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仮想通貨、NFT、メタバース、法整備が追いついていない分野のトラブル対処法

2022.03.17

IT分野を中心にイノベーションが進展し、新たな技術やサービスが続々と出現しています。

法制度の整備は、技術の進歩にかなり遅れて行われるのが常ですが、法整備が追い付いていない分野でトラブルが発生した場合、どのようにして解決が図られるのでしょうか。

今回は、仮想通貨(暗号資産)・NFT・メタバースを例に挙げて、想定される法律問題の概要や、未知の法律トラブルを解決するための方向性などをまとめました。

1. 続々と出現する新技術・サービス|想定される法律問題の概要

新しい技術やサービスが浸透する際には、それに伴って様々な法律問題が発生します。

仮想通貨(暗号資産)・NFT・メタバースなど、最近注目されている技術やサービスも、法律問題と無縁ではいられません。ごく一部かつ簡単にではありますが、それぞれについて想定される法律問題の概要を紹介します。

1-1. 仮想通貨(暗号資産)

仮想通貨が出現した当初は、法令による特別の規制が全く設けられていない状態でした。

文字通り「無秩序」だった仮想通貨市場では、監督規制の及んでいない取引所が乱立し、ハッキングにより顧客の仮想通貨が流出するなどの不祥事が発生するに至りました。

また、取引量の少ない仮想通貨を狙った相場操縦行為も横行し、大口の投資家が小口の投資家を搾取する構造も問題視されていました。

このように、顧客保護に著しく欠ける状態が続いていた仮想通貨市場ですが、資金決済法や金融商品取引法の改正により、市場の健全化が一定程度図られて現在に至ります。

1-2. NFT

NFT(非代替性トークン)は、それ自体が「替えの利かない」価値を持つデジタル資産であり、デジタルアートなどの真正性や所有権を証明し得るものとして注目を集めています。

NFTに資産的価値が認められるとしても、「物」(有体物)ではないので、現行法上NFT自体に所有権は認められないと解されます。

そのため、NFTを購入したとしても、購入者にどのような権利が認められるのかが明確ではありません。

NFTに関する法規制は未整備の状況であり、今後の法整備に関する議論を注視する必要があります。

1-3. メタバース

メタバースとは、インターネット上の仮想空間のことです。

VR技術などの進展に伴い、現実世界と並行して存在する「生活圏」になり得るのではないかと、近年注目を集めています。

メタバース内に存在する「物」は、すべて仮想の存在であるため、NFTと同様に、所有権の客体になりません。

そのため、権利者の保護をどのように図るかという法律問題が生じます。

また、複数のメタバースにまたがるチート行為への対応や、メタバース内で行われる越境取引(国籍が違うユーザー同士の取引)についても、法的な整理が明確ではない状況です。

メタバースについても、今後ユーザー数が増えていくに連れて、法整備の議論が進展するものと思われます。

なおメタバースについては、以下の記事も併せてご参照ください。

参考:始める前に知っておきたい「メタバース」に関する法規制や契約実務の課題|@DIME

2. 未知の法律トラブルはどのように解決される?

最新の技術やサービスなどに関して、未知の法律問題が発生した場合、解決の方向性は以下の2通りに大別されます。

2-1. 既存の法令・判例に当てはめて解決する

法整備が不十分な状態であっても、実際に法律問題が発生すれば、ひとまず既存の法令・判例に当てはめて解決を図るほかありません。

例えば、NFTに関する権利の内容が問題となった場合、所有権法理が適用できないとしても、NFTの譲渡契約等の内容を解釈・適用すれば、一般的な契約法理の範疇で解決を図ることができるでしょう。

ただし、既存の法令・判例は、新しい技術・サービスを想定して作られたものではないため、適用に当たって何らかの不都合が生じる可能性があります。

その場合、暫定的には裁判所が解釈によって規範を定立することになりますが、将来的には実情に即した法整備を行うことが期待されます。

2-2. 新たな法令を整備する

個別の新技術・サービスについて、実情に即した規制を行うためには、議論を尽くしたうえで法整備を行うことが望ましいです。

仮想通貨については、2017年頃の大流行の後、資金決済法・金融商品取引法において「暗号資産」と位置づけられ、一定の法規制が設けられました。

代表的な規制内容としては、暗号資産交換業の登録制・暗号資産デリバティブ取引の規制・相場操縦行為の禁止などが挙げられます。

このように、社会的インパクトの大きな新技術・新サービスについては、できる限り早めに新たな法令を整備することが求められます。

しかし、法整備の議論には時間を要するケースが多く、また施行前に遡った新法の適用は原則認められないという難点もあります。

そのため、新技術・サービスに関する未知の法律問題に直面した場合、裁判所主導で既存の法令・判例に当てはめた解決を図りつつ、立法府が法規制による長期的・抜本的な解決を準備するという協働が求められると言えるでしょう。

取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
https://abeyura.com/
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