夏の猫は早起きすぎる…!?困った「猫目覚まし」の理由と対策まとめ
活発な年頃の猫と暮らしている飼い主さんならきっと経験があること。それは…
「猫が早朝に起こしにくる」!
彼らには平日もお休みも関係なく、特に夏は冬に比べて朝が早すぎる傾向にあります。
あの手この手で起こしにくる「猫目覚まし」を、どうにかやめさせたいと思っている方もいることでしょう。
というわけで今回は、猫が朝早い理由とやめさせるための対策をまとめてご紹介します。
夏の猫は超・早起き!
もちろん猫によって個体差がありますが、夏の猫は特に朝早く起きがちです。
冬は7時くらいまで寝かせてくれていたのに、夏が近くなるにつれ6時、5時と起きるのが早くなり、ついには早朝4時過ぎからニャーニャーと元気に鳴き出すなんてことも。
「目覚まし時計より先に猫に起こされる」
「毎朝猫パンチ」
「今日も早朝から暴れてる」
などと、強制サマータイムになる猫目覚ましにグチをつぶやく飼い主さんたちも多く、もはや夏の猫あるあるといえるでしょう!
夜行性じゃない?朝早いのは猫の本能でもある
猫が明け方から活動し出すのは、「薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)」という猫本来の行動パターンに起因しています。
猫は夜行性だと思われがちですが、実際には薄明薄暮性で、明け方や夕暮れ時など薄暗い時間帯に活発に動き回る習性を持っています。
特に日中の気温が高くなる季節は、過ごしやすい早朝や夕方に狩りを行うメリットもあったと考えられています。
つまり、猫がまだ薄暗い早朝に起きて元気に走り回ったり大声で鳴くのは「テンションが上がっている」状態なので、本能的には仕方がないことといえるんですね。
夏は夜が明けるのが早いため、体内時計もそれに合わせて早まってしまうのでしょう。
猫が早起きするよくある理由ベスト3
猫が早起きして飼い主を起こしに来るのは、習性とは別に理由がある場合もあります。
猫が朝早く起こしに来る理由のなかでも、SNSなどで特によく見かける理由ベスト3がこちらです。
①「お腹空いた!」
猫が人間を起こす理由で恐らく最も多いのが「お腹が空いたからごはんをよこせ」というもの。
「起きる=朝ごはんの時間」がセットになってインプットされている猫の場合、夏とともにごはんの時間もサマータイムになってしまいます。
しかしこれは、飼い主はごはんをくれる人なんだとちゃんと分かっているからこそでもあります。例えばご家族で猫を飼われていて、お母さんがごはん係だったりすると、ちゃかりお母さんだけを起こしにいくようなネコチャンもいるでしょう。
活動的になる朝方にお腹がすくというのは理にかなった理由ですが、毎日4時や5時に起こされてごはんの催促をされては人間はたまったもんじゃないですよね…(笑)
②「遊んで!撫でて!かまって!」
続いて多いのが、「暇だから遊んで」もしくは「甘えたいからかまって」という理由。多頭飼いの猫だと飼い主が寝ていても勝手に運動会をしてくれることもありますが、1匹だとそうもいきません。
テンションが上がっている早朝に遊び相手を求めて飼い主を起こしにくるのは、特に仔猫や若くて活発な猫に多いでしょう。
甘えん坊の猫や甘やかされ慣れている猫だと、とにかくかまってほしくて飼い主を起こすというパターンもあります。飼い主は寝ているだけで不在にしているわけではないのですが、1人で起きていると寂しくなってしまうことがあるんですね。
ちなみに筆者宅の猫は正にこのパターンで、毎朝人間が起きるとまるで数日ぶりに再会したかのような喜び方で甘えてくれます…
③「トイレをきれいにして!」
3つ目は、トイレをしたいのに汚れていてできないから「早くトイレをきれいにして」という理由です。
こちらは②とは逆に、多頭飼いの家だと多いかもしれませんね。
例えばシステム式のトイレだとしても、きれい好きな子やこだわりの強い子の場合は排泄物が残っていると絶対にしたくないということがあります。
猫の早起きをやめさせる対策4つ
可愛くも困った行動である猫の早起きですが、やめさせることはできるのでしょうか?
