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新型「スズキ・ソリオ」で行く南房総館山わん楽 海鮮三昧の旅 “わんこと行くクルマ旅”前編

2021.01.21

愛犬と旅行に行くなら、この一台で決まり。スズキ・ソリオがさらなる進化を遂げて登場!

国産コンパクトカーの中で、誰が何と言おうと、ドッグフレンドリーカーとして最高・最上の1台として挙げられるのが、スズキ・ソリオ。扱いやすさ抜群の5ナンバーサイズのコンパクトカーにして、両側スライドドアと大空間を備えた先代のパッケージ、走行性能、ドッグフレンドリー度の素晴らしさもさることながら、2020年12月に発売されたばかりの4代目は、コンパクトトールワゴン、プチバンとしての資質をさらに高め、ドッグフレンドリーカーとしての機能、魅力をも大きく進化させた新型なのです。

そんな新型ソリオの登場を心待ちにしていたのが、わが家の3代目自称自動車評論犬!? 旅するジャックラッセルのララ。さっそく、新型ソリオでの“わんこと行くクルマ旅”を計画。こうした時期ですから、万全の対策を行ってお出かけすることに(スタッフの健康管理も徹底して行いました)。

動画でもチェック!

https://youtu.be/JN8hg_H0Dg4

目的地は、わが家を起点にすれば、マイクロツーリズムと言える、南房総・館山の平砂浦海岸沿いにある、いつか訪れてみたいと思っていた愛犬同伴専門のリゾートホテル、わん楽です。こちらは小型犬、中型犬のみを受け入れている宿で、大型犬のラブラドールレトリーバーのマリアがいた頃は、行きたくても行けなかったところなのでした。


春のわん楽 イメージ


夏のわん楽 イメージ

わん楽には貸し切り温泉風呂が2か所あり、房州伊勢海老や地魚を使った料理が自慢ということなので、この季節にはぴったりの目的地ではありませんか。


館内には2か所のたてやま温泉が


夕食のイメージ(撮影 青山尚暉)


朝食のイメージ(撮影 青山尚暉)

館山はインスタ映えもしそうな絶景の立ち寄りポイント、愛犬同伴可能なランチスポットも数多く点在し、まさに海鮮三昧の “わんこと行くクルマ旅”を、くどいようですが、万全な対策を行いつつ、スズキ・ソリオとともに楽しもうというわけです。

さて、新型ソリオには、標準車=ソリオと、カスタム系のバンディットがあり、今回の”わんこと行くクルマ旅”のために用意したのは、南房総の海沿いを走るドライブにぴったりの鮮やかなスピーディ―ブルーメタリック×ブラックツートーンルーフのバンディットHYBRID MVと、青空と青い海、白壁のわん楽に映えるフレイムオレンジパールメタリックのソリオHYBRID MZの2台。つまり、どちらも時代が求める電動車のマイルドハイブリッド仕様でした(ソリオにはガソリン車もあり)。

まずは新型ソリオについて簡単に説明すると、先代に対して全高はそのままに、全長を80mm(バンディットは70mm)、車幅を20mm拡大。それでも全長3790×全幅1645×全高1745mmと、5ナンバー車としては車幅が狭めの扱いやすいサイズにとどめているのがスズキ流。しかも、サイドミラー形状を工夫し、ミラー・トゥ・ミラー幅は前代とほぼ同一。つまり、新型でも、先代がギリギリ通れた道をクリアできるというわけです。

エクステリアは一目で新型と分かるデザイン。それもそのはず、ボンネットを45mm(バンディットは25mm)高くして、ソリオ、バンディットとともに、一段と堂々とした、今風の厚みと存在感あるフロントマスクが与えられているのです。また、全幅20mmの拡大によって、ボディサイドの質感を高める抑揚あるデザインを実現しています。


ソリオ・バンディット


ソリオ


ソリオ・バンディット

2列シートのプチバンと呼んでいいソリオがコンパクトカーとして最高・最上のドッグフレンドリーカーと断言できる大きな理由が、室内空間、そしてラゲッジスペースの驚くべき広さ。前後席の広大すぎる、なんと後席、後席フロアで大型犬が寛げるほどの大空間は先代と変わりませんが、全長80mmの拡大は、ラゲッジルームの奥行拡大に充てられています。これは先代ユーザーの要望にしっかりと応えてくれた結果で、とくにわが家のように、”わんこと行くクルマ旅”でララ用のマイベッドまで持参するような、大荷物でのお出かけ常習者にはうってつけではないでしょうか。

