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Z世代1500人に聞いた関心のある社会課題TOP3、3位自殺問題、2位長時間労働、1位は?

2022.03.14

いつの時代も社会は課題を抱えている。では、次の時代を担うZ世代は、現代日本に対し、どんな問題意識を持っているのだろうか。

日本労働組合総連合会ではこのほど、Z世代(※1)の社会運動に対する意識と実態を把握し、新しい労働運動スタイルの検討につなげることを目的に、「Z世代が考える社会を良くするための社会運動調査2022」をインターネットリサーチにより2021年12月21日~12月23日の3日間で実施、全国の15歳~29歳の男女1,500名の有効サンプルを集計した。

※1概ね1990年代後半から2000年代に生まれた世代と定義されている。本調査では社会人世代も含めた15歳~29歳を対象とした。

※2本調査では、現在の属性を「正社員・正職員、契約社員・嘱託社員、パート・アルバイト、派遣社員、自営業・フリーランス」と選択した人を「社会人Z世代」、「学生」と選択した人を「学生Z世代」と称して評価した。

8割以上のZ世代が「社会課題に関心がある」

若者がどのような社会課題に関心を持ち、どのような社会運動を望んでいるのか、また、若者とともに社会運動を進めるためにはどのようなアプローチが必要となるのかを探るため、いわゆる「Z世代」(※)に当たる、15歳~29歳の男女1,500名(全回答者)に、社会課題について質問した。

※本調査では、Z世代とは概ね1990年代中盤から2000年代中盤に生まれた世代を指すものとし、Z世代に当たる15歳~29歳の男女を調査対象とした。

まず、全回答者(1,500名)に、関心のある社会課題があるか聞いたところ、「ある」は87.0%、「ない」は13.0%だった。Z世代と呼ばれる若年層の社会課題に対する関心の高さが見て取れる結果となった。

年齢層別にみると、関心のある社会課題がある人の割合は、15歳~19歳92.2%、20歳~24歳86.8%、25歳~29歳82.0%と、Z世代の中でも特に10代の関心の高さが浮き彫りとなった。

Z世代が関心のある社会課題、1位「いじめ」20.7%、2位「長時間労働」18.7%、3位「自殺問題」16.7%、

では、どのような社会課題に関心を持っている人が多いのだろうか。

全回答者(1,500名)に、関心のある社会課題の分野を聞いたところ、「経済・社会」(40.6%)が最も高くなり、「教育」「人権」(いずれも37.3%)、「ジェンダー平等」(34.7%)、「労働」(33.7%)が続いた。



また、関心のある社会課題を分野ごとにみると、【経済・社会】では「医療・社会保障(年金問題含む)」(15.1%)、【教育】では「いじめ」(20.7%)、【人権】では「自殺問題」(16.7%)、【ジェンダー平等】では「ジェンダーにもとづく差別」(16.3%)、【労働】では「長時間労働(ワーク・ライフ・バランス)」(18.7%)、【健康】では「高齢化問題(介護問題含む)」(13.2%)、【環境】では「エネルギー資源(再生可能エネルギーの活用含む)」(7.3%)、【平和】では「戦争・紛争・テロ」(9.9%)がそれぞれ最も高くなった。

すべての項目をまとめてみると、「いじめ」(20.7%)が最も高くなり、「長時間労働(ワーク・ライフ・バランス)」(18.7%)、「自殺問題」(16.7%)、「ジェンダーにもとづく差別」(16.3%)、「医療・社会保障(年金問題含む)」(15.1%)が続いた。

男女別にみると、男性では「長時間労働(ワーク・ライフ・バランス)」(19.1%)、女性では「ジェンダーにもとづく差別」(23.6%)が最も高くなった。

職業別にみると、社会人Z世代では1位「長時間労働(ワーク・ライフ・バランス)」(21.9%)、2位「いじめ」(19.4%)、3位「医療・社会保障(年金問題含む)」(17.1%)、4位「高齢化問題(介護問題含む)」(14.4%)、5位「自殺問題」(14.3%)となり、学生Z世代では1位「ジェンダーにもとづく差別」(22.7%)、2位「いじめ」(21.6%)、3位「自殺問題」(19.7%)、4位「長時間労働(ワーク・ライフ・バランス)」(16.1%)、5位「児童虐待」(14.9%)となった。

