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犬はじゃがいもを食べられる?おすすめレシピ&犬もOKな野菜【冬編】

2021.12.10

犬はじゃがいもを食べられる?おすすめレシピ&犬もOKな野菜【冬編】

袋に入ったじゃがいも

ホクホク美味しいじゃがいもは、大人も子供も大好きな人気の冬野菜。調理しやすくレシピも多いので、愛犬と一緒に食べるおやつにもぴったりです。

というわけで今回は、犬が食べられる野菜シリーズ第三弾【冬編】!

じゃがいもの栄養素や犬に食べさせるときの注意点、犬も食べられるじゃがいもレシピなどをまとめてご紹介します。

 

監修:獣医師 古江加奈子

パーク動物医療センター副院長。福岡県獣医師会、福岡市獣医師会、日本獣医がん学会に所属。言葉の話せない動物を治療するうえで、動物たちに聞く代わりに飼い主から沢山のことを聞き、飼い主とのコミュニケーションを最重視するドクター。

 


じゃがいもは犬に食べさせても大丈夫!

犬にジャガイモをあげる様子

冬が旬のじゃがいもは、犬に食べさせても良い野菜の一つです。コスパと腹持ちが良く加工しやすいことからドッグフードの原料に使われることもあり、犬にとっては身近な野菜なんです。

ほんのりと甘さもあるので、さつまいもと同じく好んでおやつに食べるワンコも多いかもしれませんね!

しかし一方で、じゃがいもを犬に食べさせるときにはいくつか注意しなければならないことがあります。一歩間違えると愛犬の健康を害する危険もあるため、与えるときは後述の注意点をよくチェックして下さいね。

エネルギー源やビタミンC補給に!犬に良いじゃがいもの栄養素

ちょっと意外ですが、実はじゃがいもはみかんに負けないぐらいビタミンCが豊富に含まれている野菜です。

じゃがいもの主な栄養成分(可食部100gあたり)

エネルギー 81kcal
炭水化物 18.1g
不溶性食物繊維 2.2g
水溶性食物繊維 1.3g
ビタミンC 11mg
カリウム 420mg
デンプン 14.4mg


※じゃがいも(蒸し)の場合

出典:食品成分データベース|文部科学省

ビタミンCは感染症の予防や免疫力の向上に効果的な栄養素です。熱に弱く、通常は加熱調理すると量が減ってしまいます。これがじゃがいもだと、豊富なデンプン質に守られているため加熱してもビタミンCが壊されにくく、効率的に摂取できるという特徴があります。

犬はビタミンCを体内で合成できるため不足しづらいといわれますが、肝臓で作られるので肝臓の悪い犬の場合は多めに摂取したい栄養素でもあります。

水溶性ビタミンなので過剰摂取になっても排泄される点からも、安心して与えることができますね。

具合の悪そうなヨークシャーテリア

デンプンは炭水化物の一種で、犬の脳や体のエネルギー源になる大切な栄養素です。

ビタミンCとエネルギーが同時に摂れるじゃかいもは、食べる量が減ってしまった老犬のおやつなどにもおすすめできます。

さらに、ミネラルの一種であるカリウムには余分な塩分を体外へ排出してくれる役目があり、高血圧予防や筋肉を正常に保つ効果が期待できます。ただし、カリウムは腎臓病や心臓病の犬にはよくない影響を与えてしまう恐れもあるため、病気を持つワンコの場合は食べさせる前に獣医師に相談するようにしてくださいね。

じゃがいもには毒がある?犬に与える時の5つの注意点

栄養満点で犬にとってもメリットの多いじゃがいもですが、実は中毒を起こす可能性がある成分を含んでいます。下処理で回避できるので、しっかりチェックしておきましょう。

こちらでは、じゃがいもを犬にあげるときの注意点をまとめました。

①天然毒素のある芽や皮、緑の部位を取り除く

芽が出たじゃがいも

じゃがいもには、「ソラニン」「チャコニン」という天然毒素が入っています。

ジャガイモの芽(芽とその芽の根元)や、皮(特に光が当たって緑色になった部分)には、天然毒素であるソラニンやチャコニンが多く含まれているので、これらの部分を十分取り除くことが大切です。

出典:ジャガイモによる食中毒を予防するために:農林水産省

ソラニン・チャコニンが多く含まれているのは主にじゃがいもの芽や皮、そして緑色の部分です。犬に食べさせる際はじゃがいもの芽を根元から取り除き、念のため皮は厚めに剥いておくなど下処理をしっかりするようにしましょう。

ソラニン・チャコニンの主な中毒症状

    • 嘔吐

    • 下痢

    • 腹痛

    • 食欲不振

    • めまい

    • 意識障害 など

 

愛犬がじゃがいもを食べた後に吐く、お腹を下す、などをしている場合はソラニン・チャコニン中毒の可能性があります。すぐにかかりつけの獣医師に相談してください!

