愛犬といっしょに過ごせる毎日を大切に…
皮膚型リンパ腫と診断されてから1か月半で急逝
ハチマキにハッピ!凛々しいモデル姿
つい数年前までPETomorrowのオンラインショップでモデル犬を務めていた愛犬のしいたけが、今年9月21日に10歳4か月で突然この世を去りました。
死は本当に突然ではあったのですが、8月7日に「皮膚型リンパ腫」という診断を受けていました。リンパ腫は中高齢の犬が罹患するポピュラーな病気で、血液のがんの一種。発生する部位によって「多中心型」「消化器型」「縦隔型」「皮膚型」などに分類されます。
犬のリンパ腫の場合は、だいたいが体表のリンパ節が腫れる「多中心型」で、「皮膚型」はものすごく珍しく(リンパ腫のなかで約5%)予後が不良な場合が多いのです。
ネットで闘病記を探しましたが非常に少なく、残念ながら早くに命を落としたわんこがほとんどで胸が苦しくなりました。
ドラえもんになったこともありました
一方で、筆者はそれならばしいたけに長生きしてもらい、「皮膚型リンパ腫の患者さんの希望の星になるんだ!」と意気込んでいたのですが、違う形でお星さまになってしまうとは。
しいたけの死を無駄にしたくありません。わずかな期間でしたが、「皮膚型リンパ腫」を患ったしいたけの異変から死までをつづりたいと思います。
背中に異変…イヤな感じのできものが出現
しいたけは、幼い頃からマラセチア皮膚炎を患っており、調子のいいときは薬用シャンプーで対応していましたが、今年4月にかなり悪化。ステロイドと抗真菌薬の服用で改善が見られたのですが、今思えばこれが皮膚型リンパ腫の兆候だったのかもしれません。皮膚型リンパ腫は、皮膚炎との区別が付きにくいという特徴がありますので、皮膚炎がある場合、注意して見守って下さい。
子犬の頃から汗っかきでかゆかゆでした
決定的に「おかしい」と思ったのは7月25日、実家に住んでいるしいたけに会いに行ったところ、背中に見たことのないできもの(腫瘤)ができていたことです。
母によれば、「3日前にシャンプーをしたときにはなかった」ということなので、3日間で突然現れたものだということになります。
直感的にイヤな感じのするものだったため動揺してしまい、写真を撮らなかったのが悔やまれます。赤くてまぁるいドーム状で、マーブルチョコレートくらいの大きさでした。
翌日の7月26日、獣医さんで細胞診(注射器で細胞を吸い出して採取)をしてもらったところ、良性か悪性か白黒の判定がつかない「グレー」という結果でした。
8月2日にできものを取る手術を受け、外注の検査センターに提出。8月7日に皮膚型リンパ腫であることが明らかになりました。
手術後、獣医さんのお手製ベストを着ておすまし
元気すぎて抗がん剤をためらってしまった
初めての節分。9年後にリンパ腫にかかるなんて!
皮膚型リンパ腫と診断された時点では、できものを取った痕はとてもきれいにふさがっており、とにかくしいたけは元気いっぱいでした。
獣医さんに今後の治療方針について、大きく分けて「無治療」「対症療法」「抗がん剤」の3パターンを提案されました。当時は元気だけれど身体のかゆみを訴えていたので、「対症療法」としてステロイドを飲ませることに。
亡くなる前に、家族間で何度か抗がん剤をやってみようかという話にもなったのですが、今はこんなに元気なのに、抗がん剤のせいで取り返しのつかないダメージを受けたり、副作用で苦しませることになったりするのはイヤだということで踏み切れませんでした。
予定していた手術の前日に急逝
しかし、9月に入ると手術痕からまたできものが発生。しかも、大きくなるスピードが速く、背中を床にこすりつけただけで出血してしまいます。これではしいたけのQOLが下がってしまうということで、再びできものを取ってもらうことになりました。
手術痕にできたできもの。2つになってる…
その手術が9月22日。手術を終えて傷あとがふさがったら、ついに抗がん剤を始める決意もしていたのですが、前日に本当にぽっくりと逝ってしまいました。直前まで玄関に迎えに来て、おやつを食べ、尻尾をフリフリしていました。「また明日ね!」と約束して別れた2時間後に死んでしまうだなんて、まったく想像のつかないことでした。
【後編】に続きます。
文/賀来比呂美