2022年3月7日の「サウナの日」にちなみ、世界70か国以上で販売されているスキンケアのトータルブランド「ニュートロジーナ」を展開するジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 コンシューマー カンパニーが「サウナ後の肌を乾燥から守る保湿対策」をレクチャーするセミナーを開催。慶應義塾大学医学部の特任助教授で、日本サウナ学会代表理事も務める加藤容崇医師が登壇し、サウナとスキンケアの関係についてデータを用いて解説しました。
医師が解説!医学的に体にいいサウナの入り方
セミナー会場に選ばれたのは、サウナ―の聖地でもあるサウナ &カプセルホテル北欧。通常は男性向け施設のため、イベントとして開催するレディスデーは応募が殺到する人気のスポットです。サウナの脱衣所という斬新なロケーションでセミナーがスタートしました。
まずはサウナの正しい入り方について。
「サウナに入って、水風呂に入って、外気浴をするというのを3セットやる、というのが基本的な考え方です。こうすると、病気の疾患の予防効果や健康効果が得られるということになっています。
サウナの入り方というのは時間ではなくて、我慢をする必要は全然ありません。脱水もよくないので、自分の身体に合った、一番最適な入り方、長さでいいということをお伝えしたいです。
短いからヘタレとか、我慢をしたらもっと「ととのう」ということはありえないので、自分が一番気持ちよく、負担がそんなに大きくない入り方を提唱しています。
そのひとつが心拍数で、軽い運動したくらいを目安としてもらうといいと思います。軽い運動をしたくらいといっても、例えば普段からマラソンをする人は小走りくらいの運動かもしれないし、運動習慣がない人は階段の昇り降りだけでも軽い運動かもしれない。
なので、その人なりの軽い運動を実際にしてみてもらって、その時の心拍数を記録しておいて、サウナに入ったときに、その心拍数になったら出るというのが、一番安全な入り方です。
あとは最大の鬼門である水風呂です。基本的なルールとしては、汗を流さないでそのまま入ると、他のお客さんがみんな般若みたいな顔になるので、やめておいたほうがいいです。ルールはそれくらいです。
水風呂に入る時間は1分くらいが目安ですが、これは入れなくても別に悪くなくて、やはり負担が非常に大きいので、初心者の方は膝までや腰まで、あるいは温度調整したシャワーなどでも構わないので、徐々に身体を慣らしながら負担が少ないように入るのがポイントです。
水風呂の温度があまり低いのも、身体には良くないです。医学的には、15℃を切ると身体のセンサーのストレスがバーッと上がるようにできているので、17℃前後を推奨しています。
あとは、水風呂が寒いからといって、凍えながら入ると血圧が上がってしまうので、非常に危ないです。ゆっくりと息を吐きながら、すーっと入り、聞こえるかどうかわからないくらいの声で『気持ちいい』といいながら入ると、自分の気持ちもなぜか楽になるので、ぜひ試してほしいです。
そして休憩は、“ととのう”というサウナーにとって特徴的な特別な状態が訪れることがわかっています。水風呂から出た後の休憩の、最初の2分間をちゃんと味わいましょう。サウナの一番の本質は休憩なので、そこをしっかり楽しみましょうというのが基本です。」(加藤医師)
サウナ &カプセルホテル北欧は、休憩スペースが外にあり、とても気持ちがいい外気浴が楽しめるんです、と早く入りに行きたい気持ちがあふれ出ている加藤医師。続いてはサウナとスキンケアについて話してもらいました。
ウソだらけの情報に惑わされないで!サウナの美容・健康効果とは
続いて、サウナとスキンケアの関係について、加藤医師にお話いただきました。
「サウナと健康の関係については、フィンランドで50年にわたり、6万人を追跡した研究があります。その結果によると、心筋梗塞のリスクが50%、認知症リスクが60%、精神疾患リスクが78%減ることがわかっています。なので、あとはいかに安全に、皆さんが楽しく入れるようにするかというのが、今後の社会の進め方なのかなと思っています。
そして肝心のスキンケアについてです。論文を調べてみると、意外となくて、せいぜい1、2個程度。さらにその論文は、サウナに入ってシャワーで流しただけの場合について書かれているので、日本のサウナの入り方とちょっと違う。日本だと、お風呂も入るし身体も洗うし、水風呂にも入る…と全部セットなので、その論文の結果よりさらに乾燥するんじゃないかと思いまして、今回の研究会で明らかにできたらと考えています。
一方、サウナと美容効果について、Googleなどで検索してもらった記事を見ると、4項目中、3項目、つまり8割方ウソばっかりです。
なので、僕のスタンスとしては、エビデンスがあって、本当に皆さんの健康や美容に役立つ情報を発信したいので、この効果の項目が少しでも増やせればいいなと思って活動しています。
一番よく見かけるインチキな情報が『サウナで皮脂が溶ける』というものです。体温で溶けるような融点の脂肪酸は存在しないので、皮脂は基本的に溶けません。
あとは『デトックス』ですね。美容情報に出てきがちな情報例ですが、これもウソばっかりです。本当に何パーセントという倍率で、ダイオキシンというい有害物質が汗から排出されるのか、論文ベースで計算してみました。すると、結論からいうと、0.024%です。マックスガチガチにサウナに入ったとして0.024%しか出ていないので、0ではないのでウソかといわれると、ウソではないのですが、皆さんが思うような排出しまくるということはなく、『ほぼ出ない』といういうのが正しい認識ですね。」(加藤医師)
サウナのみならず、汗をたくさんかくとデトックスしているように感じてしまいますが、間違いだったとは…。気分的にスッキリしたと思っておくのが良さそうですね。
