車を選ぶポイントって?気になる車に試乗してみた結果は…【カブガールが行く】
「そうだ、車を買おう!」
──そう思ったのは、昨年のことでした。これまでバイクにしか興味がなかったのですが、いざという時には4輪の乗り物が強い!ということを実感したためです。
どんな車にしようかな?なにをするか、どこへ行くか。やっぱり“あの条件”は譲れないなぁ。……なんて、いろんなことを想像しながら悩む時間って、本当に楽しいですよね!
カブは楽しいけど、時々しんどい
一昨年までは会社員をしていた筆者、高木はるか。
昨年よりライターに転身し、バイクとアウトドアは趣味であると同時に仕事となりました。必然的にツーリングへ出かける機会が増え、幸せな日々を送っています。
しかし時間は有限。2つのタイヤとカブの110㏄(または90㏄)の非力なエンジンでは、現実的に行ける場所が限られてしまいます。季節によっては雪や路面凍結で行けない場所もあります。
だんだん「もっと遠くへ、もっとたくさん、どんな季節であっても走りに行きたい…!」という欲が出てきたのでした。
ふと思い出したのは、昨年の11月に暗峠に出かけた時のこと(https://dime.jp/genre/1260717/)。大阪に滞在した2日間、常に雨が降り続けていました。
暗峠を走る瞬間は、最高に楽しかったのです。壁のようにそびえ立つ坂を走ることで興奮に包まれ、気温や天気なんて関係ない気持ちになりました。
しかし問題は、行き帰りの道。11月にしては気温も低く、ブルブル震えながらスーパーカブを運転し続けたことをよく覚えています。今思えば、よく体調を崩さなかったものです。
例えばあの時のような悪天候の中、それも1日中運転しなければいけなくなった時、体力を消耗しないような環境を整えるべきだと感じました。
つまりバイクを積載するための車、トランポを買おうと決めました。
軽バンってこんなに面白いんだ!
とは言え、はじめは「本当は全部バイクで移動したいのに」という気持ちが勝り、あまり積極的になれませんでした。ターニングポイントになったのは、実家の父の車を借りたことです。
父が乗っているのは、日産のNV100。商用軽バンです。
「あれ?運転が楽しい!?」
アクセルを踏んだ時に聞こえる「ブゥーン!」という荒々しい音、坂道を登る時の意外なほどのトルク感、細い道をクリアする時のハンドルの操作感…。純粋に走る楽しさを味わうことができたような気がしました。
おまけに、小回りが効くのでUターンもラクラク。箱のような形をしているため車のサイズが把握しやすく、すれ違いや駐車も簡単です。
これまでは失礼ながら、商用車の運転はつまらない、といった印象を勝手に持ってしまっていました。
軽バンってこんなに面白いんだ…!食わず嫌いであったことを教えてもらった瞬間でした。
N-VANの魅力と、ひとつだけ譲れなかったこと
自宅に帰り、さっそく前向きに車を検討し始めました。最有力候補は、ホンダのN-VAN。
コロッと可愛らしい形や、フルフラットになる後部座席、車内泊が想定された便利な内装や機能など、これ以上ないほどに充実した車です。おまけにクロスカブとおそろいのモスグリーンのカラーラインナップがあります。
「この車で決まりだ!」
さっそく試乗へ行きました。
乗って驚き。カタログだけではわからなかった魅力がたくさんありました。
後部座席と助手席が簡単に倒れる!床が低いのに天井は高い!積載に使えるフックが8つもある!……すぐにでもカブを積んで旅に出かけられる装備が標準で整っていたのです。おまけに、遠出をする際に便利な運転補助機能もしっかり揃っていました。
しかし、ひとつだけ引っかかることがありました。
それは、バイクを積むためには助手席を潰さなければいけない点。つまりバイクを積載した状態では、夫と一緒に乗ることができないこということでした。
これはN-VANに限った話ではありません。
調べてみたところ、ほとんどの軽バンでは、助手席を残したままバイクを積むことができないとわかりました。
「どうしよう……」
話が平行線になってしまい、着地点を見失いました。
いっそのこと車は買わず、今のままカブだけで頑張ってもいいのかな。──そう思いかけていたある日、ふと目の前を走っている車が目に入りました。
「……そうか、軽トラ!軽トラっていう手があるんだ!!」
文/高木はるか
アウトドア系ライター。つよく、しぶとく、たくましくをモットーにバイクとキャンプしてます。 愛車はversys650、クロスカブ110、スーパーカブ90。
高木はるかの記事は下記のサイトから
https://riding-camping-haruka.com
編集/inox.