何しろラゲッジルームは機内持ち込みサイズのキャリーケースが5個も積める容量があり、なおかつラゲッジルームの床下にも、機内持ち込みサイズのキャリーケースが入る深いスペースまで確保されているのです(2WD車)。今回はわが家2人とララの”わんこと行くクルマ旅”ですが、4~5名乗車でのクルマ旅でも荷物の積載に不自由することはないでしょう。

パワーユニットは定評ある4気筒、1・2L、91ps、12・0kg-mに、リチウムイオンバッテリーとともに、3・1ps、5・1kg-mのモーターを付加。より実燃費に近いWLTCモード総合燃費は2WD車で19・6km/Lと、素晴らしい燃費性能を達成しています(今回の実燃費は後編にて紹介)。

いよいよ、2台の新型ソリオで南房総、館山に出発です(1台はスタッフカー)。この日は雲ひとつない冬晴れの晴天。海沿いのドライブ、ビーチリゾートへの“わんこと行くクルマ旅”には最高のお天気でした。

モータージャーナリストにしてドッグライフプロデューサーでもあるボクが運転席、カミサンが助手席。そしてジャックラッセルのララは、スズキ純正アクセサリーの後席用シートクリーンカバー(愛犬を乗車させるのに最適)を敷いた後席に陣取りました。

ソリオの後席は、左右5:5分割で前後165mmのスライド量を持っていて、後席に愛犬を乗せる場合は、「後席を前端位置にセットすると、シートクリーンカバーがより安定し、飼い主のいる前席との距離が近くなり、犬は一段と安心安全に乗車していられるわん」(ララ談)とのこと。結果、ラゲッジルームの奥行きが最大限(最小550mmから最大715mmに)にもなるというわけです。

ちなみに、新型ソリオ・バンディットのスピーディ―ブルーメタリックのボディカラーに合わせて、今回のために手に入れた!?メタリックブルーのキャリーケース(高さ48×幅35×マチ23cm/33L)は、ラゲッジルーム床下のサブトランクにすっぽり収納。こんなにたっぷり容量のサブトランクを持つコンパクトカーを、ボクはほかに知りません!!

このほかにも車内にはドッグフレンドリーカーとしてもうれしい、使い勝手抜群の多数の収納、ポケットがあるのですが、詳しくは中編で紹介します。

そうそう、新型ソリオは全グレードに、贅沢にも6エアバッグを標準装備するとともに、この時代に欠かせない、進化した先進運転支援機能のスズキ・セーフティサポートを搭載。さらにスズキの小型車初搭載のカラーヘッドアップディスプレー、全車速域追従型のACC(アダプティブクルーズコントロール)、さらに後席の空調環境を高めるスリムサーキュレーター(風量は4段階。2段階目までなら送風音が気になりません)、スマホ時代に欠かせないUSBソケット、全方位モニターなど(一部グレードにオプション)も新採用し、使い勝手と快適性を大きく高めているのです。このあたりも、中編、後編でしっかり説明します。「ここですべてを説明していると、いつまでたっても出発できないわん!!」とララも言ってますから・・・。

現在、南房総・館山へのアクセスは快適です。東京からなら、海の上を走る爽快なアクアライン~館山自動車道で、途中休憩にもいい、テラス席もあるハイウェイオアシス富楽里を経由し、一気に富浦ICまで南下できるのです。そこからは館山バイパスを走り、海沿いの菜の花街道とも言える、気持ちのいいドライブが楽しめる房総フラワーラインへ。富浦ICから目的地のわん楽までは約21キロ、30分。つまり、東京からであれば、約2時間の行程のほとんどが、ACC(アダプティブクルーズコントロール)が活躍する高速走行になるのです。

それにしても、アクアライン~館山自動車道を走る新型ソリオ・バンディットは快適そのものです。電動車の新型ソリオのマイルドハイブリッドモデルは、出足、低速域では、微力ながらもモーターアシストが効いて、素晴らしく静かに、上質感たっぷりな滑らかさを維持したまま加速してくれます。走り始めた瞬間から、クラス、価格を超えた満足感が得られる・・・と言っても過言ではありません。とくに車内のコンパクトカーの域を超えた静かさは、シートクリーンカバーを敷いた後席に乗車したジャックラッセルのララが、出発してすぐに寝息を立てていることからも証明されるでしょう。聴覚に優れた犬、いや、ララは、あまり静かではないクルマに乗車すると、落ち着かず、寝ているどころじゃなかったりするのです。

実は、新型ソリオは先代にも増して車内の静かにこだわっていて、専門的な話をすれば、ルーフに高減衰マスチックシーラーを使い、すべてのピラー(柱)に発泡剤=バッフルを充填、リヤフェンダー内にライニングを追加したことで、雨音やロードノイズを低減。ライバル圧倒の静粛性(停止、走行時ともに)を実現しているのです!