また、中毒になるのはもちろん犬に限ったことではなく、摂取量によっては人間でも症状が起きることがあります。

ちなみに、ソラニン・チャコニンは熟していない若いじゃがいもにも多量に含まれていることがあるので、家庭菜園などで収穫したものは特に注意してくださいね。

②必ず加熱して柔らかくする

じゃがいもと鍋

生のいもは消化しにくいため、愛犬与えるときには必ず加熱して柔らかくしたじゃがいもを食べさせてあげるようにしてください。

蒸すか、煮たじゃがいもをマッシュしてあげることで消化が良くなり、食べやすくなりますよ!

③食べる量に注意する

かごに入った大量のじゃがいも

じゃがいもは食物繊維とビタミンCを含み、さつまいもなどに比べるとカロリーも低いため、ダイエット中の犬のおやつや便秘改善などに便利な食材です。

しかし、だからといって食べさせすぎは禁物です!

炭水化物が多いので、いつものフードを食べた後に毎回じゃがいもをあげて…と摂取しすぎていると肥満に繋がります。

また一度に大量に食べると胃腸への負担にもなるため、食べる量の管理は飼い主さん側でしっかりしてあげましょう。

おやつとして取り入れるのであれば、「体重5kgの犬」で「蒸したじゃがいも1日20g程度」が目安です。

④ポテチやフライドポテトなど人間用の加工品は与えない

ポテトチップス

ポテトチップスやフライドポテトなど、一般的な市販品にはじゃがいも以外の原材料も使われています。食塩や油、添加物など、犬の健康に良くないものが多いため、人間用のじゃがいもを使ったお菓子は与えないようにしてください。

また、お惣菜のポテトサラダやマッシュポテトも要注意です!見た目には分からないけど玉ねぎが入っていることなどもあるため、こちらも愛犬には食べさせない方が懸命でしょう。

⑤じゃがいもアレルギーに注意する

寝ている犬

最後に気をつけたいのが、犬のじゃがいもアレルギーです。食材の中でもじゃがいもはアレルギーを起こしにくいといわれますが、愛犬がアレルギーになる可能性はゼロではありません。

特に初めてじゃがいもを与えるときはごく少ない量からスタートして、愛犬の様子を見ながら食べさせるようにしましょう。

じゃがいもを食べた後に犬が体をかゆがったり、目の充血や下痢や嘔吐などが見られるときにはアレルギーの可能性があります。速やかにかかりつけの獣医師に相談するようにしましょう。

【獣医師×管理栄養士考案】愛犬と一緒に食べられるじゃがいもレシピ

じゃがいもはアレンジがしやすいので、愛犬と飼い主さんが一緒に食べられるレシピもたくさんあるのが良いところ。こちらでは、獣医師の古江先生と管理栄養士さんが一緒に考案した栄養バランスが良いじゃがいもレシピをご紹介します。

①フランス風マッシュポテト「アリゴ」

「アリゴ」とは、モッツァレラチーズとじゃがいもで作るフランス風のおしゃれなマッシュポテトです。無塩バターを使えば愛犬も美味しく食べられるので、ぜひ挑戦してみてください。

②ダイエットにおすすめ!リボリータ

「リボリータ」は、固くなったパンとインゲン豆などを煮込んで作るイタリアのスープのこと。野菜たっぷりの栄養満点なレシピです。

③揚げずにヘルシー♪鯖のオープンコロッケ

パン粉をまぶしてオーブンで焼く揚げないコロッケのレシピです。サバにはDHAやEPAなどの栄養素が豊富で、シニア犬にもおすすめ。低塩か無塩の鯖缶が手に入りにくかったら、無塩タイプのツナ缶などで代用しても美味しく仕上がります。

④腹持ち抜群!ポテトの春巻き

マッシュポテトを春巻きの皮でくるんで揚げ焼きにしたお手軽レシピ。じゃがいもをさつまいもやカボチャに変えれば、ほんのり甘くて美味しいおやつにもなりますよ

⑤カリカリポテトスティック

市販のマッシュポテトの粉を使って作る簡単手作りおやつです。スティック型なので食べやすく、カリカリ食感&チーズ風味なのできっとワンコも喜んで食べてくれるはず!

