子猫って、抜け落ちた自分の歯を飲み込んでも平気なの?
僕は友達が少ないが、知り合いは多い。
その知り合いの中には「猫のことで困ったら獣医師に聞くか、松本にちょっと話を聞くだけ聞いてみよう。タダだし」とアドバイスを求めてくる人もいる。
ほとんどの質問には「専門家にお金を払って聞くのが一番」とアドバイスするんだけど、子猫についての相談に関しては、割と親身になってしまう。
今年の夏も、僕の周りで子猫を拾ってしまったという人からのいろんな相談を受けた。
子猫の生まれる時期になると、見過ごせずに救ってしまう優しい人は多いのだ。
大抵はミルクの飲ませ方、保温方法、それから排せつについての相談なんだけど、たまにあるのが「抜け落ちた歯がない!」というもの。
猫は生後11週目ぐらいから、徐々に乳歯が抜け落ちて、永久歯に生え変わる。
この際の乳歯、抜けたものを実際に目にしたことがある方は分かるはずだが、結構大きくて、誤飲したら危ないのでは? と思えるサイズなのだ。
今回は、猫が抜け落ちた乳歯を通常どう処理しているのかについての話をしていきたい。
乳歯は飼い主が見つける前にカリカリと一緒に飲み下してる!?
もしかすると、このコラムをご覧の方々の中にも、今年の夏頃に子猫を保護して飼い始めたという人もいるかもしれない。
場合によっては、それが初めての猫との暮らしであるかもしれないし、そうなると心配も不安も、毎日尽きないことだろう。
猫と暮らしたことがないなら、当然猫の乳歯が抜け落ちたらどうなるかってことが分からないということになる。
時には抜けた歯は見当たらないのに、既に永久歯に生え変わってから気付くということもある。
そうなると「食べたの?」と心配する人もいるに違いない。
ただ、猫の場合は乳歯がグラつくころには既にカリカリを食べ始めていることが多い。
そのため、食べている間に歯が抜け落ちて、そのままカリカリごと飲み込んでいるケースばかりなのだ。
だから滅多に、抜け落ちた乳歯を発見することはできないというわけである。
乳歯を飲み込んで平気?その乳歯はどうなるの?
でも、乳歯とは言え硬い物質を、抜けるたびに飲み込んで平気なのかと心配にもなるはず。
こういうときは、排せつ物をチェックすると答え合わせになる。
猫は乳歯を飲み込んでも、基本的に消化まではできず、そのままうんちとして排出することになる。
だから乳歯が抜ける時期の猫のうんちをよく観察すると、歯が入っているのを確認できるはずだ。
歯は尖っているし、腸を傷つけそうな気もするけど、そのような事態を招くことはほとんどないと考えてよい。
むしろ歯が抜けた後、歯茎から多少なりとも出血をする猫がいるので、口腔ケアのほうを心配してあげたほうがいい。
例によって出血が止まらない場合は、獣医師さんに診てもらうことをオススメする。
おわりに
僕も子猫の時期に拾ってきた猫と暮らしているけど、抜け落ちた乳歯は手元に数本しかない。
やっぱり、ほとんどは飲み込んでしまっている。
そろそろ歯が生え変わる時期になると、猫は歯茎がむず痒くなるのか、いろんなものに噛みつこうとすう。
そういうアクションを目にするようになったら、毎回のカリカリの時間、口元をじっくり観察してみるのもいいかもしれない。
もしかしたら、抜けたての乳歯がゲットできるかもしれないし、乳歯が抜けたものを飲み込む瞬間を見ることもできるだろう。
とにかく、猫が抜け落ちた乳歯を餌を食べるときに一緒に飲み込むのは普通だし、それは問題ないことだと考えておこう!
文/松本ミゾレ