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戦時中、家庭から軍に供出させられた犬猫たちを忘れてはいけない。

2020.09.09

戦時中、家庭から軍に供出させられた犬猫たち




1945年に日本が敗戦した太平洋戦争が終わり、今年2020年で75年が経過した。

終戦したことによって日本の主要都市は焼け野原になったものの、戦後を生き抜いた世代の必死の努力で、先進国入りしたことはご存じのとおりである。
敗戦後の日本を短時間で立て直した先人の活躍には敬意を感じずにはいられない。

が、第二次世界大戦は素晴らしい復興劇だけを残したわけではない。
戦争は人の愚かさ、市井の悲しみを後世に色濃く伝え続けている。
以てもう二度と戦争に巻き込まれてはならないと主張する人々も多いが、まさしくこれは本心からの叫びだろう。

戦時中、大日本帝国軍は劣勢になると日本中の若い男児に赤紙を配って戦地に送り出した。
当時はこの赤紙が届くことを誉れとする風潮が根強く、「おめでとうございます」との言葉を受け、若者は「ありがとうございます」と言って出征していった。
そして実に多くの若者が、二度と故郷に戻ることも出来なかった。

戦争に巻き込まれていったのは、若者だけではない。
私たちのパートナーである犬、猫、馬などといった動物たちも、“供出”という言葉のもとに連れ出されていった。

供出とは何か?彼らは何故連れて行かれたのか?


原爆ドーム

ペットと暮らす人々に突然突き付けられた供出の要請。その意味はなにか。
戦争も末期ともなると、日本はとにかく人も物資も足りなくなった。
たとえばあるときは金属回収令なるお触れが出るようになる。国が管理する武器、弾薬生産のための鉄がないものだから、それを国民から募ることとなったのだ。

この金属回収令によって、各世帯の鍋や食器。学校などからは銅像までもが提供されることとなる。
戦争終盤では「一億総玉砕」という穏やかではないスローガンも浸透していったが、まさにこのスローガンに従わないと、白い眼を向けられるようになっていったのである。

そんな時代に出てきたお触れが、ペットの供出であった。
太平洋戦争のごく初期においては、兵隊が身に付ける衣服の毛皮部分を野生動物や野良犬の毛皮などを加工して用立てていたという。
だが、徐々にそういった物資の材料が足りなくなると、当時の大日本帝国は各世帯に協力を要請するようになった。

犬、猫、それから軍馬としても活用できる馬などはこの供出の要請の対象となってしまったのである。
もちろんこれ以外の羊やウサギなどの家畜動物もまた、毛皮や食肉のためという名目で供出の対象であった。

と同時に、この時期にはヌートリアが海外から日本に持ち込まれ、毛皮の確保のために育てられることとなる。
しかしその管理は杜撰であり、結果的に今日ではヌートリアが国内で繁殖する外来種として、私たちの頭を悩ませていることに繋がった。
これは戦争末期の滅茶苦茶な対応が、こうして今も現代人を苦悩させている事例の一つと言える。

供出された犬猫、そして馬の末路は…


ハルジオンの野草

前述のように、供出によって集まった動物たちの行く末は毛皮や食肉としての加工にある。
人によっては愛するペットを戦争のために死なせたくないとして逃がしたケースもあったようだが、実際には多くの世帯が戦時中特有の相互監視の雰囲気のせいで、供出することとなった。

大柄な犬は軍用犬として使われるため、すぐに死ぬことはなかったものの、小型犬、中型犬、猫などは有無を言わさずの末路をたどったとされている。
が、戦争末期は色々と役所も混乱しており、供出で日々集められる犬猫の管理もままならず、といったこともあったようだ。
なのでひょっとすると毛皮にも食料にもならずに、どこぞに捨てられた個体もいたのかもしれない。

しかし馬の場合は悲惨だった。
軍馬でもなんでもない農耕馬が激戦地に送られ、酷使されていったのだから。

おわりに


といった具合に、自分で書いてて非常に嫌な気分になったが、とかく第二次世界大戦中に、軍に犬猫を供出させるという動きがあったとの記録があるのは事実。
そしてそのために、大切なペットを死なせ、しかもそれを名誉なことと喜ばなくてはならなかった雰囲気があったのも事実であるということを、どうしても書きたかった。

今では到底考えられない事例であるものの、このような悲劇は別にかつての日本でだけ起きた話でもない。
世界中、戦争ともなると食料は枯渇する。
国によっては犬猫を食べて飢えを凌いだという事例も多く残っているし、戦争は本当に、一部の人間の暴走で多くの命が犠牲になることを思い知らされるというものだ。

文/松本ミゾレ

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