【参考】全36項目

社会課題に関心を持った理由、「いじめ」では1位「身近にこの問題に直面したことがある」

関心のある社会課題について、それぞれの社会課題に関心がある人に、社会課題に関心を持った理由を聞いた。

全体の結果をみると、「身近にこの問題に直面したことがあるから」(41.2%)が最も高くなり、「社会・環境をよりよくしたいから」(34.9%)、「人の生命にかかわる問題だから」(32.1%)、「困っている人がいるなら助けたいから」(31.4%)、「自分のくらしを守ることになるから」(27.6%)が続いた。

関心のある社会課題として挙がった上位10項目についてみると、【いじめ】では1位「身近にこの問題に直面したことがあるから」(25.8%)、2位「困っている人がいるなら助けたいから」(22.6%)、【長時間労働】では1位「自分のくらしを守ることになるから」(26.1%)、2位「身近にこの問題に直面したことがあるから」(24.3%)、【自殺問題】では1位「人の生命にかかわる問題だから」(41.8%)、2位「困っている人がいるなら助けたいから」(21.9%)、【ジェンダーにもとづく差別】では1位「人権にかかわる問題だから」(32.2%)、2位「身近にこの問題に直面したことがあるから」(19.2%)となった。

実際に身近に直面した経験が理由となって関心を持つようになったケースは多いようだ。

自由回答で聴取した「その他」の回答内容をみると、【いじめ】では「息子が知的障がい児で将来いじめに遭うこともあるのではないかと不安であるから」、【長時間労働】では「自分にとても関係しているため」、【自殺問題】では「大学の講義で学んだから」、【ジェンダーにもとづく差別】では「多様性を認める社会になってほしいから」、【医療・社会保障】では「医療関係の仕事をしているから」、【高齢化問題】では「自分が高齢になったときのことが心配だから」といった理由も見受けられた。

「身近にこの問題に直面したことがある」が突出して高くなった社会課題は「奨学金問題」と「不登校」

「身近にこの問題に直面したことがあるから」と回答した割合が高い社会課題は、1位【奨学金問題】(54.0%)、2位【不登校】(41.2%)、3位【障がい者雇用の問題】(33.8%)だった。

社会課題に関心を持ったきっかけは「テレビで見た」がダントツ

次に、関心のある社会課題について、それぞれの社会課題に関心がある人に、社会課題に関心を持ったきっかけを聞いた。

全体の結果をみると、「テレビで見た」(55.1%)が最も高くなり、「学校の授業で学んだ」(40.6%)、「ネット記事を見た」(38.0%)、「SNSで見た」(35.0%)、「自分が課題に直面した」(33.3%)が続いた。

8分野の社会課題ごとに関心を持ったきっかけをみると、【環境】【平和】【教育】【ジェンダー平等】【人権】【経済・社会】【労働】では「テレビで見た」(順に44.5%、40.8%、34.5%、40.2%、49.7%、42.0%、36.8%)が1位となり、【健康】では「学校の授業で学んだ」(36.8%)が1位となった。

【環境】【平和】【経済・社会】では「学校の授業で学んだ」(順に30.5%、36.0%、27.4%)が2位となり、【教育】【労働】では「自分が課題に直面した」(順に29.5%、27.7%)が2位となった。

また、【ジェンダー平等】【人権】では「SNSで見た」(順に30.8%、33.3%)が2位、「ネット記事を見た」(順に27.9%、30.2%)が3位となり、SNSやネット記事をきっかけとする割合が他の分野と比べて高くなった。