乗り心地も素晴らしいの一言。ボディの随所に剛性アップや操縦安定性の向上に効く構造用接着剤を用い、先代ではフロントだけだった、乗り心地に効くサスペンションのウレタンブッシュを前後に奢(おご)ったほか、コスト高になる高応答タイプのダンパーを使い、リヤサスペンションのストロークをUPするなどしたことで、並みのコンパクトカーとは一線を画す、上級車さながらのしなやかかつフラットな、上質極まる乗り心地を示してくれるのです。とくに、一般道のマンホール越え、高速道路の継ぎ目の乗り越えでのショックのいなし方は、クラスを大きく超えたものだと断言していいと思います。

高速道路では、全車速追従型になったACC(アダプティブクルーズコントロール)を使って、ペダル操作不要のクルージング。前車に追従走行できるだけでなく、車間を一定に保ってくれるため、プレ自動ブレーキの役割をも果たしてくれるので、ドライバーの運転にかかわる疲労低減につながるだけでなく、安全性も大きく高まるというわけです。

そうそう、富浦ICから館山に向かう途中、内房線の無人駅、那古舟形駅をかすめる、びっくりするほど狭い道を通ることになるのですが、5ナンバーサイズのコンパクトカーの中でも幅が狭めとなる1645mmの全幅だけに(多くは規格ギリギリの1695mm)、対向車とのすれ違いもスイスイ、楽々。まったく緊張せずに済んだのです。軽自動車並みと言える最小回転半径4・8mの小回り性の良さとともに、ソリオの日本の道(裏道)にぴったりな扱いやすさ、走りやすさを強く実感した場面でした。

お昼時は、富浦ICから約6キロ、10分の距離にある、口コミ評価も高い、海沿いにある渚の駅たてやま2階にある館山なぎさ食堂のテラス席で、青々とした海を望みながら海鮮丼などのランチをいただき、この時期でも菜の花が道の両側に咲いている海沿いの房総フラワーラインを南に進み、いよいよ、わん楽に到着です。館山には、迷いやすいクランク路も多いのですが、ナビに加え、運転視界に入るカラーヘッドアップディスプレイの簡易ナビ(交差点案内)表示によって、迷うことなくたどり着けました。こうした機能も安全運転に直結しますよね。

 

わん楽に到着する頃に、改めて気づいたのは、新型ソリオの想像以上の快適性。全方位の視界、乗り心地や静粛性に優れているだけでなく、前席のかけ心地の良さもあって、約140キロを走破しても、腰などの疲れがまったくなかったことでした。せっかくの”わんこと行くクルマ旅”も、目的地に到着したときに、ドライバー、乗員、愛犬がクルマ疲れしてしまっていたら、それからの楽しみも半減。新型ソリオは、その意味でも、文句なしのロングドライブを堪能させてくれたのです。先代も素晴らしかった、クラスを超えた走行性能の上質さが、一段と進化し、磨かれた印象でした。

房総フラワーラインを進み、白壁にオレンジ色の屋根が特徴的な館山リゾートホテル(旧アクシオン館山)のすぐ手前が、今回の目的地のわん楽です。2011年9月に開業した、館山の平砂浦海岸に面して建つわん楽は、白壁の瀟洒な建物が青空に映える”海辺のわが家のように滞在できる”がコンセプトの愛犬同伴専門のリゾートホテル。

客室は、1階に3部屋。すべて、ウッドデッキから芝生のドッグランに直接出られる設計で、101号室、102号室は海に面したお部屋(砂山によって海が見えにくくなっていますが)。103号室は山側ですが、テラスは芝生のドッグランに直接面しています(いずれも28㎡+ウッドデッキ)。また、館山の海一望の2階には、55㎡もの4人用の和室付き205号室のほか、全4室を用意。なお、ユニットバス付のお部屋は101、201、205号室の3室。それ以外はユニットシャワー付きになっています。滞在すれば分かると思いますが、シャワーだけでもまったく問題ありません。