じゃがいも以外にもある?犬が食べてもいい野菜【冬編】

最後に、じゃがいも以外に犬が食べてもいい冬の旬野菜をいくつかご紹介します。

※どの野菜を与える場合も、食べ過ぎや食物アレルギーには注意するようにしてください

①白菜

白菜1玉

冬に美味しい野菜といえば、白菜。白菜は犬が食べても良い代表的な冬野菜です。ビタミンやミネラル、食物繊維などが含まれていて、免疫力アップや代謝促進などの効果が期待できます。たくさんの水分が含まれているので、水をあまり飲まないワンコの水分補給にも役立つでしょう。

注意点として、白菜には甲状腺ホルモンの生成を阻害する成分が入っています。あまりに大量に与えない限り健康な犬に影響はないと言われていますが、甲状腺機能に持病があるワンコの場合は念のためかかりつけの獣医師に相談してから与えるようにしましょう。

②大根

カットした大根

大根もまた、冬を代表する野菜の一つ。カリウムや消化酵素などの栄養素を含む大根は、犬が食べても大丈夫な野菜です。

消化酵素は熱に弱いため、消化促進などの効果を期待する場合には加熱調理しない方がベストです。生の大根は消化しにくいので、大根おろしにするか、絞り汁などからはじめてみるのが良いでしょう。

ただし、生の大根は辛味が強く犬があまり好まないこともあるため、先に飼い主さんが味見してあげることをおすすめします。

食べ過ぎてしまうと反対に下痢になってしまうことがあるので、与え過ぎには注意してくださいね。

③かぶ

大量のかぶ

漬物や煮物など調理方法が多いかぶは、犬が食べても大丈夫な野菜です。かぶの白い根の部分にはビタミンCや消化酵素が含まれ、葉や茎の部分にはβカロチンやビタミンBなどが多く含まれています。

実は葉や茎の方が栄養価が高いともいわれるかぶですが、犬にとって葉や茎は消化しにくい部分でもあります。消化不良を起こさないように、愛犬に与える際には加熱してから細かく刻んであげるようにしてくださいね。

④ほうれん草

まな板の上のホウレンソウ

ほうれん草は栄養価が高く、犬の健康にも優秀な効果を発揮してくれる緑黄色野菜です。

貧血予防になる鉄分、風邪などの感染症予防効果があるビタミンC、カルシウム不足による骨粗しょう症などが予防できるビタミンKなどを豊富に含んでいるため、老犬のご飯にもおすすめです。

ただし、ほうれん草のアクに含まれるシュウ酸という成分は、摂りすぎると尿路結石の原因となることがあるといわれています。愛犬に食べさせるときには必ずさっと茹でてアク抜きしてから、消化しやすいように細かく刻んであげるようにしてくださいね。

⑤ブロッコリー

まな板の上のブロッコリー

一年中スーパーに並んでいるブロッコリーも、実は冬が旬の野菜です。ビタミンやミネラルが豊富なだけでなく、ブロッコリーに含まれるスルフォラファンという成分は発がん抑制効果が期待できると近年注目を集めています。

犬に食べさせても大丈夫ですが、食物繊維が豊富で胃腸の負担になりやすいので必ず茹でたものを与えるようにしましょう。茎が固い場合は、皮をピーラーなどで厚めに剥いてからゆでてあげると良いです。

また、ブロッコリーもほうれん草と同じくシュウ酸を含んでいるため、シュウ酸尿石症の既往歴がある犬には与えないようにしてくださいね。

犬にじゃがいもを食べさせるときは注意してあげよう

舌なめずりする犬

じゃがいもの栄養素や犬に食べさせるときの注意点、おすすめレシピなどをまとめてご紹介しました。

じゃがいもは、注意点さえ気をつければ調理しやすく食べやすい野菜です。この機会に、ぜひ愛犬のおやつタイムに取り入れてみてはいかがでしょうか?

文/黒岩ヨシコ

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