東京タワーの足元にあるフットタウンに新しくオープンするeスポーツ施設。そこはゲーマーにとってはもちろん、ゲームのことをよく知らなくても気軽に遊べるコンテンツが充実しており、カップルでも訪れやすい場所だった。新しい東京の観光施設になる可能性を秘めた新スポットを、プロゲーマー兼ライターが取材した。
VRやポーカーで楽しむ”非日常”
東京eスポーツゲート株式会社が東京タワーに併設する商業ビル、フットタウンの3〜5階に開業する『RED゜TOKYO TOWER』。2022年4月20日のグランドオープンに先駆けて、5階エリアを一挙公開するメディア向け内覧会に参加した。
5階へと続くエスカレーターを降りた先、まず目に飛び込むのがたくさんのレーシングマシンだ。バーチャルとリアルのモータースポーツを融合することをコンセプトにした『RED゜E-MOTOR SPORTS AREA』には、ドライブシミュレーションゲーム『グランツーリスモ』の公式大会でも使われる筐体が6台設置されている。それに加えて、プロレーサーが使用するような本格レーシングシミュレーターも7台ある。VRで走行するタイプのマシンもあり、実際に走行しているような臨場感を味わうことができる。
VRゴーグルを装着したドライバー。各種筐体への試乗はスタッフのサポートもあるので、初心者でも安心。定期的にランキングつきのトーナメントも開催予定だ。
※筆者撮影
奥に進むと、多様なコンセプトのエリアが来場者を待ち受けている。
バーカウンター『RED゜STAND』では、近未来のような雰囲気を味わいながら、ゲームのお供に最適なワンハンドフードやドリンクを楽しめる。『RED゜ARENA』には最新のゲーミングPC32台が常設されており、eスポーツ大会やセミナー、配信イベントなど様々な用途への活用ができる。
『RED゜STAND』では今後アルコールの提供を予定しているという。
※筆者撮影
『RED゜ARENA』では初心者向けのPC体験セミナーも実施予定。
© RED゜TOKYO TOWER
遊べるのはデジタルゲームだけではない。『RED゜MIND SPORTS AREA』には、数十種類のテーブルゲームが楽しめるエリアや、特注のポーカーテーブルやチップでテキサスホールデムポーカーを楽しめるポーカールームも用意している。普段ゲームに親しみがない人でも、思い思いのスタイルで特別な時間を過ごすことが可能だ。
※筆者撮影
『RED゜BODOGE』には130個以上のゲームを用意しており、今後も順次増加予定。ポーカールーム『RED゜ROYALE』は初心者講習卓、自由に出入り可能なリングゲーム卓、本格的な試合を楽しめるトーナメント卓を用意する。恋活イベントや大会など、未経験者から実力者まで幅広い層が楽しめる様々な施策を予定している。
一番奥に構えるのは、メインステージとなる『RED゜TOKYO TOWER SKY STADIUM』。ステージ底面を含む4面の大型LEDモニターや、最先端技術による現実と仮想が融合したXR映像、映画館を超える3D立体音響システムを駆使することで、eスポーツ大会の熱気をより迫力あるものへと演出。普段ゲーム観戦をしない人でも熱中して楽しめるような設備となっている。
スタジアムは100〜150名収容可能。XR映像は各所に設置されたモニターで楽しむことができる。eスポーツ大会の他、ファッションショーやライブイベントなど幅広い用途での活用を予定している。
今後は「謎解き」「ドローン」「カフェレストラン」も!
今回体験できたエリアは5階のみだが、4階にはドローンや謎解きアトラクションなどの体験型コンテンツが、エントランスとなる3階はレトロゲームなどを楽しめるエリアが実装される。また、グランドオープン以降は家族で楽しめるエリアやカフェレストランを1階にオープンさせる予定だ。
今回取材して感じたのは、筆者がかつて世界最大の格闘ゲーム大会『EVO』に出場するためにアメリカ・ラスベガスに行った際にいだいた“何でも揃っている”感だ。ラスベガスには、カジノはもちろんのこと様々な物販や飲食店、eスポーツアリーナなどありとあらゆるエンタメ施設がひとつのホテル内に混在していた。規模は違えど、『RED゜TOKYO TOWER』にもゲームを主軸にしつつ様々なコンテンツが用意されている。“大人のゲーム社交場”として、東京の新たなランドマークへと今後発展する可能性を秘めている。
取材・文/桑元康平(すいのこ)
1990年、鹿児島県生まれ。プロゲーマー。鹿児島大学大学院で焼酎製造学を専攻。卒業後、大手焼酎メーカー勤務を経て2019年5月より、eスポーツのイベント運営等を行うウェルプレイド(現ウェルプレイド・ライゼスト)のスポンサードを受け「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズのプロ選手として活動開始。代表作に『eスポーツ選手はなぜ勉強ができるのか』(小学館新書)。