「150W SUPERVOOC with BHE」がスマートフォンの充電サイクルの新記録を樹立
スマートフォンやワイヤレスイヤホン、ゲーム機などバッテリーを搭載したデジタル製品に囲まれるようになった昨今、バッテリーの寿命と充電は生活の質に関わる重要な要素となった。バッテリーはより早く充電でき、より長く使えれば使えるほど生活は豊かで快適になる。これは決して大仰な表現ではないはずだ。
そんな中、OPPOは先日スペイン・バルセロナで実施された「GSMA Mobile World Congress 2022」(MWC2022)において、「150W SUPERVOOC with BHE」と「240W SUPERVOOC」の2つの革新的な急速充電技術を発表したので、改めて詳細を紹介していきたい。
急速充電技術「150W SUPERVOOC」は、OPPO独自のバッテリーヘルスエンジン(Battery Health Engine以下BHE)を統合することで、1,600回充電を繰り返しても元の80%の容量を維持することができるというもの。
これは従来の製品標準の2倍にあたる回数で、バッテリー寿命の長期化と高度な急速充電の両方を実現した。
また、「240W SUPERVOOC」は、4,500mAhのバッテリーをわずか9分で1%から100%までフル充電することができるという。
OPPOのVOOC急速充電技術のチーフサイエンティストであるJeff Zhang(ジェフ・チャン)氏は、今回の発表について次のように述べている。
「充電技術の発展は日進月歩で、ユーザーの期待もに高まっています。OPPOは2014年にVOOC急速充電技術を発表して以来、急速充電技術の分野で開発を推進するだけではなく、ユーザーの充電体験全体も重視してきました。
今後も積極的にバッテリーの劣化などの課題に対して取り組み、高速かつ便利で安全な充電体験をユーザーに提供することで急速充電技術の限界を広げていきます」
「150W SUPERVOOC with BHE」による優れた充電効率
「125W SUPERVOOC」から進化した「150W SUPERVOOC with BHE」は、最大20V/7.5Aまでの出力をサポートする2つのチャージポンプを採用することでUSB PD PPSによる高効率充電技術(ダイレクトチャージ)を実現した。
「150W SUPERVOOC with BHE」は4500mAhのバッテリーを1%の状態から5分で50%、15分でフル充電することができる。
さらに、「150W SUPERVOOC with BHE」の アダプターは窒化ガリウム(GaN)を活用することで、前世代の「65W SUPERVOOC」の アダプター」とほぼ同じサイズ(58x57x30mm、重さ約172g)に小型化されている。
電力密度は1.51Wcm3となり、業界平均を大幅に上回っている。
Battery Health Engineによるさらなる急速充電
「150W SUPERVOOCには、OPPO独自開発の「Battery Health Engine(バッテリーヘルスエンジン)」にOPPOがカスタマイズしたバッテリーを管理チップが搭載されている。
また、「Smart Battery Health Algorithm」と「Battery Healing Technology」という2つの技術を採用することで、ハードウェアとソフトウェアを最適化、バッテリーの劣化状態、安全性、パフォーマンスなどの面であらゆる充電環境を向上させることができるのだ。
「Smart Battery Health Algorithm」は、バッテリー内部の負極電位をリアルタイムで追跡することが可能だ。
充電時の電流を正常な範囲内で自動調整し、リチウム化合物(デッドリチウム)の発生を最小限に抑えると同時に、充電時の電流を最大に維持できる。これにより、バッテリーの寿命の延長と急速充電を実現した。
「Battery Healing Technology」はバッテリー寿命を延長する内部システムの技術だ。電解性質を改良することで電極を充電サイクル中に持続的に修復し、より安定的で耐久性のある固体電解質界面(SEI)を形成。常に最適なバッテリー状態を維持する。
バッテリーの正極と負極の摩耗を抑えることで、バッテリー性能の向上及び寿命の延長にも貢献する。
スマートフォン業界では、充電回数を指標としてバッテリーの寿命を測定している。市販されている多くのスマートフォンは800回充電するとバッテリーの寿命が元の容量の80%になるが、OPPOは同様の80%の状態になるまで、2倍の1600回の充電が可能だ。
急速充電の新領域を切り拓く「240W SUPERVOOC」
5G時代に突入し、さらに効率的な充電が求められている中、OPPOは「240W SUPERVOOC」で急速充電技術の限界を超えようとしている。この新技術により、4500mAhのバッテリーをわずか9分でフル充電することができるようになった。
「240W SUPERVOOC」は、Type-Cインターフェースに24V/10A技術を搭載するように設計された。3つのチャージポンプを搭載し、端末に供給する電力を10V/24Aに変換することができる。
既存のデバイスの仕様に適合しながら放熱性も担保し、充電効率の最適化や安全性を強化した。さらに、優れた放電率によってハードウェアは最大240Wまで対応することができる。
※データはOPPO Labによるもの。テスト環境:アイドルモードと機内モード。画面に表示されるバッテリーの残量を基準にしている。実際の充電時間は、環境の違いや端末の差によって異なる場合がある。
※データはOPPO Labにより集計されたもの。実際のサイズや重さは、製造工程や測定方法によって異なる場合がある。
構成/Ara