Appleから新たに第3世代となるiPhone SEが発表された。
この新しいiPhone SEでは、先進的なカメラ機能を実現するA15 Bionicなど、様々なアップグレードが施され、写真の編集からゲームや拡張現実のようなパワーを駆使する操作まで、ほぼすべての機能が向上したと、同社ではアナウンスしている。
5Gやより長いバッテリー駆動時間、向上した耐久性を備えたiPhone SEは、ミッドナイト、スターライト、(PRODUCT)REDの3つのカラーでラインアップ。予約注文は3月11日(金)午後10時(日本時間)から、販売は3月18日(金)から開始される。価格は57,800円(税込)から。
今回の発表に際して、AppleのワールドワイドiPhoneプロダクトマーケティング担当バイスプレジデント、カイアン・ドランス氏は次のようにコメントしている。
「iPhone SEは、象徴的なデザイン、比類のない性能、そしてお求めやすい価格によって、既存のユーザーの皆様にも、新しいiPhoneのお客様にも、大変好評を得ています。今年、私たちはこれまでで最もパワフルで耐久性の高いiPhone SEを作り上げました。iPhone 13のラインナップと同じチップであるA15 Bionicを搭載したことで、より優れたバッテリー駆動時間を実現するとともに、スマートHDR 4、フォトグラフスタイル、Deep Fusionなどの先進的なカメラ機能も可能にします。そして5Gにより、iPhone SEでユーザーはさらに高速なダウンロードとアップロード、より高画質なビデオストリーミング、アプリケーション上でのリアルタイムのやり取りなど、さらに多くのことができます。最新世代のテクノロジーと性能をこの価格で提供することは、Appleにしかできないことです」
iPhone SEの主な特徴
4.7インチのディスプレイを搭載した象徴的なデザイン
iPhone SEは、美しさと耐久性を兼ね備え、航空宇宙産業で使われているものと同じグレードのアルミニウムとガラスを使ったデザインが特徴。さらに今回は新たに、スマートフォンの中で最も頑丈なガラスで、iPhone 13 ProとiPhone 13の背面に使われているものと同じものを前面と背面に採用している。
またIP67等級の耐水性能と防塵性能を備えており、液体をこぼしても保護されるように設計されている。
アプリケーションへのログインやApp Storeでの購入の認証、Apple Payでの決済などを簡単に、プライバシーを保護しながら安全に行える、おなじみのTouch IDを備えたホームボタンも搭載している。
究極のスマートフォン用チップ「A15 Bionic」とは
iPhone 13で登場した圧倒的な速さのA15 Bionicが、今回iPhone SEにも搭載され、アプリケーションの起動から負荷の高い作業の処理まで、ほぼすべての体験を向上させている。
A15 Bionicは、2つの高性能コアと4つの高効率コアで構成された、スマートフォンの中で最速のCPUであるパワフルな6コアCPUを搭載している。これにより、iPhone SEはiPhone 8より最大1.8倍高速で、それ以前のモデルと比べるとさらなる高速化を実現している。
16コアNeural Engineは1秒間に15兆8千億回の演算が可能で、他社製アプリケーションでの機械学習の演算がさらに高速になるほか、iOS 15のカメラアプリケーションの「テキスト認識表示」やデバイス上の音声入力などの機能をiPhone SEでも可能にしている。
また効率を重視して設計されたA15 Bionicは、最新世代のバッテリー化学とiOS 15との緊密な連係によって、iPhone SEでより優れたバッテリー駆動時間も達成している。
その結果、コンパクトなフォームファクターで5Gのような新しいテクノロジーを採用しているにもかかわらず、iPhone SEは前世代や以前の4.7インチiPhoneモデルよりも長いバッテリー駆動時間を実現しているのだ。
そしてiPhone SEは、Qi規格の充電器を使ったワイヤレス充電と、高速充電にも対応している。
A15 Bionicが実現する新しいカメラ体験
