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高校で必修化される「金融教育」はどの科目の教師が担当すべきか?

2022.03.10

2022年4月1日施行の民法改正で、成年年齢が18歳に引き下げられ、18歳から契約行為ができるようになる。これを受け、高等学校の学習指導要領改訂でも、従来より踏み込んだテーマである「資産形成」について授業で触れることが明文化された。今後、金融教育はさらに重視されるとみられる。

しかし、金融教育は課題が多いといわれる。また実施方法についても誰が教えるかということも問題となっている。今回は、効果的な実施方法を有識者の見解のもと、探った。

「金融教育」の授業導入は賛成が大多数も

日本トレンドリサーチが2022年1月、全国の男女計1,250名を対象に実施した「高校での『金融教育』必修化に関するアンケート」の結果によれば、「金融教育」の授業導入について92.4%が「賛成」との意向を示した。

その理由として自由回答では「自分が金融の知識がなく、若いころに苦労することが多かったので。(40代・男性)」や「電子マネー化が進んでお金の価値が見えなくなってきてるので、未成年の間にお金に関して教育するのは良いと思う。(50代・女性)」など必要性を自ら実感する大人の意見が目立った。

また、金融教育は家庭科の授業で行われるため、原則として家庭科の先生が担当することになるが、実際に授業を行うのは誰がよいと思うか聞いたところ、すべての世代で「外部の講師」と回答した人の割合が最も多かった。「家庭科の先生」と回答したのは、わずか3.4%であった。

特に50代・60代では「外部の講師」と回答した人が6割を超え、他の年代よりも外部の講師を求める割合が高かった。

外部の講師は、具体的に誰を指すのか。自由回答では、「ファイナンシャルプランナー、保険の業者」「銀行員、証券会社社員」「経済アナリスト・経済産業省の職員」「税理士や会計士」などが挙がった。

学校における金融教育の現状課題

まだ課題の多い金融教育。こうした状況を受け、2021年12月に、金融リテラシー向上を目的とする一般社団法人の立場として、これまでの啓蒙活動で培った知見を活用し、教育現場の支援を開始。公立高校や大学の教師や生徒に対する出張授業を実施した。

授業では、主要な金融商品のメリットやデメリットのほか、生涯のライフプランやリスク管理についても言及しているという。しかし、教師自身もこれまで投資教育を受けておらず、また実際に投資経験を持たないなかで生徒に資産形成について教えなければならないという問題に直面していることを背景に、生徒だけでなく、教師も共に支援する必要性があると考えた。

同協会の代表理事である髙松伸吾氏に、学校での金融教育について、現在の課題を聞いた。

「2022年4月 から高校での金融教育が必須化されます。それ自体は素晴らしい事だと思いますし、今の日本の現状では必要なことと思います。日本は諸外国と比較し金融リテラシーが低く、金融資産の格差は広がるばかりです。低金利が続いている状況で金融資産の多くを現預金に預けている現状があります。また、勤労所得の比率が高く、働けど働けど資産が増えにくい構造の資産構成になっています。

若いうちから金融リテラシーを高める教育を受けることができれば、金融詐欺・情報詐欺・特殊詐欺に騙される可能性も減り、資産形成に対しての正しい考え方が根付き、正しい投資の考え方を知ることができます。その結果、資産構成も変化し、財産所得の比率も増えることが期待できます。

課題としては、それらを教えるのは誰かという点です。2022年4月からの授業では、家庭科で金融教育が実施されます。ということは、家庭科の先生が授業を実施するということです。教える先生側の金融リテラシーがどれくらいあるか、教えるに足る経験値があるのか、実際に投資経験があるのか、そのスクリニーングがなされていません。その状態で家庭科の先生にカリキュラムを提供して、教えるということです」

この「誰が教えるか」の課題についてはどのような対策があるだろうか。

「金融教育を実施する、金融リテラシーを高めようと思ったら、その専門家が教えるべきだと考えてます。学校の先生になるためには、教科ごとに大学で専門的知識を学びます。金融教育や金融リテラシー教育にはその観点がありません。それでは、本当の意味で正しい金融教育、金融リテラシーが実施されているとは言い難い現状があります」

今後の金融教育の方向性

課題を解決することも含め、今後、どのように金融教育をすすめていくべきだろうか。髙松氏は次のように述べる。

「高校生や大学生に金融リテラシーの授業を実施したところ、将来の不安、就労の不安、お金の不安、等、真剣に考えて、悩んでいる生徒が多く見受けられました。

そういった生徒たちが、正しい情報と金融リテラシーを身につけることで、抱えている不安を希望と期待に変えて欲しいと考えています。そしてそれは、専門家であれば可能であると考えています。つまり金融教育を実際に導入するにあたっては、金融教育や金融リテラシーを専門的に学んだ、専門家が教えるべきだと考えています。

また、具体的には先生から生徒への一方通行の授業だけではなく、体験型のワークショップも取り入れて資産形成を体感することで、より理解度が上がると考えています。

投資診断協会では『投資診断士』という金融リテラシー向上のための資格を発行しています。この資格者の中から更に金融教育を実施できるための『マネティ(マネーティーチャーの略)』講師制度が開始される予定です。マネティ講師に認定された金融リテラシーの専門家が、来年以降、高校や大学、そして民間企業の金融教育を担います。そういった金融リテラシーの専門家による金融教育でないと、本当の意味での金融教育にはつながりにくいと考えています」

今後は、専門家による教育体制や教育手法などは、今後さらに吟味が必要になりそうだ。

【調査出典】
日本トレンドリサーチ「高校での『金融教育』必修化に関するアンケート」
株式会社NEXER

【取材協力】
一般社団法人投資診断協会

取材・文/石原亜香利

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