自動車税の支払いはいつするものなのか、分からない人もいるのではないでしょうか?納税の時期や期限のほか、自動車税の税額や利用できる減税制度についても解説します。支払い方法と延滞したときのペナルティーについても確認しておきましょう。
自動車税の基本
自動車税には、大きく『環境性能割』『自動車重量税』『自動車税(種別割)』の3種類があります。
『環境性能割』は、自動車購入時に支払う税金で、自動車取得税の廃止に伴い新設された制度です。『自動車重量税』は、新規登録時や車検の際に支払う税金になります。
一方『自動車税(種別割)』は、毎年支払いが求められる税金で、排気量や車種によって納税額はさまざまです。ここでは、一般的に『自動車税』と呼ばれる『自動車税(種別割)』の基本的な概要や、設定されている税額について解説します。
年に1回、4月1日時点の所有者が支払う
『自動車税(種別割)』は、毎年4月1日時点で車を所有している人が支払う都道府県税です。排気量や車種ごとに金額が異なり、普通自動車に課されます。
年度途中で車を売却する予定があっても、4月1日時点で所有していれば『1年分の税金』を支払う必要があります。ただし、年度途中で売却した場合、きちんと手続きを行っていれば過納金分は還付されるのが一般的です。
排気量により税額が異なる
『自動車税(種別割)』の税額は、排気量や乗用車・トラック・バスなど車種によって変わります。また、営業用・自家用車では税額が異なる点もポイントです。
2019年10月1日以降に車両登録した場合、総排気量1L以下の自家用乗用車にかかる税金は、年額2万5000円です。1.5L以下では3万500円、2L以下では3万6000円と段階的に増えていきます。
なお、登録から『11年以上たつディーゼル車』および『13年以上のガソリン車』は、環境に与える影響が大きいとして通常より『概ね15%加算される』点には注意しましょう。
自動車税の税率変更により以前よりも割安に
2019年10月より『自動車税(種別割)』の税率が変更されました。
1950年の制度創設以来の変更で、2019年10月以降に購入し、新車登録をした車であれば、これまでの税額よりも年間最大で4500円安くなります。
また、これから新車を購入する場合『グリーン化特例』が適用になります。2021年4月1日~2023年3月31日までに新車新規登録などを行った車に限り、翌年度の自動車税(種別割)が軽減される制度です。
そのため、毎年の自動車税の軽減を狙う場合は、対象となる車の購入を検討するのも方法です。
なお、よく聞かれる『エコカー減税』は、新車の購入時や車検時に支払う『自動車重量税』における制度なので注意しましょう。
参考:令和元年10月 変わりました!クルマの税 [CHANGE CAR TAX]
参考:新車の「自動車税」が毎年減税! | 大きく変わった、クルマの税。
参考:自動車税のグリーン化特例の概要 – 国土交通省
参考:自動車の税って何があるの?|大きく変わった、クルマの税。
自動車税の支払い期限はいつ?
『自動車税(種別割)』の支払い時期になると、納税通知書が届きます。支払いの期限はいつごろなのでしょうか?年度途中での購入の場合、いつまでに支払うことになるのかも知っておきましょう。
原則毎年5月31日が期限
『自動車税(種別割)』の納税は、原則『毎年5月31日』の締切が一般的です。多くの自治体では、5月ごろになると納税通知書が届き、設定された期限までに支払いが必要になります。
ただし、期限は都道府県の条例によって定められているため、例外もあります。例えば、青森県・秋田県は6月末が期限とされているようです。
納税通知書をチェックして期限を把握し、滞納しないように支払いましょう。
参考:総務省|地方税制度|自動車税・軽自動車税種別割
参考:自動車税種別割|青森県庁ウェブサイト Aomori Prefectural Government
年度途中の購入は車両登録時に支払い
年度途中で車を購入した場合、『自動車税(種別割)』を支払うタイミングは『車両の登録時』です。毎年の支払いとは異なり、車両登録と同時に支払いが求められます。
新車を4月1日以降に購入した場合、車両登録の翌月~翌年3月までの自動車税が月割で発生します。
中古車の場合でも、以前の持ち主は自動車税の過納金分の還付を受けていることがほとんどなので、購入者は年度末までの自動車税の支払いが必要です。
年度途中に自動車を購入・売却した場合
年度途中に車を購入・売却すると『自動車税(種別割)』の扱いはどうなるのでしょうか?税金は返金されるのか、また軽自動車の場合はどうなるのかも見ていきましょう。
年度途中に売却した場合は返金される
年度途中に車を売却した場合、月単位で自動車税(種別割)が返金されます。ただし、自治体から返金があるのは、売却した車が『抹消登録』してある場合のみです。
還付がある場合、抹消登録から数カ月後に『還付通知書』が送られてきます。車の所有者変更だけでは税金の返金はされないので、注意しましょう。
また、ほとんどの場合、買取業者が自動車税の支払い状況も考慮して、買取価格を算出してくれます。税金を支払っている分、少し上乗せした値段で車が売れると考えると、還付と大きな差はないでしょう。
なお、売却の際には納税証明書が必要になるので、自動車税を支払っていない場合は売却できません。
参考:都税:自動車税種別割 | 都税Q&A | 東京都主税局
自動車税は月単位で発生
自動車税(種別割)は、通常1年分をまとめて支払いますが、年度途中の購入では月単位の自動車税が発生します。月単位の自動車税は『年額を12カ月で割り、100円未満を切り捨てて算出』されます。
もし、7月に新車を購入して車両登録を済ませた場合、8月~翌年3月までの自動車税を払う必要があるということです。
また、年度途中での購入の場合、車両登録の翌月から自動車税が発生するため、少しでも節約をしたい人は月末よりも『月初の車両登録』を狙うのがよいでしょう。
例えば、7月末に買い替え・登録をまとめて行うと、8月から自動車税が発生します。しかし、車両登録を8月1日などの月初にずらせば、9月から自動車税が発生することとなり、約1カ月分の自動車税を節約できるのです。
軽自動車には月割はない
普通自動車と異なり、軽自動車には月割の制度がありません。軽自動車の自家用乗用車にかかる税金は『年額1万800円』です。軽自動車税(種別割)も、4月1日時点の所有者に支払い義務がありますが、年度途中の購入の場合は『翌年4月1日からの支払い』となります。
そのため、軽自動車を購入する場合は、4月2日以降の早い時期に購入するほどお得になります。約1年間分の軽自動車税を節約することができるのです。
ただし、売却した場合も月割の返金がない点には注意しましょう。4月2日に軽自動車を売却・抹消登録した場合でも、1年間の軽自動車税を支払う必要があります。
売却・譲渡を考えている場合は、3月中に手続きを完了させる方が税金の節約になるでしょう。