コロナ禍以降、働き方は大きく変化し、自宅も勤務場所のひとつになった。それに加え、オフィスやミーティングルームのメタバースが当たり前のように利用できるようになると、働き方はさらに多様化するだろう。セミナーもバーチャルで開催しやすくなるほか、アバターとして仕事を受けるチャンスも増えそうだ。
ビジネスシーンでの普及はデバイスの進化がカギを握る
メタバースという言葉で改めて注目されている最近のバーチャル空間は、コミュニケーションの場としての期待値が大きく、ビジネス向けのサービスも拡充している。代表例は数名単位でのミーティングに特化している「Horizon Workrooms」だ。
アバターの表情に対する物足りなさや、話し相手からのレスポンスの遅さを感じさせない、ごく自然なコミュニケーションが可能。PCの画面を持ち込める機能や、ホワイトボードへの斬新な書き込み方法も工夫されていて、体験できるミーティングは現実のそれにかなり近い。
このほかにも、VR機器を手がけているHTCの「VIVE Sync」をはじめ「Engage」や「MeetinVR」といった複数のサービスが存在している。それらの仕事向けメタバースツールはVR機器を使ったミーティングに特化しているものがほとんどだ。
今後はデバイスがさらに進化し、これまで平面だった我々とコンピューターの関係性は〝空間的〟になるだろう。無数のディスプレイを見ながら作業を行なえたり、遠くにいる人同士が限りなくリアルに近い感覚でコミュニケーションを取れたりするかもしれない。デバイスの小型軽量化も加速し、より手軽に扱いやすくなることで、ビジネスの場での活用は一層増えていくはずだ。
パーソナルな仕事でも使えるのはコレ!
Immersed「Immersed」
仮想空間でPC作業とミーティングを行なえるツール。複数のPC画面を配置できるほか、空間内に表示された仮想キーボードが現実のキーボードとシンクロする。
複数のウインドウを空間内に表示できる!
Meta「Horizon Workrooms」
利用の想定はミーティングがメインで、リモートデスクトップ機能によるPC作業にも対応。特定の対応キーボードとシンクロする。
対応キーボードなら、空間内でシンクロ!
「月1回の定例会はメタバース内で行なっています!」
Mogura 代表取締役 久保田 瞬さん
VR/AR/メタバースの専門メディア「Mogura VR」の編集長および代表。日頃の仕事で「Horizon Workrooms」を積極的に活用している。
手持ちのPCで手軽に始めるならコレ!
OPSION「メタバースオフィス RISA」
PCで利用するミーティング向けツール。PCにかかる負荷の少ない2D版で、25種類以上のアバターを選べるほか、同僚とのコミュニケーションを深められるユニークなモーション機能を用意。必要に応じてアバターから〝顔出し〟に切り替えられる。
PC操作で簡単にアバターを操作!
oVice「oVice」
自分のアバターを相手のアバターに近づけることで気軽に話しかけられる2Dオフィスツール。ミーティングで使われることが多く、オンライン展示会などにも利用できる。シーンに合わせて空間内のレイアウト変更も豊富だ。