可愛い動きだけどちょっと困る「猫のおしり歩き」
猫は可愛い。ルックスもそうだが、動作に至っても可愛さが爆裂している。
しかし、ときには可愛い動きなんだけど、飼い主的にはちょっと心配になったり、困ったりもするアクションもある。
その代表例が、おしり歩きである。
猫を飼っている方であれば一度ぐらいは目撃したことがあるであろう、おしり歩き。
猫が自分の前脚を使って体を持ち上げ、おしりを床に擦り付けながら前に進むという仕草である。
バランス感覚に優れた猫だからできる芸当だし、動きもユーモラスではあるんだけど、多くの場合猫のおしり歩きが見られるときは、猫にとっては緊急事態。今回はそんな彼らのおしり歩きについて、コラムを展開していきたい。
なぜおしり歩きをしちゃうのか?
変わった体勢でずんずん前に進むおしり歩き。
その見た目は大変に可愛いというのは前述のとおり。
しかし猫にとってこの体勢で歩くというのは、尋常ではない事態なのである。
その原因は多くの場合、おしりに隠されている。
たとえばおしりが汚れているときなどは、おしり歩きで床に汚れを擦り付けてでも綺麗にしようとする。
特にうんちのキレが悪かったときなどに、おしり歩きが発動する条件が整いやすい。ゆるゆるのうんちが出ている場合なんかは、床にうんちの航跡が出来てしまうことに。
あるいは猫によっては飼い主の髪の毛を食べてしまい、それがうんちに混じったことで、おしり歩きが発動することもある。
本来コロコロと出てくるはずのうんちが髪の毛でつながってしまい、おしりから出たはずのうんちがまだぶら下がっていることに気付いた猫が焦っておしり歩きをしてしまうのだ。
うんちが緩く、そのせいでおしりが汚れるなどの場合は原因を解明するためにも、その後動物病院を頼るのがいいだろう。
髪の毛を誤飲したことでうんちが前述のようにぶら下がってるという場合には、無理に髪の毛を引き抜かず、小さなハサミで慎重に切ってしまうことをお勧めしたい。これなら猫も違和感をおぼえず、おしり歩きもしなくなる。
「なんか臭い」夜中、電気を点けてみたら広がるおしり歩きの痕跡
基本的には猫はうんちをしてもキレが良く、しかも自分でおしりを綺麗にできるので、おしり歩きとは無縁と考えてよい。
だけど、やっぱり場合によってはおしり歩きをする場合もある。
我が家の場合、3頭の猫がいるが、年に1回ぐらいのペースで、このうちの誰かがおしり歩きをする。
逆に言えばかなりレアなアクションと言えるかもしれない。
しかし、それだけにたまに遭遇すると色々とショックを受けることも……。
ある晩、なんか異臭がするので布団から出て照明を点けると、思わず「うお!」と叫んでしまう光景に直面した。
おしり歩きの痕跡と思われる、おしりをずりずり擦り付けながら歩いた形跡が床中に広がっていたのだ。
すぐさま犯猫(筆者注:はんにゃんとお読みください)探しをしてみると、1頭のおしりが汚れていた。
そのまま、まずはお風呂に連れて行ってぬるま湯でおしりをシャンプーしてあげて、そこからは気合いを入れた床掃除となる。
真夜中に、汗だくになって床に這いつくばり、おしり歩きの痕跡探しをしつつ雑巾で何度も拭き上げた次第だ。
まあ、そろそろ掃除しようと思っていた頃合いだったのでちょうど良かった。
猫としても悪気があってやるわけでもないので、怒るようなことでもない。
おわりに
といったことで、今回は猫のおしり歩きについて書いていったんだけども、動きは可愛いものの、やっぱりできればそう頻繁にはやってほしくないものだ。
なにせその後の処理が大変だし、人によってはベッドの上でこれをやられてしまったというケースもあるようだし。
だけど、何度も言うが猫は一つも悪くない。
彼らは綺麗好きだからこそおしりに違和感があると必死でおしり歩きをして被害を拡大させてしまうのだ。
そしておしり歩きをするには原因がある。
それが些細なことであれば飼い主も気づいて対処できるが、もしも原因が分からない場合は、愛猫のためにも獣医さんに診てもらうなどしたほうがいい。
心配し過ぎるに越したことはないし。
文/松本ミゾレ