あんまりうるさいので寝不足気味、早朝から鳴くので近所迷惑にならないか心配…など、本気で悩んでいるという飼い主さんは、以下のような対策を試してみてください。
①自動給餌器を使う、ごはんの時間を工夫する
まず①の「お腹空いた!」に対する対策としては、自動給餌器を使うというものがあります。
自動給餌器は、予めタイマーをセットしておけば指定の時間にフードが出てくるという便利なアイテムです。ごはんを用意する手間が省けるため、最近は使っているお家も増えましたよね。
ごはんの催促のために朝起こされるという飼い主さんにはおすすめです。
また他にも、ごはんをあげる時間を工夫するという方法もあります。前日の夜、ごはんをあげる時間を遅めにずらすことで、早朝にお腹が空かないようになるかもしれません。
②寝る前や昼間にたっぷり遊んであげる
②の「遊んで!かまって!」への対策としては、日中に遊んであげる時間を増やしたり、寝る前にもしっかりかまってあげるというものが挙げられます。
日頃あまり運動していないストレスで早朝に荒ぶっている可能性もあるので、昼のうちにたくさん動かせてみましょう。いつもより疲れてぐっすり寝てくれるようになるかもしれません。
猫はコロコロモードが変わるので、個人的には長時間遊ぶ・長時間かまうをするよりも、5分10分程度の短い時間で数を増やした方が効果があると思っています。
ただしあくまで気分次第なので、前日いくらかまってあげたとしても「早朝に甘えたい気分になった」時には仕方ないと思っておきましょう(笑)
③猫のトイレを増やす、きれいにしておく
③の「トイレをきれいにして!」の対策には、猫トイレの数を増やすのが有効です。猫のトイレは頭数+1が適していると言われているので、スペースに余裕がある家であれば予備を1つ用意しておいてあげると良いでしょう。
また、少し高くつきますが、最近では全自動猫トイレなども発売されているので、きれいなトイレじゃないと絶対にしないというネコチャンには試してみる価値があるかもしれません。
トイレを増やしたり買い替えたりするのが難しい場合は、夜寝る直前に必ず全てのトイレをきれいにしておきましょう。
④遮光カーテンやシャッターで外の光をシャットアウトする
もう1つ、いつも朝日が昇り始める頃に起き出すという猫の対策におすすめなのが、室内に外の光が入ってこないように工夫するというものです。
要は、部屋の中にいる猫に「まだ夜が明けていないよ~」と思わせておくのです。
明け方に元気になるという猫の習性を直すことは困難ですが、外の気配をできるだけ感じさせないことはできますよね。
にわとりのように夜明けを察知し、元気よく鳴き始めるというネコチャンの飼い主さんはぜひ試してみてください!
うるさいからって言うことを聞くのは逆効果?
猫の早起きをやめさせたいならば、やってはいけないのが、うるさいからといって毎朝起こされるたびにすぐに起きてしまうことです。
猫の言うとおりに要求を飲んでしまいすぎると、「鳴く→飼い主起きる→ごはんが出てくる」という風に猫の中で習慣化されてしまいます。
猫は思いのほか賢いので、「騒げば飼い主は起きるし自分の思い通りになる」ということを覚え、益々直すことはできなくなるでしょう。
ちなみに夜鳴きなども同様で、真夜中にうるさいからといって鳴き止ませるためにおやつなどをあげていると習慣化してしまうのでおすすめしません。
当然ながら、大声で叱るなどもNGです。
性格にもよりますが、トイレなどの生理的要求ではない場合、早朝にいくら騒いでも無視を貫いていれば「こいつはいくら鳴いても起きないな」と猫は学習します。
根性のある子だと飼い主を噛んだり物を落としたりと強硬手段に出る場合もありますが、諦めがいい子であれば無駄なことはしなくなるので、無視しているうちに徐々に起こさなくなってくるはずです。人間のリズムを優先させたいのであれば無視するのも1つの手です。
(ただし、異常に鳴き続けるなどの場合は猫の体調や室内に異変がないか気を付けてあげてくださいね!)
開き直って猫ファーストにするなら、夏は早起きをしよう♪
「夏の猫が早起きすぎる問題」について、理由や対策をまとめてご紹介しました。
やめさせる対策にはなりませんが、猫に起こされるストレスを無くす方法としては「開き直って人間も早起きする」というものもあります!
人間の方が猫に合わせて、夏は思いっきり早寝早起きをするのです。
出社や通学時間にはまだ早いということであれば、空いた時間を朝活に回したり、猫様の要求を一通り叶えた後に少しだけ二度寝するのも案外幸せなのでおすすめですよ。
夏になると飼い猫が朝早く起こしに来るのなら、開き直って人間もサマータイムを楽しんでみてはいかがでしょうか?
文/黒岩ヨシコ