフェルトクッションに刺して並べ、蓋を閉めたら完成
プラバン昆虫標本の出来上がりです!
もとが本物の写真ということと、光の透け感も手伝ってなかなかリアリティがある仕上がりに。羽の色味や模様が美しい蝶やトンボは、半透明のプラバンを使った方が見栄えが良さそうですね。
ちなみに今回プラバンでDIYしたのは世界で最も美しい蝶のひとつといわれる「ヘレナモルフォ」、世界最大の蝶として有名なアレクサンドラトリバネアゲハの近縁種「ゴライアストリバネアゲハ」、全身が黄緑色の美しいトンボ「アオヤンマ」の昆虫標本です。
さらにこだわるのであれば科目や色で分類してケースを分けたり、本体の下にシールで品種名をラベリングしたりしても面白そう。
アンティーク感を出したい人は、コレクションケースをペイントするのもおすすめです。セリアのケースは無垢材なのでアクリル絵の具やDIY用の塗料などを適当に塗ってもそれっぽくなりますよ!
アンティーク雑貨に混ざって置いてあると、リアルな昆虫標本のように見えなくもない出来栄えではないでしょうか。
なかなか素敵なインテリアアイテムになりました。
壁に掛けてディスプレイしたり
厚みがあるので立てておくだけでもおしゃれです。
印刷用プラバンなら転写やトレース、着色などの作業が必要無いので簡単だし、ハサミやトースターさえ気をつけてあげれば子供と一緒に楽しむこともできそう。少ない材料でできてコスパも良いので、ぜひ色々と試してみてくださいね。
以上、100均の印刷用プラバンで作るインテリア昆虫標本レビューでした。
その他の100均プラバン活用アイデア
印刷用プラバンや、それ以外のプラバンを使って楽しめるその他のDIYアイデアをまとめました。
- プラバン×レジンでキーホルダー
プラバンを補強したいときに便利なのが同じく100均で手に入るUVレジン(またはLEDレジン)液。プラバンを焼いた後にレジンを塗って硬化させれば、ぷっくり感のある丈夫なキーホルダーを作ることができます。
- プラバン×マスキングテープでアクセサリー
好きな形で焼いたプラバンにマステを貼って、上からレジンでコーティングすれば、簡単におしゃれなアクセサリーや小物を作ることができます。絵を描く必要がないのでデザインセンスがなくてもOK、ピアスやヘアゴム、ブローチ、しおりなどアイデア次第で楽しめます。
- 模型用プラバンでプラモデル作り
100均のセリアでは、工作用以外に模型用の本格プラバンも販売されています。工作用のプラバンは厚さ0.2mm程度のものが多いなか、セリアの模型用プラバンは厚さ0.5mmと1mmというしっかりした厚み。「ガンプラ改造に使える!」とモデラー界隈からも注目を集めているのです。
(模型用プラバンは文具や玩具売り場ではなく、DIYや工具系の売り場に置いてあることが多いです!)
- 曲げたプラバンで立体アート
温まったプラバンは柔らかくなり、冷えると固まると前述しましたが、その特性を活かして立体アートや小物を作るアイデアもあります。例えばプラバンで花びらの形を作って着色し、焼いたら固まる前に曲げておきます。それを何枚か重ねてくっつければ、ガラスの造花のような美しい小物を作ることができるんです。
100均のプラバンでDIYを楽しもう
意外と使える100均のプラバン。アイデア次第で色々な楽しみ方ができるので、お家時間の暇つぶしに取り入れてみてはいかがでしょうか?
※商品の取り扱い状況は店舗によって異なります
※印刷用プラバンを使用する際は、プラバンのパッケージに書いてある注意事項とプリンターの使用方法を確認し、内容に沿って使用してください
文/黒岩ヨシコ
編集/inox.