「先ほどの、日本式ではないサウナに入ってシャワーを浴びた場合の論文では、皮膚の水分量と皮脂量を計測しています。
水分量はサウナに入って休憩すると、一時的には上がるのですが、その後は下がっていって、サウナに入る前と同じくらいになる。そして皮脂量に関しては、サウナで汗と一緒に流れていってしまうので、油分が減りますが、これは時間が経っても元に戻っていません。
皮脂量が元に戻らないということは、皮膚が乾燥しやすい状態なるということ。なので、日本式の入る前に身体を洗って、入った後にも身体をボディソープで入るような入り方だと、もっと皮脂量は下がるんじゃないかと思います。
いろいろ調べてみた結果、水分量がどのタイミングでピークが来てさがっていくかの、個人差が大きいことがわかりました。その後は、どんな人でも水分量も皮脂量も下がっていってしまうので、まずはグリセリンで水分を保持させて、オイルで蓋をするというのが基本的な戦略です。
個人差が大きいので、その人にあった適切なスキンケアの方法というのは、研究で見出していきたいところです。」(加藤医師)
サウナに入って「お肌がしっとりした!」と感じるのは、ただ一時的にふやけているだけで、ケアをしないとどんな人でも乾燥していくことがわかりました。
「サウナの美容効果という点では、サウナに入ると毛細血管の密度が21%上昇するという点にあります。また、血管内の酸素濃度も6%上昇するので、肌色もよく見えるといえますね。
そしてお風呂との最大の違いは、お風呂は首から下しか温度が上がりませんが、サウナは顔が一番熱いという点にあります。
温度が上がると、ヒートショックプロテインという、組織を修復しようとするタンパク質が出るので、顔の部分にたくさん出ると。
もっとマニアックな論文を見てみると、温度が上がったときに、皮膚の表面と身体の深部では、ヒートショッププロテインが出てくるのに時間差があるんでです。深部に関しては、4時間後にマックスになるので、その時間に寝ているようなタイムラインでサウナを利用すると、健康には一番効果的ですね。」(加藤医師)
朝サウナのように頭をスッキリさせたいなら、3セットも入らずにとどめておく、サウナの健康効果を求めるなら、寝る前にサウナに入るなど、サウナに入る目的によっても最適な入り方は変わってくる、とのことでした。
ニュートロジーナがサウナ後のスキンケアにぴったりな理由
次に、ジョンソン・エンド・ジョンソンで研究開発を担当する水野紗耶香さんからは、サウナスキンケア研究会を代表してサウナ後の正しいスキンケアについてお話がありました。
ボディソープからスタートしたニュートロジーナブランド。ボディスキンケアのシリーズでは、医療グレードのグリセリンを採用しているそう。
医療グレードのグリセリンは、通常の化粧品用のグリセリンよりも不純物が少ないため、ちょっとした刺激にも反応してしまう敏感肌の人でも、安心して使える場合が多いのだそう。
また、数ある保湿成分の中で、水を抱え込む保水量や、肌に浸透する分子の大きさ、そして持続性、即効性などを比較すると、グリセリンが一番バランスが取れているという結論に。
長時間、保湿し続けることによって、乾燥で荒れた肌の細胞が整い、使い続けることでなめらかな肌へ導いてくれるそう。また油分としてミネラルオイルなどが配合されているものの、ベタつきにくいのも特徴。すぐに服を着られる、ベタつかない、という使用者のアンケート結果も出ているそうです。
基本の青いボディローション「ニュートロジーナ ノルウェーフォーミュラ ディープモイスチャー ボディミルク」は、保湿しながらべたつかない、さっぱりした使い心地。もっとしっかり保湿したい人には、濡れた肌にそのまま塗れる「ニュートロジーナ ノルウェーフォーミュラ インテンスリペア ボディオイル」がおすすめ。ただのオイルではなく、水と合わさると乳化し、濃いローションのような感覚で使えるとは、オイルのべたべた感が苦手な人にも使いやすそうです。
いざ!サウナ―の聖地を体験
サウナに入る前に両腕の水分量を測定し、いざサウナ体験。
中に入ると大きい浴槽が真ん中にあり、サウナ室の横には大きめの水風呂。日が十分に差し込んで、明るく開放感のある雰囲気がリラックスさせてくれます。
広めのサウナ室は入ってすぐのところに、1mくらいあるサウナストーブがドーン。サウナストーンが積まれたフィンランド式のサウナです。温度は95℃くらい、なかなかの熱さ。
出てすぐのところに水風呂があるので、身体の汗を流してドボン。筆者が入ったときは15℃くらいだったでしょうか。気持ちよく冷やされて、いよいよ休憩です。
噂のすばらしい外気浴が楽しめるという、休憩スペースに移動。上野の駅近くにも関わらず、リゾートのような空気感が漂うゆったりスペース。まさに都会のオアシスといったところでしょうか。
サウナ後は、「ニュートロジーナ ノルウェーフォーミュラ ディープモイスチャー ボディミルク」を塗布して水分量を量る実験です。右腕だけ塗布し、左腕は何も塗らずに比較していきます。
サウナ前の数値、サウナ後の数値と比べてみると、筆者の数値だけでも、ハッキリとボディローションを塗ったときと塗らないときの水分量の違いがわかりました。
家ではお風呂上りにボディクリームを塗っていますが、サウナでは気分がよくなってしまって、何も塗らないことが多い筆者。こんなに水分量が下がるなら、むしろサウナ後こそ塗らねばカッサカサになってしまう! と身が引き締まりました。
サウナへ通う目的は人それぞれですが、心はすっきり潤っている一方で、通えば通うほど肌はカサカサに…というのも悲しいもの。加藤医師もプライベートで愛用しているというニュートロジーナなど、サッと手軽にできるスキンケアを取り入れてみては?
https://www.neutrogena.jp/body#dm-type
取材・文/安念美和子(nenko)