SNSやインターネット上でよく見かける『フラグ』とは、どんな意味の言葉なのでしょうか?『フラグ』単体での意味や、『フラグ回収』『フラグを折る』などの関連用語の使い方を紹介します。『フラグ』という言葉の由来についても見ていきましょう。
フラグの意味とは?
『フラグ』は、英単語の『flag(旗)』が由来の言葉です。しかし、現在ではいくつかの意味で使われています。まずは、主な使い方や意味を見ていきましょう。
この先の展開をにおわせる伏線
『フラグ』は、主に『物語の展開に関わる伏線』の意味で使われます。漫画や映画などで、登場人物が意味深な発言をすると『フラグ』と呼ばれることがあるはずです。
『フラグが立つ』は、『何らかの条件が達成された結果、今後の予測ができる状態』を意味します。よくある展開の場合、違うストーリーであっても似たような言動や状況となり、その後の展開が予想できることもあるでしょう。
また、『フラグ』という言葉を使うのは、展開予想だけではありません。『あの登場人物の台詞はフラグだった』のように、後から伏線に気付くケースもあります。
目印の意味で使われることも
メールアプリには、『フラグ機能』が備わっているものがあります。後で該当のメールを発見しやすくなるよう、目印の代わりに使う機能です。
旗のマークで表現されることが多く、もともとの『フラグ』という単語が持つ『旗』『目印』の意味で使われます。フラグ機能は、見落としを防ぐためにビジネスで使われることも多いでしょう。
フラグ機能の使い方としては、後で確認したい大切なメールに『フラグ』を立てておき、仕分けるのが一般的です。『フラグ』を立てたメールだけを探し出すことができるため、多くのメールに埋もれてしまうリスクを軽減できます。
フラグの由来は?
日本で使われている『フラグ』の由来は、プログラミング用語といわれています。ゲームの分岐点を表す言葉としても使われ始め、現在のように幅広い層に広まったようです。
プログラミング用語が語源
『フラグ』は、コンピューターのプログラムを作るときに使われているプログラミング用語です。
条件の達成または未達成を判定するための変数が『フラグ』と呼ばれます。設定した条件を達成すると、特定の動作がプログラム上で行われる仕組みです。
例えば、『右に進む』『左に進む』という2択の場合、右に進むを選ぶと特定の動作が発生し、左に進むと何も起こらないといった内容が考えられるでしょう。
『条件を満たすと何かが起こる』ということから、コンピューター関連の用語以外でも『前兆』の意味として使われるようになっています。
ゲーム用語として使われ始めた
もともとコンピューター関連の用語である『フラグ』は、ゲーム用語としても広まっています。
選択肢によって展開が変わるゲームの場合、条件を満たすと特定のイベントが起こります。この条件のことを『フラグ』と読んだのが始まりのようです。
ゲームの制作者はプログラミングとも関わりが深く、プログラミング用語の『フラグ』と同じ意味でゲームの分岐点を表現していたと考えられます。
この場合、『イベントやエンディングに向かう条件がそろった』ことを『フラグが立つ』と表現します。
フラグの使い方
『フラグ』という言葉は、単体で使われるだけではありません。『~フラグ』や『フラグ回収』など、ほかの言葉と組み合わせて使われます。主な使い方や意味を見ていきましょう。
伏線が回収される「フラグ回収」
『フラグ回収』は、『伏線が機能すること』を意味します。
例えば、推理小説で事件の犯人がそれとなく分かるような言動があり、その通りの展開になった場合『フラグが回収される』といいます。『自分が予想していた通りの展開になった』というときにも使われる言葉です。
また、意味深な台詞や行動があったにもかかわらず、伏線に触れずにストーリーが終了してしまったときは『フラグが回収されなかった』ともいいます。
バリエーション豊富な「~フラグ」
『フラグ』は、あくまでも『一定の条件を満たすと特定の現象が起こる』という条件分岐の意味です。そのため、状況に合わせて別の単語を『フラグ』の前にくっつければ、『~フラグ』と使うことができます。
例えば、『恋愛フラグ』なら、恋愛が始まる条件がそろったという意味です。『死亡フラグ』『生存フラグ』は、登場人物が死んでしまう、または生き残る可能性が高いときに使われます。
また、仕事が忙しく残業を言い渡されそうなときに、『残業フラグが立った』のような使い方をされることもあります。『~フラグ』はバリエーションも多く、ちょっとした自分の状況を伝えるときにも使いやすい言葉なのです。
パターンを外れるのは「フラグを折る」
展開予想をしていても、予想通りにならないことはよくあるでしょう。そんなときに使われるのが『フラグを折る』という言葉です。
『仲間になると思っていた人がならなかった』『裏切ると思っていた登場人物が裏切らなかった』など、予想外の展開が起きたときに使われます。驚くような展開だけでなく、予想通りにならなくてがっかりしたときに使うこともあるでしょう。
また、フラグを折るキャラクターや人物のことを『フラグクラッシャー』と呼ぶこともあります。
構成/編集部