iPhone SEは、A15 Bionicによって実現するまったく新しいカメラシステムを採用。スマートHDR 4、フォトグラフスタイル、Deep Fusion、ポートレートモードなどの素晴らしいコンピュテーショナルフォトグラフィの利点をもたらす12メガピクセル、ƒ/1.8の絞り値の広角カメラを搭載している。
iPhone 13 ProとiPhone 13で登場したスマートHDR 4は、賢いセグメンテーションによって被写体と背景の色、コントラスト、ノイズにそれぞれ異なる調整を適用する。これにより、難しい光の状況でも被写体の顔を適切な明るさにすることができ、同じ写真に写っている人々を、光や一人ひとりのスキントーンに合わせて最適化された調整によって個別にレンダリングしていく。
フォトグラフスタイルで、ユーザーはAppleのマルチフレーム画像処理の利点を活かしつつ、自分の写真の好みをすべての画像に適用することができる。
A15 Bionicを搭載したiPhone SEでは、スマートHDR 4を採用し、色、コントラスト、ノイズなどにそれぞれ調整を適用して、より実物に迫る写真を撮影できる。
標準の設定や自分好みの設定はすべてのシーンや被写体に対して機能し、単純なフィルタとは違って写真の別々の部分に適切な調整を行いながら賢く適用されるため、スキントーンなどの写真の重要な要素が保たれる。
Deep Fusionは高度な機械学習機能を使って、写真のあらゆる部分をピクセル単位で処理し、質感、細部、ノイズを最適化。A15 Bionicの画像信号プロセッサは、より的確なホワイトバランスとより実物に近いスキントーンにより、特に明るさが足りない場面でも、ノイズを低減して大幅に向上したビデオの撮影を可能にしている。
iPhone SEで5Gが利用可能に
iPhone SEの5Gにより、ユーザーは最新世代のワイヤレステクノロジーを活用でき、より高速なダウンロードとアップロード、低遅延などのメリットをより多くの場所で得られるはずだ。
5Gにより、ユーザーは最新世代のワイヤレステクノロジーを活用でき、より高速なダウンロードとアップロード、低遅延、そしてより良い体験をより多くの場所で得ることができるはずだ。
例えば、Wi-Fiではなくモバイルデータ通信中でもより高品質なHDのFaceTime通話で家族と話すことができる。
iOS 15では、5G経由のSharePlayにより、FaceTime通話中に友達と同期した状態でHDR画質の映画やテレビ番組を一緒に観るといったパワフルな共有体験も可能。
また、スマートデータモードでは、5Gの通信速度が必要でない時は自動的にiPhoneをLTEに切り替えることで、バッテリーを賢く節約。5Gへの対応は世界中で増え続けており、年末までには、70を超える市場と地域の200社以上の通信事業者が対応する予定だ。
iOS 15を搭載
iOS 15は、つながりを保つさらに多くの方法や、ユーザーの集中を助けたり探索したりできるパワフルなアップデート、iPhoneでさらに多くのことができる賢い機能を提供していく。
FaceTime通話は、空間オーディオと新しいポートレートモードによってさらに自然に感じられ、SharePlayはユーザーがFaceTimeで通話をしながら友達や家族と体験を共有する方法を提供。「集中モード」はユーザーが気が散る要因を減らすために役立つほか、通知も再設計されている。
「テキスト認識表示」では、デバイス上の知能を使って写真の中のテキストを認識し、ユーザーはそれに応じた操作が行なえる。
Appleマップでは、3次元の街並みをドライブする体験や、徒歩の経路を拡張現実で示すナビゲーションにより、世界を旅し、探索する素敵な方法が提供される。天気アプリケーションは再設計されて、全画面表示の地図が採用され、気象情報の視覚的な表示が増えた。
ウォレットは家の鍵や州発行の身分証明書に追加対応し、ユーザーの情報をさらに保護するため、Siri、メールなどシステム全体のさまざまな部分でプライバシーコントロールが導入されている。
関連情報
https://www.apple.com/jp/store
構成/清水眞希