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Visaタッチ決済の普及で日本のキャッシュレス業界はどう変わる?

2022.03.11

キャッシュレス決済は、パンデミックをきっかけに怒涛の勢いで普及した。

それまでの日本は「キャッシュレス後進国」と言われ、QRコード決済も「果たして日本で普及するのか?」と議論された。確かにパンデミックがなければ、PayPayもLINE Payも今ほど普及しなかった可能性がある。

が、現実はスペイン風邪以来の新型ウイルス大拡散という一大事を迎え、同時に現金決済より衛生的なキャッシュレス決済を利用せざるを得なくなった。

そして今、日本に新たな「黒船」が来航し、その存在感を発揮している。「タッチ決済のできるクレジット/デビットカード」だ。

「故障知らずの」のタッチ決済対応クレカ

ここ最近、コンビニやスーパーマーケット、ドラッグストアなどで「電波マーク」を見かける機会が増えた。

クレカブランドの表示の横に記載されているマーク。これこそが「タッチ決済可能」の表示である。Suica等の交通系ICカードとほぼ同様の使い方で、クレカを利用することができるのだ。

クレジットカード/デビットカードの非接触型決済には、「カードの摩耗を回避できる」という大きな利点がある。

磁気テープにしろICチップにしろ、それをカードリーダーに何度も差し込むと必ず摩耗する。にもかかわらず、クレカとは何年にも渡って使い続けなければならないものだ。

有効期限前にカードの物理的故障で使えなくなる、ということはよくある。

しかしタッチ決済なら、そもそも摩耗する要素が一切ない。カードをパッドに近づけるだけなのだから、大きな傷などつきようもない。

これはコロナ前の話だが、筆者は海外で「クレカの故障」というトラブルに見舞われたことがある。クレカ自体は事故なく正常に機能しているが、カードがボロボロの状態だったのだ。

まさか筆者の渡航先に新しいカードを送ってくれとも言えないだろう。どうにか別のデビットカードで状況を切り抜けることはできたが、こうした事態は最悪「旅行の是非」にも直結するものだ。

Visaタッチ決済の「快進撃」

ここ最近のタッチ決済対応クレカの「快進撃」は、まさに怒涛の勢いである。

三井住友カード株式会社は、3月1日にこのようなプレスリリースをPR TIMESで配信した。

三井住友カード発行のVisaブランドカードが、Google Payへの対応を開始したという内容である。これにより、Visaタッチ対応店でGoogle Pay×三井住友カードの非接触決済が可能になる。

また同日、株式会社オリエントコーポレーションが同社発行VisaブランドカードのApple Pay対応を発表した。タッチ決済マークのあるVisa加盟店で、Apple Pay×オリコカードが利用できるようになったのだ。

3月1日のVisaの快進撃はこれだけではない。三井住友カードがプレスリリースを配信したのと同時刻に、ビザ・ワールドワイド・ジャパン株式会社が福岡市地下鉄におけるタッチ決済の実証実験を発表した。

これによれば福岡市地下鉄の一部の駅で交通系ICカードとVisaタッチに対応する自動改札機を設置し、今年5月から来年2月までそれを稼働させるという。

平たく言えば、クレカで公共交通機関を利用できるようになるということだ。

ガラパゴス化の「理由」

交通系ICカードに採用されている非接触型IC規格FeliCaは、「日本のガラパゴス化の代表的製品」とも言われている。

国際的に普及しているIC規格はNFC Type A及びB。タッチ決済クレカに内蔵されているICも、FeliCaではなくNFC Type A/Bだ。

このあたりで、日本とそれ以外の国々との間に大きな落差が生じているのは事実である。「どうして日本では、タッチ決済対応のクレカを使える施設が少ないんだ?」ということだ。

もっとも、IC規格がガラパゴス化するのはそれ相応の理由がある。FeliCaの通信速度は、NFC Type A/Bのそれよりも倍の数値を発揮する。

そうでなければ平日朝の通勤ラッシュを自動改札機で捌けないのだ。日本独自のすし詰め電車に適合するため、日本の非接触型決済カードは「世界との歩調」を捨てざるを得なかったと表現してもいいだろう。

しかし、それも過去の話になりつつある。通信速度の違いは重々承知だが、それでも公共交通機関にクレカ決済を導入してみようという野心的な取り組みが実行されるようになったのだ。

それはもちろん、パンデミック終息後のインバウンド事業を念頭に置いているという事情もある。

「デビットカードって何?」

いずれにせよ、日本はこれから「タッチ決済対応クレカの到来」という歴史的分岐点を迎えることになる。

その上で筆者は、読者の皆様に「タッチ決済対応デビットカード」を強く勧めたい。クレカではなく、デビットカードだ。

デビットカードは紐付けした預金口座の残高から利用分を引き落とす仕組みだから、負債を発生させることはまずない。

もちろん、デビットカードを作るのに審査は基本的に不要。銀行口座さえあれば、誰でも所持することができる。

ところが、日本では今でも「デビットカードって何?」と首を捻る人が少なくない。

筆者は静岡県静岡市の公共施設でキャッシュレス決済講座を開催しているが、首都圏でも中京圏でもない都市では「キャッシュレス決済の必要性」というものを強く感じていない人も少なくない。

実際に講座の中でデビットカードについて触れると、「私は専業主婦だからカードなんか持てない」と答える人もいる。クレカとデビットカードを混同している、というより両者の違いを知らないのだ。

その一方で、ATMでの現金引き落とし手数料の改定(値上げ)には本気で悩んでいる。交通系ICカード(モバイルではなく物理カード)は持っているが、そのチャージはATMから現金を引き出してコンビニの店員に声をかけてレジで行う……というものだったりする。

とにかく、過程の中で一度現金を目視しないと不安とのこと。日本でデビットカードの普及がいまいち伸び悩んでいるのは、こうした「概念の壁」もあるのかもしれない。

メインバンクの預金口座「財布」になる!

だが、今までそのような概念を持っていた人がデビットカードを手にした途端に壁を破壊することができた……という光景も筆者は直に見ている。

チャージのためにいくつもクッションを経なければならなかった交通系ICカードとは違い、デビットカードならメインバンクの預金残高から直接利用分を引き落とすことができる。

言い換えれば、預金口座そのものが自分の財布になるのだ。

デビットカードには「プロセスの無駄」が少ない。この利便性に気づきさえすれば、もはや後戻りなどできない。

そして、仮に電車もバスもクレカブランド提供のタッチ決済で乗れるようになれば、交通系ICカードよりも遥かに合理的なキャッシュレス決済手段が完成するのではないか?

もちろん「朝の通勤ラッシュを捌けるのか?」と言う問題はあるが、それは上述の実証実験で明らかになるはずだ。

タッチ決済対応のクレジット/デビットカードが「持っていて当然のもの」になる日も、そう遠くはないだろう。

関連情報

オリコVisaカードでApple Payの対応を開始-PR TIMES
三井住友カードが Google Pay™ でVisaのタッチ決済に対応開始!-PR TIMES
「福岡市地下鉄」Visaのタッチ決済による実証実験-PR TIMES

取材・文/澤田真一

 

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