コロナ禍で様々な手続きのデジタル化、非接触化が加速している。トッパンフォームズが提供する「AIRPOST(エアポスト)」も、そうしたサービスのひとつ。これまで企業やサービスごとに行なう必要があった面倒な手続きを、オンラインで一元化するプラットフォームを構築し、注目を集めている。その詳細について、スマホを含めた最新テクノロジーに造詣が深い、ライター・太田百合子さんが解説!
大手金融機関や学校法人などで「AIRPOST」の導入が進む
2020年6月30日にスタートして以降、三菱UFJ銀行やJCB、第一フロンティア生命保険、東京海上日動火災保険など、大手金融機関や学校法人、行政機関での採用が進んでいる。有名企業を中心に導入が加速している「AIRPOST」とは一体どんなサービスなのか。詳細を紹介していこう。
面倒な手続きを一元化!「AIRPOST」でできること
現在「AIRPOST」で利用できる手続きは、大きく3つある。例えば、口座振替手続きを行なう際には、以下のようにスマホひとつでスマートに済ませられるのだ。
【できること①/口座振替手続き】
保険料や学費などの支払いを、銀行口座からの自動引き落としにする場合、これまでは企業ごとに個別に手続きする必要があった。筆者も何度も経験があるが、大抵の場合は「口座振替依頼書」のような書類が送られてきて、そこに銀行口座の詳細と届出印を捺印して送り返す。捺印が不鮮明だと差し戻しされるケースもあるし、郵送なので実際に引き落としができるようになるまでにも時間がかかる。実際に1度目の引き落としのタイミングに間に合わず、別途振り込みをした経験も……。口座振替手続きは、とにかく時間がかかって面倒な手続きのひとつなのである。
しかし「AIRPOST」を利用すれば、スマートフォンひとつで簡単に行なえるようになる。実際に使ってみると「AIRPOST」のメニューから金融機関を選び、手順に従って画面を操作するだけ。もちろん捺印も不要だ。仕舞い込んだ印鑑を引っ張り出してくる手間も、ポストに足を運ぶ時間もかからず、スムーズに済ませられた。
【できること②/住所など登録情報の更新手続き】
住所や名前などの登録情報に変更があった場合、金融機関などへの各種更新手続きを億劫に感じたことはないだろうか。私も経験したことがあるが、新しい住所や氏名がわかる確認書類を、企業ごとに提出しなければならないのは本当に面倒。引っ越しなどでただでさえバタバタしている時に、書類の手続きに忙殺されるのは御免だ。
それが「AIRPOST」なら、確認書類を一度登録するだけ。実際に操作してみると、複数の企業への手続きに必要な情報がまとめて更新されるのは実に便利。登録情報の変更手続きがスマートになるのも「AIRPOST」の大きな魅力なのだ。
【できること③/最新取引情報の申告】
最近ではマネー・ローンダリングなどへの対策のため、金融機関では顧客に対して不定期に口座の取引目的や、本人の確認を行なっていることをご存じだろうか。そのための申請も「AIRPOST」にて提供開始予定の「最新取引情報の申告」を利用すれば、複数の金融機関に対してまとめて済ませられるようになるのだ。
金融機関から送られてくるアンケートに記入して返送したり、同じようなアンケートを金融機関ごとに回答しなくてはいけなかったりする手間が省けるのは、実にありがたいかぎり。利用できるようになるのが楽しみだ。
「+メッセージ」上で簡単かつ安全にやり取りできる
各種手続きをスムーズに済ませられるようになる「AIRPOST」の大きな特徴は、ユーザーが手続きを行なうための窓口として「+メッセージ(プラスメッセージ)」を用いている点だ。「+メッセージ」はNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの大手キャリア3社が協同開発したメッセージアプリ。3社のユーザーはもちろん、ahamo、povo、UQ mobileといったサブブランド、大手キャリアの回線を使用するMVNOのユーザーも利用できる(※ワイモバイル、LINEMO、ソフトバンク回線のMVNOは今後利用できるようになる予定)。
互いの携帯電話番号さえ知っていればやり取りできる「SMS(ショートメッセージサービス)」を、より高機能かつセキュアに発展させたようなアプリで、長文のメッセージのほか、写真やスタンプ、動画などのコンテンツもやり取りが可能だ。「+メッセージ」のアプリは、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクが販売する最新のAndroid端末にあらかじめインストールされているほか、iPhone端末の場合アプリストアから簡単に入手できる。
利用開始時には、携帯電話番号を用いた認証が行われる仕組みで、ほかのメッセージサービスとは異なり、携帯電話番号=キャリアの契約情報に紐付いたメッセージサービスになっている。
「AIRPOST」は、そんな「+メッセージ」におけるキャリア認定の公式アカウントのひとつ。キャリアの審査を通過した公式アカウントには、緑の認証マークがつけられているため、なりすましなどの心配がないのも、安心して利用できるポイントだ。
公式アカウント「AIRPOST」を登録して使ってみよう
公式アカウントの登録は至って簡単。「+メッセージ」の公式アカウントから「AIRPOST」を選び、利用規約をチェックして「利用する」をタップするだけ。登録後、メッセージ下の「^」をタップすると「口座振替を申し込む」「住所などの更新手続き」「企業とつながる」などのメニューが選択できるようになる。
【手順①/「AIRPOST」の登録】
メニューを選択するとメッセージ画面にリクエストが表示され、準備ができると手続きへアクセスするためのリンクボタンが表示される。ここから手続きを進める仕組みだ。初回時には住所や生年月日、メールアドレス、パスワードといった、本人情報の登録が必要。さらに本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、在留カード)を撮影し、自分の顔も撮影する、eKYCというオンラインでの本人確認の仕組みを使っている。
【手順②/本人確認】
このあと、口座振替を申し込む場合は金融機関と支払先となる企業を選択、住所などの更新手続きをしたい場合は対応する企業や団体を選択し登録すれば、スマホひとつで簡単に済ませられるようになる。次回以降、登録されている金融機関への手続きはもっと楽になる。
【手順③/口座情報の入力】
「AIRPOST」は、春からの新生活に知っておきたい注目サービス!
この春スタートする新生活に向けて、銀行口座の開設や保険の加入、あるいは習い事の月謝や公共料金、税金の支払いなどで口座振替の申請をしなければならないという人も少なくないはず。また、引っ越しをして住所変更を各所でしなければならないという人もいるだろう。忙しい日々の中、これらの手続きに取られる手間と時間は、できるだけ少なく短くしたいというのが本音ではないだろうか。
「AIRPOST」はまさにそんな面倒な手続きを、スマホでいつでも、どこからでも、より簡単に時短できるサービス。今まさに急拡大している企業のデジタルトランスフォーメーションに比例して、今後対応する企業や団体が増えれば、利便性がさらにアップするのは間違いない。「+メッセージ」でいち早くフォローし、使えるようにしておこう。
AIRPOSTサービスサイト:https://
取材・文/太田百合子