なぜなら、ふたつの貸し切り”温泉”風呂が1階にあるからです。付帯設備としては、ロビーラウンジ、ダイニング、そして芝生のドッグランから続く、わん楽自慢の夏季営業のガーデンプール(飼い主&わんこ用)が。

 

 

新型ソリオを駐車場に滑り込ませると、スタッフがお出迎え。体温測定、手の除菌をしっかりと済ませ、ララをドッグランで軽く遊ばせた後、館内へ(靴を脱ぎます)。

愛犬家をうならせるのは、わん楽の”愛犬ファースト”の考え方。第一のゲストは愛犬で、飼い主はそのつぎなのです。ウエルカムボードに、ララちゃんと青山様・・・と書かれているのが、その証拠です。青山様とララちゃん、ではないのです。

安心かつスマートなのは、チェックイン手続きをお部屋で行うこと。今回、わが家は1階の101号室に滞在。お部屋のテーブルで、ウエルカムドリンクをいただきながら、ゆったりとチェックイン手続き。館内、夕食(午後6時スタート)の案内を受けるとともに、ララが大いに!?気にしている、3種類から選べるわんこ夕食のオーダーもこのタイミングで。ちなみに、わん楽の宿泊予約は部屋番号指定が基本。HPで各部屋のレイアウトや料金を参考にして、ダイレクトにお部屋を選ぶことができるのです。どんな部屋に通されるか分からないより、嬉しいですよね。

101号室は、ウッドデッキから芝生のドッグランに直接出られる、愛犬、飼い主にとって理想的な、1年中温暖気候の南房総の日差しが差し込む明るいお部屋。真冬なのに、暖房を入れずとも、室内はポカポカでした。入ってすぐ右側が、贅沢にもふたつの洗面ボウルがあるパウダールーム、その奥がユニットタイプのバスルーム。入ってすぐ左にはフルオートマチックのトイレがありました。

その先の左側がテーブルといすのある、一面窓のリビングスペース(ミニ冷蔵庫や湯沸かしポット、グラス類、お茶セット、アルコール消毒液、ペットアメニティ、クローゼットなどもここに)。そして右奥が、大型液晶TVが設置された、これまた一面窓のツインベッドルームになっています(現在、ホテルHPに掲載されている写真の調度とは一部、異なっていました)。床は、汚れに強く、清掃性に優れた、犬の足にやさしい素材のようでした。

さて、いよいよ、新型ソリオで訪れた、南房総館山のわん楽でのリゾート滞在の始まりです。ララは101号室のお部屋の中を探検するように歩き回り、さっそくペットアメニティを発見。恒例のペットアメニティチェックを始めているようですよ・・・。

中編につづく

中編では、新型ソリオの室内空間、ラゲッジルームの詳細、ドッグフレンドリーポイント、わん楽のドッグラン、ふたつの貸し切り温泉風呂、そしてわん楽滞在の最大の楽しみと言える、板前さんが腕を振るう、房総の海の幸をふんだんに使った、大満足間違いなし!!の自慢の海鮮料理の夕食などを紹介します。お楽しみに。

スズキ・ソリオ

https://www.suzuki.co.jp/car/solio/

スズキ・ソリオバンディット

https://www.suzuki.co.jp/car/bandit/

わん楽

http://wanraku.jp/

写真/雪岡直樹

文/青山尚暉(あおやま・なおき)

ドッグライフプロデューサー、モータージャーナリスト。雑誌編集者を経験した後、フリーのジャーナリストに。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員も務める。愛犬家でもあり、愛犬とのドライブ術、ペットと泊まれる宿に関しても詳しく、Web、専門誌、一般誌、ラジオなどで「愛犬との快適安心な旅スタイル」を提言中。現在、ラブラドールレトリーバーのマリアを149カ月で見送り、ジャックラッセルのララと暮らしている(どちらも保護犬)。PETomorrowのほか、レスポンス、カートップなどでも愛犬とクルマ関連の記事を連載中。20164月には、愛犬とのドライブ旅行の集大成となるムック本『愛犬と乗るクルマ』が発売されている。輸入車の純正ペットアクセサリーの企画、開発、プロデュースにも携わる。愛車はシニア犬の乗降性にもこだわった、愛犬仕様にアレンジしたステーションワゴン。

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