Z世代の社会運動参加経験率は36.8%

続いて、社会の問題解決や社会制度の改善・変革を目的として行われる組織的もしくは集合的な運動である「社会運動」に関して質問した。

まず、全回答者(1,500名)に、社会課題を解決するために、社会運動に参加したことはあるか聞いたところ、「ある」は36.8%、「ない」は63.2%となった。

男女別にみると、社会運動に参加したことがある人の割合は、男性では41.9%と、女性(31.7%)と比べて10.2ポイント高くなった。

参加経験のある社会運動、1位「知識を深めるためのセミナー」2位「SNSでの個人の発信」

また、社会運動に参加したことが「ある」と回答した552名について、どのような社会運動に参加したのかをみてみると、「知識を深めるためのセミナー」が25.4%、「SNSでの個人の発信」が23.2%、「オンライン署名」と「クラウドファンディングや募金などの資金提供」が18.7%、「直筆署名」が18.3%、「ハッシュタグによる世論形成」が17.2%、「集会やデモ、マーチ、パレードなど」が14.7%、「政府や団体、企業への要請」が13.6%だった。

社会運動に参加した理由、1位「自分ができることをしたかったから」

社会課題を解決するための社会運動に参加したことがある人(552名)に、社会運動に参加した理由を聞いたところ、「自分ができることをしたかったから」(27.9%)が特に高くなった。

社会の問題解決や社会制度の改善・変革に向けて、自分ができる範囲から行動を起こすことによって、社会課題解決の一翼を担いたいという意欲を持っている人が多いのではないだろうか。

次いで高くなったのは、「自分の気持ちを表現したかったから」(19.7%)、「友人・知人・家族に誘われたから」(15.0%)、「顔や名前を出さずに参加できたから」(14.9%)、「暇だった・時間があったから」(13.0%)。

社会運動に参加したことがない理由、1位「顔や名前が出てしまうことに抵抗があるから」

他方、社会課題を解決するための社会運動に参加したことがない人(948名)に、社会運動に参加したことがない理由を聞いたところ、「顔や名前が出てしまうことに抵抗があるから」(22.2%)が最も高くなった。

匿名性が十分に保たれるかどうかを不安に感じている人が多いのではないだろうか。次いで高くなったのは、「参加するには自身に知識が足りないと思うから」(21.6%)、「忙しかったから」(18.0%)、「運動自体に怖い、過激などのイメージがあるから」(17.6%)、「参加したところで何も変わらない気がするから」(11.1%)だった。

参加できると思う社会運動、1位「顔や名前を出さずに参加できる」

これからの社会運動について質問した。

全回答者(1,500名)に、どのような社会運動であれば参加できると思うか聞いたところ、「顔や名前を出さずに参加できる」(27.4%)が最も高くなった。匿名性の確保された社会運動であれば参加しやすいと感じる人が多いのではないだろうか。

次いで高くなったのは、「気軽に参加できる」(25.8%)、「参加したいときだけ参加すればいい」(15.9%)、「ネット上で完結できる」「性別や世代に関係なくいろいろな人が参加している」(いずれも13.1%)だった。

これからの社会運動に期待すること、1位「運動の成果を感じられる」

また、これからの社会運動にはどのようなことを期待するか聞いたところ、「運動の成果を感じられる」(27.7%)が最も高くなり、「課題がわかりやすい」(26.0%)、「人とのつながりを感じられる」(22.5%)、「全体の一体感がある」(17.6%)、「参加して楽しい」「自身のキャリア形成につながる」(いずれも14.3%)が続いた。

参加したくない社会運動、「集会やデモ、マーチ、パレードなど」に対してZ世代の46.8%が忌避感を抱く

全回答者(1,500名)に、社会課題を解決するための社会運動として、参加したくないものを聞いたところ、「集会やデモ、マーチ、パレードなど」(46.8%)が突出して高くなった。

次いで高くなったのは、「SNSでの個人の発信」(20.7%)、「クラウドファンディングや募金などの資金提供」(19.5%)、「ハッシュタグによる世論形成」(16.5%)、「知識を深めるためのセミナー」(15.9%)でした。他方、「政府や団体、企業への要請」が14.0%で最も低かった。

