軽自動車を所有している人が支払う『軽自動車税』とは、どのような税金なのでしょうか?軽自動車の定義や、軽自動車税の税額を解説します。支払い方法や支払いのタイミング、利用できる減税制度についても見ていきましょう。
軽自動車にかかる自動車税とは?
『軽自動車税』は、軽自動車の所有者に課される税金で、普通自動車にかかる『自動車税』とは金額や納税先が異なります。軽自動車とはどんな車なのか、軽自動車税とは何なのか概要を見ていきましょう。
軽自動車は所定の規格を満たす自動車
『軽自動車』は、一定の規格を満たす自動車が該当し、その定義は時代によって変化します。
四輪の軽自動車の場合、現在は長さ3.4m以下・幅1.48m以下・高さ2.0m以下です。排気量は660cc以下と定められています。
『普通自動車』と呼ばれる車の長さが4.7m以上であることを考えると、外見上も大きな差があるでしょう。
また、二輪のオートバイにも定義があり、長さ2.5m以下・幅1.3m以下・高さ2.0m以下のものが軽自動車です。排気量は125超250cc以下となっています。
参考:自動車の種類 – 一般財団法人 自動車検査登録情報協会
軽自動車税がかかる
軽自動車の購入や所有をすると『軽自動車税』がかかります。税額は、車種によって変化します。
主な軽自動車税は、三輪以上の軽自動車を購入したときに納める『環境性能割』と、毎年4月1日時点の所有者が納める『種別割』です。
環境性能割は、当面の間都道府県に納めることとなっていますが、種別割と同様に管轄は市区町村となっています。
軽自動車税はいくら?
軽自動車税の金額は、どのくらいなのでしょうか?基本的には、車種・用途によって変わります。具体的な金額や、対象の減税制度についても知っておきましょう。
車種・用途で税額が決定
軽自動車税は、車種・用途で個別に税額が定められています。
二輪の場合、125超250cc以下は『3600円』、250ccを超える小型自動車で『6000円』です。
一方、三輪・四輪の軽自動車の場合は『初度検査年月』によって税額が異なります。
- 2015年3月31日までに初度検査を受けた三輪・四輪の軽自動車:7200円
- 2015年4月1日以降に初度検査を受けた三輪・四輪の軽自動車:1万800円
- 初度検査年月から13年を超える三輪・四輪の軽自動車:1万2900円
年数が経過した車は、買い替えた方が税金の節約になるケースがあるのです。
参考:総務省|地方税制度|平成28年度から軽自動車税の税率が変わります
グリーン化特例は軽自動車税にも利用可能
国が減税制度として行っている『グリーン化特例』は『軽自動車税(種別割)』の支払いに関係する減税制度です。
これから軽四輪乗用車を購入した場合、初度検査年月から13年目までは『1万800円』の種別割がかかります。
しかし、環境性能などで条件を満たす新車であれば、『翌年度分のみ』軽自動車税(種別割)が最大で『おおむね75%』軽減され、最も安い税額で『2700円』となります。
なお、グリーン化特例では対象となる車種が限定されています。軽自動車では三輪・四輪のみが対象となり、二輪はグリーン化特例を受けることができません。対象となる軽自動車は、以下の通りです。
- 電気自動車
- 天然ガス自動車
- ガソリン車、ハイブリッド車(令和12年度燃費基準が70~90%達成の車種)
排気量などの基準をどのくらい満たしているかによって、減税される金額が変わるのが特徴です。
参考:軽自動車税のグリーン化特例の概要 – 国土交通省
参考:軽自動車税(種別割)に係るグリーン化特例(軽課)の見直しについて | 秦野市役所
エコカー減税制度は軽自動車税には適用外
国の減税制度である『エコカー減税』は、毎年支払う『軽自動車税(種別割)』に適応する制度ではありません。購入時や車検時に支払う『自動車重量税』から差し引かれるため、注意しましょう。
しかし、自動車重量税も、軽自動車を所有している人にかかる税金であることには変わりありません。新車購入時や車検のときに支払うお金を節約して、トータルでの減税を期待するならエコカー減税も活用しましょう。
エコカー減税は、環境に配慮した車種を選ぶと適用されます。なお、こちらも二輪は対象外となっています。
