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「うめきた」エリアにまもなく新駅が完成、大きく変わる大阪の鉄道事情

2022.03.08

来年2023年は大阪が変わる!

現在、再開発が進行している大阪駅北側に位置する「うめきた」エリア。ここには2023年春に新駅が設置され、周囲には都市公園、住宅などが建設される予定で、関西圏でいま最も注目を集める巨大都市開発プロジェクトの1つとなっている。

再開発が進む「うめきた」エリア。奥に見える貨物列車が走っている線路は「東海道本線支線」

「うめきた」にできる新駅って?

大都市大阪のど真ん中になぜこんな広大な土地があったのかというと、ここには元々「梅田貨物駅」という貨物列車専用の駅があった。物流の拠点として機能していたが、2013年に廃止され、現在ではその役割を吹田貨物ターミナル駅や、百済貨物ターミナル駅といった周囲の貨物ターミナルが受け持っている。

「グランフロント大阪」に「梅田スカイビル」に囲まれた「うめきた」エリア。まさに超一等地!!

「うめきた」エリアと呼ばれるこのエリア。実は、今も「東海道本線支線」が通っており、貨物列車のほか、和歌山・白浜などに向かう特急「くろしお」と関西空港に向かう特急「はるか」が走行している。

ただ、駅がなく、そのため特急「くろしお」と「はるか」は大阪駅の目の前を通りながらも通り過ぎる形となり、さらに先にある新大阪駅に発着している。

物理的には大阪駅に発着することもできるが、「はるか」は京都へ直通していることが大きな強みでもあり、今の大阪駅の構造のまま大阪駅発着にしてしまうと、京都方面へ直通できなくなってしまう。

新大阪駅発着は東海道、山陽新幹線との乗り継ぎは便利なものの、それでもやはりターミナルとなっている大阪駅にも停車したほうが便利。

大阪駅と和歌山・関西空港方面は今でのそれぞれ「紀州路快速」・「関空快速」で結ばれているものの、当たり前だが特急のほうが目的地に早く快適に着ける。

特に関西における世界の玄関口である関西空港と大阪駅の直結は重要で、こうした背景からも「うめきた」エリアに新駅が設けられることになった。

工事中の「うめきた」新駅のコンコースと改札口。新駅は既存の大阪駅の一部となるため、駅名は「大阪駅」となる

線路を地下化、大阪駅にぐいっと寄せる!

さて、この「うめきた」の新駅。駅名はすでに決まっており「大阪駅」となる。新駅には変わりないが、正式には大阪駅に新しいホームが追加される、そんなニュアンスだ。

新駅が設置される東海道本線支線は現状、「うめきた」エリアの西側を走っており、既存の大阪駅まではかなりの距離だ。

そこで本プロジェクトでは東海道本線支線をぐいっと東側に寄せて大阪駅に近づけつつ、周囲の線路も地下化。今存在している幹線道路上の踏切と高さ制限のあるアンダーパス(架道橋)を解消して周囲の交通の利便性を向上しつつ、大阪駅に直結できるように設計されている。

既存の大阪駅大阪環状線ホームから、新駅ホームまでは約300m、乗り換え時間は8分と想定されている。比較的長くなりがちな、近年の新設駅と既存駅の乗り換え時分としては、短いレベルと言えるだろう。

「グランフロント大阪」や既存の大阪駅へは地下通路で直結に

「うめきた」エリアのかなり西側にある、現在の東海道本線支線を走る「パンダくろしお」。新駅に合わせてトンネルで大幅に東寄りに移設する

工事は順調! 8割完成。世界初の安全対策や新路線開業への準備も

新駅開業に向けた工事は順調で、トンネル工事はほぼ終わり、あとは線路の敷設や電気施設の工事、仕上げ工事が進められていく。

新駅は2面4線を持つ地下駅で、大阪駅や「グランフロント大阪」とも直結する。また、新駅近くに改札口も新規設置される。

開業を迎える2023年春の時点ではこの新駅には、特急「くろしお」・「はるか」と、現在新大阪駅止まりとなっている「おおさか東線」の列車が発着する予定だ。

建設中の新駅のホーム

加えて2031年春開業を目指して、JR難波駅及び南海本線新今宮駅と「うめきた」新駅を結ぶ「なにわ筋線」の工事も進行中。中之島や西本町を経由して大阪の南北をつなぐ。

大阪駅と関西空港駅は現在、大阪駅から最速64分(関空快速)で結ばれているが、これが来年春の新駅開業で特急「はるか」が利用可能になり、平均48分になる。さらになにわ筋線が開業すると44分程度になることが予定されており、より利便性が向上する。

なにわ筋線はJRと南海電鉄の共同運行となる。新駅の西九条方トンネル内ではなにわ筋線との分岐部に準備工事がされている。

ホームに降りる階段などにはすでに「なにわ筋線」の文字も

そして、新駅のホームには世界初の「安全対策」も。最近ではすっかり定番となった「ホームドア」。新駅では世界初の方式を採用したホームドアが設置される。

来年の春の時点でも「くろしお」・「はるか」・「おおさか東線」が発着し、なにわ筋線が開業とさらに多車種の発着が見込まれる新駅のホーム。ホームドアはその構造から、ドア位置やドアの数を統一するのが好ましいが新駅の状況はそうもいかない。

そこで開発されたのが、世界初、自在に開閉位置が変えられる全てが扉となっている「フルスクリーンホームドア」だ。固定された柱が存在せず、全部の扉がフレキシブルに可動できるのであらゆる車両に対応できる構造になっている。

世界初!「全部が扉」のホームドア

新しい東海道本線支線のトンネル。この先は新大阪につながっている

「うめきた」エリアに誕生する新駅。これから大きく変わる大阪の鉄道事情に大注目だ!

取材・文/村上悠太

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