男女別にみると、女性では「集会やデモ、マーチ、パレードなど」が55.5%と、男性(38.1%)と比べて17.4ポイント高くなった。

関心のある社会課題を解決するために参加したい社会運動

最後に、関心のある社会課題について、それぞれの社会課題に関心がある人に、関心のある社会課題を解決するために参加したい社会運動を聞いた。

全体の結果をみると、「政府や団体、企業への要請」(37.1%)が最も高くなり、「知識を深めるためのセミナー」(33.0%)、「SNSでの個人の発信」(31.2%)、「オンライン署名」(23.7%)、「ハッシュタグによる世論形成」(21.2%)が続いた。

8分野の社会課題ごとに参加したい社会運動をみると、【環境】【平和】【健康】【経済・社会】【労働】では「政府や団体、企業への要請」(順に21.4%、30.7%、26.2%、28.9%、31.8%)、【教育】【ジェンダー平等】【人権】では「SNSでの個人の発信」(順に22.2%、26.7%、24.9%)が最も高かった。

全36項目のうち、社会人Z世代と学生Z世代の関心の高さが1位であった、長時間労働とジェンダーにもとづく差別についてみると、長時間労働では1位「政府や団体、企業への要請」(35.7%)、2位「オンライン署名」(16.4%)、ジェンダーに基づく差別では1位「SNSでの個人の発信」(28.6%)、2位「知識を深めるためのセミナー」(25.3%)だった。

【参考】全36項目

調査に関するコメント

「若者の期待に応える新しい運動スタイルの構築を」

日本労働組合総連合会 総合運動推進局長 内藤靖博氏

今回の調査結果では、昨年の【多様な社会運動と労働組合に関する意識調査2021】と同様に、若者の社会課題への関心の高さが明らかとなり、加えて「身近に直面した社会課題」に関心が高い傾向が浮き彫りとなりました。課題の項目ごとでは、社会人Z世代は「長時間労働」、学生Z世代は「ジェンダーにもとづく差別」などに関心が高くなっています。

また、調査結果やそれを踏まえた座談会※でのZ世代の意見から、若者の社会課題への気づきが、単にテレビや学校の授業などから情報を得るプロセスのみならず、「自らが社会課題に直面し、その後に報道や学習などを通じて、それが個人的なものではなく社会的な課題であると認識する」というプロセスもあり得るものと受け止めています。

今後、若者へのアプローチを検討するにあたっては、関心の高い課題はもとより、こうした「社会課題に関心を持つプロセス」にも目を向ける必要があると考えます。

他方、社会課題解決のために参加したい運動として、「政府や関係団体などへの要請」がトップとなり、次いで「知識を深めるためのセミナー参加」が高い結果となりました。要請行動や各種セミナー・シンポジウム等、連合が行う運動の積極的なアピールとともに、知識の蓄積にとどまらない実行動の大切さを訴えていくことも重要であると感じています。

今回の結果から、若者は社会運動に対して「顔や名前を出さずに参加できること、気軽に参加できること」を重視する傾向にありますが、「自分ができることをしたい」という前向きな気持ちや、「運動の成果、課題のわかりやすさ、人とのつながり」などの社会運動に対する期待をしっかり受け止めながら、連合としての今後の運動のあり方を検討してまいりたいと思います。

※座談会「Z世代が考える社会を良くするための社会運動調査」結果を読み解く
Z世代×社会運動×労働組合 (月刊連合2022年3月号掲載)

※連合調べ

<調査概要>
◆調査タイトル :Z世代が考える社会を良くするための社会運動調査2022
◆調査対象 :ネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする
全国の15歳~29歳の男女
◆調査期間 :2021年12月21日~12月23日
◆調査方法 :インターネット調査
◆調査地域 :全国
◆有効回答数 :1,500サンプル
◆実施機関 :ネットエイジア株式会社

出典元:日本労働組合総連合会

構成/こじへい

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