- 電気自動車
- 燃料電池自動車
- プラグインハイブリッド自動車
- 天然ガス自動車
- クリーンディーゼル乗用車
- ガソリン車、LPG車、ハイブリッド車(平成30年排出ガス規制50%低減の車種)
新車購入の際は、対象となる車を検討してみましょう。
参考:エコカー減税 (自動車重量税) の概要- 国土交通省
参考:自動車の税って何があるの?|大きく変わった、クルマの税。
軽自動車税の支払いタイミング
軽自動車税の支払い時期は、基本的に自動車税と同じです。4月1日時点で対象者が確定し、納税通知書が送られてきます。
支払いの期限や、年度途中で軽自動車を購入した場合についても見ていきましょう。
4月1日時点の所有者に課税
軽自動車税は『毎年4月1日時点の所有者』に課税されます。対象者の確定後に『納税通知書』が郵送される仕組みです。
ここでポイントになるのが、軽自動車税は原則『1年分の徴収のみ』となっていることです。普通自動車の自動車税とは違い、月割システムがないため、4月1日以降に軽自動車を手放しても税金は戻ってきません。
軽自動車を売却などする予定がある場合は、3月31日までに手続きを済ませないと、また1年分の軽自動車税を支払う義務が発生してしまいます。
納税通知書は、車検証に記載の住所に届くため、引っ越しをする場合は車検証の住所変更も忘れずに行いましょう。
支払期限は原則5月31日
軽自動車税の納税通知書は、一般的に5月ごろになると対象者に届きます。支払期限は原則5月31日です。
ただし、自治体のルールや5月末が祝日に該当する場合には、支払いの期限が変わることもあります。そのため、対象年度の締切は、納税通知書を確認しましょう。
また、5月になっても納税通知書が届かないときや、紛失したときは早めの問い合わせが必要です。納税通知書がないと軽自動車税の支払いができず、延滞してしまう可能性があります。
年度途中の取得は税金がかからない
軽自動車税は、原則年間の支払いのみです。4月1日時点で車を所有しているかどうかで、支払いの有無が変わります。
そのため、4月2日以降に軽自動車を取得すれば、その年度分の軽自動車税の支払い義務はありません。翌年の4月1日より、軽自動車税が発生するようになるのです。
3月末に車両登録するとすぐに税金がかかりますが、4月2日以降なら税金がかかるのは翌年からとなります。数日のズレで1年分の税金が節約できるため、購入の時期は4月2日以降がベストです。
参考:軽自動車を年度途中で取得した場合、税金はどうなりますか? | FAQ(よくある質問) | 生駒市公式ホームページ
軽自動車の自動車税の支払い方法
軽自動車税は、どのようにして支払うのでしょうか?現金払いのほかにも、支払い方法が用意されています。
対応の支払い方法や、納税期限を過ぎたときのペナルティーについても知っておきましょう。
現金のほかキャッシュレス決済が可能
軽自動車税は、現金以外にも複数の支払い方法に対応しています。
具体的な支払い方法は、納税通知書や市区町村ホームページで確認できます。地域によっては、スマホ決済サービス・ペイジー払いなど、キャッシュレス決済も可能です。
また、ネットバンキングやモバイルレジなどにも対応し、自宅にいながら支払いを完了できます。ただし、自宅で支払った場合、納税証明書の発行には手続きが必要となり、送付までに時間がかかります。
そのため、車検が迫っているときは、対象の金融機関やコンビニでの納付がスムーズです。
参考:公共料金がPayPay残高で支払い可能に! – キャッシュレス決済のPayPay
払い忘れに注意
軽自動車税の支払いを忘れていると、延滞金の対象になります。また、支払いが完了しないと納税証明書が発行されないので、車検が受けられません。
さらに、延滞金を支払わないでいると、財産の差し押さえに発展することもあります。差し押さえは、原則『督促状発行から10日以上たつと可能』になりますが、決行の時期は自治体の判断によります。
税金が高くなったり、車検が受けられず車に乗れなくなったりなどデメリットが大きいため、期限までに支払うことが大切です。一時的に支払いが難しい場合でも、早めに管轄の市区町村に相談しておきましょう。