本気になった猫にはどんなアスリートも追いつけない!
「能ある鷹は爪を隠す」という言葉がある。
素晴らしい実力者、才能を持つ人ほど、その力を軽々しく誇示したりはしない、という意味のことわざだ。
僕には縁のないことわざだけど、これがぴったり当てはまる動物がいる。
それが猫だ。
特に人に良く馴れた猫などは、まさにこのことわざが具現化されたようなものである。
だって本気で咬んだら人間の皮膚なんか余裕で貫通できる恐ろしい威力の牙を持っているのに、甘噛みをしたり、そもそも人を絶対に咬まないでおいてくれる猫もいる。
爪でのひっかき攻撃なんで、その気になれば人間を三枚におろす勢いでズタズタに出来るのに、優しい彼らはそんなこと、よほどのことがないとしない。
能ある猫は爪を隠すのだ。
攻撃面だけが優秀ではない。
猫は本来、抜群の運動神経を持っている動物。
脚だってかなり早いのだ。だけど滅多に全力疾走はしないので、いまいちその凄さが伝わってない節もある。
そこで今回は、彼らのスピードスターっぷりを紹介していこう。
猫の最高速度はおよそ50キロ!
まず猫の走る速度について最初に書いておくと、時速48キロとされている。
時速48……時速48……どう考えても人間なんか追いつけやしない勢いである。
このスピードを、健康な猫たちは平均して叩き出せるわけなので、本当に猫は小さな体に素晴らしいスペックを秘めた動物と言えるだろう。
しかも、当然運動能力には個体差がある。
そのため、しっかりと計測すれば恐らく、48キロ以上の高速でダッシュできる猫もいるはずなのだ。
底が知れない。
仮に平均的な体力を持つ猫がオリンピックの100メートル走に出場した場合の予想記録を求めてみると、そのタイムは7.5秒となる。
尋常じゃなく早いし、人間なんて相手にならない。
だって100メートル走の世界記録は2020年現在ではいまだ、2009年8月16日のベルリンでのウサイン・ボルトの9.58秒が最速となっている。
人類最速の男ですら、猫には勝てないのだ。
凄いのは猫だけじゃなく、ネコ科は大体脚が早い!
猫の本気の走りについては前述したとおりとなる。
もしもオリンピックの短距離走に出場したら、絶対にぶっちぎりで優勝してしまうというスペックを持つわけだが、凄いのは猫だけじゃない。
同じネコ科の動物たちにも、猫以上に脚の速い連中はゴロゴロしている。
たとえばライオン。
体もイエネコが比較にならないほど大きいし、全身の筋肉量も豊富な彼らの場合、本気で走ると時速80キロにも達するとされている。
まさに獅子奮迅。
また、トラの場合はおよそ50キロから65キロほどの速度で走ることが可能とされている。
ライオンよりは脚が遅いということになるが、それでもあの体格でイエネコよりは早いわけだから、とんでもない話だ。
そしてチーター。
地上もっとも早く走る彼らの最高速度は、推定130キロ。
しかもスタートダッシュから異常な爆発力があり、走り出してたった3秒以内に時速100キロに達するという猛烈な加速力を見せる。
また、最高速度をキープしたまま、最大600メートルも走り続けることが可能であることも分かっている。
ネコ科の動物たちはみな運動神経が抜群だが、走りにおいても他の追随を許さない才能を持っている種が多いのだ。
おわりに
猫という動物は私たちにとってはかなり身近な存在だ。
だが、その割には私たちは猫の本気の走りなんてなかなか見ることはない。
たまに野良猫が道路に飛び出して猛烈な勢いで横断する様子を見ることはあるが、室内飼育をしていると、全力疾走する様子なんて年に1度か2度見れるかどうかだ。
本気で走れば人類なんて到底追いつけない猫。
そんな彼らが大事に飼われていると、その実力を隠してのんびり穏やかに暮らすってのが何とも面白い。